第12話 愛することとは、疑うこと
前回のあらすじ
ロールが、変身の力を使い、人を騙す事を知ったメアリーは、何も信じないことで、その対策をしたが、それはただ、誰のアドバイスも聞かないだけになった。そして無限に続く廊下にあった、ロールキャベツを食べたメアリー。
それはロールの変身で、メアリーは胃の中から削り切られていった。
「ぶはっ!!」
メアリーは腹を削られる感覚を感じながら、目覚める。
実際には出ないものの、腹の中から血を吐き出しそうな気持ち悪さが、未だに彼女の体に残る。
「大丈夫…ではなさそうですね…。」
サドが、メアリーに近づき、縮こまる彼女の肩に手をのせる。
メアリーが彼の方を向くと、彼は、左手にクライをハメ、メアリーの目の前に出してた。
「ドコガ痛イノ?ボクガ、ナデナデシテアゲルカラ、ドコガ痛イカ、教エテヨ。」
そう言うクライを、メアリーは嫌な顔して、思いっきり弾き飛ばそうと、手を上げた所で、彼女は気が付く。
「(そう言えば、彼が、このくそ狐を出す時はいつも左手に付けている。でも、あのロールとかいう奴が化けてた時は、右手に付けていた。もしかしたら、利き手が違うのかもしれない。なら、『箸を持つ方の手』の質問をしても、答えが違うかも。
食べ物や胸像のような物には触れないで、あいつが、彼に化けていた時だけ、この質問を使えば、彼女の変身にも騙されないで、安全に進めるかも。)」
そう考えたメアリーは、スっと立ち上がり、「大丈夫よ。」と返した。
その時ばかりは、メアリーもクライの存在に感謝した。
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メアリーは今回も、サドと別れてからは、ひたすら突き進んだ。胸像も、宝箱も、ネックレスも無視して、2手の扉は迷ったが、こちらから何もしていないのに、急にサド本物に変わるとは思えないし、出口の答えは分かっている。それに、ロールとサドを見分ける術は、なるべく必要な時まで取っておきたかった。対策されないために。
「やぁ、メア。実はこの先には特殊な仕掛けがあってね。正解の道を知らないと永遠に、この廊下をループするんです。だから、ここの廊下の攻略法を教えてあげるよ。」
メアリーがしばらく歩いていると、左手をひらひらと動かす、サドがいた。
メアリーは、彼に向かって質問した。
「ありがとう。どうやって攻略するの?」
「この先の廊下には、隠し扉があってね。それを見つけるには、君から見て、右の壁を触りながら、進んでいって。ちょっとしたでっぱりが、あるから、それの2個目。その周りを、時計回りになぞると、道が開くんですよ。」
メアリーは、サドのその答えを聞いて、少しだけ、喜んだ。「(あの質問が出来る。)」と。
「なるほど。なら、『お箸を持たない方の手』を使えばいいのね?」
メアリーの質問に、サドはちょっとだけ悩んだ。
「うーん。確かに、僕からしたら、そうだけど。君って左利きだったっけ?」
メアリーにはその答えだけでも、十分本物の証拠となった。
しかし、念のために、彼女は、彼と別れ際に、こう話した。
「それじゃあ、クライにもよろしくね。」
それを聞いた、サドは、誰から見ても分かるほど慌てて、左手に、クライをハメて、言った。
「ウ、ウン。バイバイ、メア!」
メアリーはそれを、チラッと見て、彼が本物と確信する。
彼女は、右手で、壁をなぞり歩く。
すると、壁には小さな突起があった。
「1個目…。そして、2個目。」
メアリーは2個目の突起に気付くと、その周りを、時計回りになぞった。
すると、突然、壁が両側に開き、新たな道が現れる。
「やはり、この方法は、アリね。」
メアリーは先へと進む。後ろから近づいてくる、少女の姿に気付かないまま。
次回予告
再びサドの姿で、メアリーを騙そうとするロール。
しかし、それはメアリーに見破られてしまうが、その方法は、彼女の倫理観ではありえないことだった。
次回 第13話 愛するとは信じる事




