第4話 3つの財宝
前回のあらすじ
サドはメアリーに、『ナイトメアステージ』を生活する手段を伝える。
しかし、メアリーは「ここから出たい。」とサドに、伝えると、彼はため息交じりにその方法を話すのであった。
「それじゃあ、よく聞いてくださいよ。ここから出る、過酷な方法を。」
サドは、両手を後ろにして話す。
「この『ナイトメアステージ』から出るには、『喜怒哀楽団』それぞれが1つずつ持つ、3つの財宝が必要です。」
その言葉にメアリーは「えっ!?」と声を上げる。
「つまりは、この『ナイトメアステージ』から出るには、あのアングリーに直接戦いに行かないといけないんです。」
淡々と続けるサドに、メアリーは絶望する。
「(せっかく、あいつから逃げ出せたのに、また、あいつと合わないといけないの!?)」
「な?そんなこと知らずにただ平穏に、ここで暮らしていた方が良かっただろう?」
メアリーの心情を察してか、そう憐れむように言うサド。
「ここなら、『喜怒哀楽団』に見つからなければ、安全だ。しかも、この階層『憤怒の演目』なら、食べ物に困る心配も、罠が移動する心配もない。
この階層は、何度も試して、覚えちまえば、楽に生きられる階層なのさ。」
そう言うサド。しかし、メアリーは頭を振って、彼に詰め寄った。
「それでも、私はここから脱出したい!!」
その剣幕に押され、サドは後ろに下がる。
「わ、分かりました。そ、それじゃあ、必要な物を教えますね。まずは、アングリーが持つ『誓いの指輪』。その下の階層にいる『喜怒哀楽団』の『快楽担当』である『ロール』が持つ『偽りのネックレス』。
最後に、その下にいる『喜悦担当』である『スマイリー』が持つ『百種の面』。それを最下層にある像に付ければ、出口の扉が開くんだ。」
それを話した後、サドは自分の腕を見てオーバーに慌てた。
「おおっと、もうこんな時間!? そろそろ、行かなきゃ。
それじゃあ、メア。頑張って、アングリーから、指輪を取ってきてくださいね。」
サドは片手をあげ、「じゃ!」と言うように左の道へと走り去る。
「ちょ、ちょっと!!」
メアリーは、彼を追いかけようと数歩走るが、すぐに歩くのをやめ、ため息をつく。
「私を置いて、どっかいかないでよ。」
そういって、軽く地面をけるメアリー。
しかし彼女は、その後、今更ながら、ある謎に気付いた。
「あれ?私、彼に名前を教えたっけ?」
メアリーは今までの事を思い出すが、彼女が、サドに自己紹介をした記憶がない。
「(もしかしたら、記憶喪失前に知り合った人なのかな?次会ったら、私について何か知っていないか聞こう。)」
彼女はそう思った後、アングリーを警戒しながら、道を進んでいった。
奴から、『誓いの指輪』を奪い取るための方法を考えながら。
次回予告
アングリーから、『誓いの指輪』を奪い取ることにしたメアリー。彼女は、指輪を奪う絶好のチャンスを得るのだった。
次回 第5話 盗め!誓いの指輪