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王都魔術師団ドロシー


 【業務用スーパー】の飯を食べさせるとなぜか魔獣が浄化された。


 俺はそれを発見してから魔獣を片っ端から浄化して仲間にしていった。こうすれば戦わなくて済むので楽だ。


 浄化した魔獣は俺の生活を手伝ってくれた。しかし新たな問題も引き起こした。


 屋敷の周りに浄化した異種族が住み始めたが依然として森からは魔獣がやって来る。


 これでは屋敷の周りに魔獣が来るたびに異種族も守らなければならない。これを解決する良い方法を探していた。


 そもそもこの世界には魔術とかいうのがあるんだし人の手を使わずに自動で魔獣を追い払う仕組みを作れるんじゃないのか。


 そんなことをクラリスに相談すると知り合いの魔術師に頼んでみると言い残し、王都へと向かった。どうやら当てがあるみたいだ。


 数日して屋敷を訪ねてきたのはドロシーという魔術師だった。


 「クラリスに呼ばれてきた。ドロシーだ」


 ドロシーは大きな杖を持ち深く帽子をかぶっていた。どちらも上等なものに見えるがその割には背が小さくこじんまりとした少女だ。


 「何を見ている?」


 ドロシーは半開きの眼でじっとこちらの表情を探る。


 「いや・・・」


 「もしかして僕が小さいのを馬鹿にしているのか?」

 

 もちろん背が小さいのを馬鹿にしているのではない。考えていたのはこいつもセデリア王国の重要な職に就いているのではないかということだった。


 クラリスの知り合いということは立場が高いという可能性がある。これ以上目立つ人物とはあまり関わりたくはない。


 「ちょっと聞いていいか。ドロシーは普段どんな仕事をやっているんだ?」


 「僕は魔術師団の副団長をやっている」


 嫌な予感は当たった。


 しかも聞いてみると冒険者としてのランクはS。 そこら辺の冒険者が束になっても敵わないレベルだ。


 クラリスにどういうことか聞きたかったが、あの女騎士は騎士団の用事で屋敷にいなかった。


 「とりあえず昼食を食べないか?話は食べながらでも良いだろう」


 とりあえず昼食にドロシーを誘い話を聞いてみることにした。


 俺は【業務用スーパー】で簡単に料理を作りドロシーに食べさせた。もちろんスキルは別の部屋に移動してから発動した。


「な、なんだこの料理は!?美味しすぎる!」


 ドロシーは料理に感動したようで食材や調味料をどこから手に入れたかを知りたいようだった。


 しかし俺は同じ過ちはしない。簡単にスキルを見せびらかすことはもうやめたのだ。


 「この世から魔獣が一匹残らず消えたら教えてやる。とりあえず今は屋敷を襲う魔獣を追い払ってほしいから手伝ってくれ」


 少々雑に答えたがこれで伝わるだろう。


 スキルを見せるのが嫌だったのと魔獣にストレスを感じていたのでさっさと問題を解決したかった。


 どうやら魔獣を追い払うのは魔術結界とやらを使えば屋敷を守ることで可能らしい。

 

 ドロシーは外に出ると屋敷の周りを大きく囲うように何やら描き始めた。


 俺には解読できない文字と文様の集合体を書き記していく。この魔術結界の中では魔獣は近寄ってこれないのだという。


 屋敷の周りに住み着いたウルフやゴブリンたちもその結界を興味深そうに見ている。


「ずっと気になっていたけど、この魔獣たちは何なんだ?」


 ドロシーは屋敷の周りの異種族たちを見渡して言った。


「魔獣を浄化させて一緒に住んでるだけだ。気にしないで作業を続けてくれ」


 そう答えると「うわぁ・・・」と心底嫌そうに引いていた。


 ドロシーはしばらく作業をして結界を完成させると満足そうに帰っていった。


 その夜、その魔術結界のせいで屋敷に近寄る魔獣たちが破裂するようになった。

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