第7話 落とせ!『憤怒』の喜怒哀楽
前回のあらすじ
再び蘇ったメアリーは、自分が死に戻りしていることに気づいた。そして、彼女は、サドから、アングリーの好物を教えてもらい、それで彼を罠にかけることにした。
メアリーは廊下を進み、アングリーが寝ている部屋へとたどりつく。
「ほんとうるさい奴。」
メアリーは、寝ているアングリーを横目に見ながら、その部屋を通り過ぎる。
「酒はここにあるから、次はハメれそうな罠を探しましょう。」
メアリーがどんどん、先へと進むと、突然床が抜けた。
「痛い!」
メアリーが落ちた先は、以前にも引っかかったトラバサミの罠がある場所だった。
「この道を通ると、アングリーが追いかけてくる所の先の分かれ道の右と、同じ場所にたどり着くのね。」
メアリーはトラバサミを外しながら、冷静にそう言った。
「(もう何度も食らったことで多少の痛みには慣れてしまったのかもしれない。)」
彼女はそう思った。
「しかし、どうやって出よう。登っていくにはさすがに手が届かないし、トラバサミ程度じゃ、楽に死ねなさそう。困ったわね。」
彼女が周りを見渡していると、他の物より大きなトラバサミを見つけた。
「これなら、頭から落ちれば、首がちぎれて即死出来るかしら?」
メアリーはそう考え、トラバサミの上で、逆立ちをする。
そして、そのまま頭から落ち、トラバサミと地面により首が折れ、少しの間、苦しんだのち、死んでしまった。
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再びの死に戻り。そして、サドと別れたところまで進んだ、メアリーはアングリーのいる部屋へ行き、彼が寝ている隙に、酒瓶を2本盗んでいった。
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「さて、これでいいわね。」
メアリーはトラバサミへと落ちる床の前に、酒瓶を2本置いた。
「タバコは見つからなかったから、あとは、女ね。」
自分の命の危機だ。メアリーは自分の服を脱いで、あいつを誘惑しようと考えた。
しかし…
「やっぱり嫌。あんな奴の為に恥をかくなんて御免だわ。あの、化物には酒で我慢してもらいましょ。」
準備を終えたメアリーは、アングリーが寝ている部屋の横を通りすぎ、その先の角で、彼が起きるのを待つ。
しばらくして、アングリーが目を覚まし、罠を仕掛けている方へと歩みを勧めた。
「よし。チャンスだわ。」
メアリーは、アングリーに気づかれないように、ゆっくりと、彼に近づいた。
そして、アングリーは酒瓶を見つけ、それを拾おうと前かがみになる。
「(今だ!!)」
メアリーはその隙を見逃さず、急速にアングリーに近寄る。
「えい!!」
そして、アングリーを押し飛ばした。
ゆっくりと、罠床へと倒れ始めるアングリー。
それを見て、メアリーは微笑む。
「(やったわ。これで、指輪が手に入る。)」
メアリーがそう確信した瞬間───
「え!?」
メアリーは、アングリーに腕を掴まれてしまった。
そして、2人はトラバサミへと落ちてしまう。
「痛い!!」
メアリーの背中には、大量のトラバサミが食い込み、トラバサミにつけられた鎖で、彼女が立つことを禁止した。
「がぁぁぁぁぁ!!」
トラバサミの痛みで、暴れるアングリー。
身動きの取れないメアリーは、そんなアングリーの腕によって、何度も体中を殴られ、気を失ってしまった。
次回予告
再び死んでしまったメアリーは、酒瓶の位置が悪かったと反省し、位置を調整する。そして、いよいよ、彼女は指輪を手に入れることが出来る!?
次回 第8話 強奪!誓いの指輪