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2.容体は?-この分ならヤマは越せそうです-

全43話予定です


私は挿絵は描けませんが曲ならなんとか作れたりします

という訳で、現在連載しているこの小説に曲を付けてみました


曲名は小説と同名の「レイドライバー」です

もしよろしければ一度聴いてみてください


↓Youtubeのリンクはこちら↓

https://youtu.be/N4ueViHp3SM


ちなみに他にもオリジナル曲をアップしています。もしもご興味がありましたら、ゼヒ聴いてみてください

↓以下が私のYoutubeチャンネルになります↓

https://youtube.com/@JohnD_72


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


 少し時間は戻る。


 …………


 クリスはその後もずっと病院に通っていた。医師からは[毎日来なくても]とは言われたものの、やはり自責の念が強いのだろう、今日も、


「面会させてください」


 と言ってやってきた。戦闘終了から三日、医師が言っていた[ヤマ]である。


「容体は?」


 クリスが恐る恐る尋ねると、


「この分ならヤマは越せそうです。バイタルも安定している、大丈夫でしょう」


 確かにクリスが見るに素人目に見ても[これは危険]というような状態ではない。血色も良くなっているように見えるのは治療のお陰だろう。


「では、もう三日すれば?」


 とクリスが聞くと、


「ええ、搬送には耐えられると思います。ただし、意識不明状態があと三日で直るとは限りません。現在も重体なのには変わりないのですから。そこは重々承知しておいてください」


 と釘を刺される。


 ――それでも助かってくれれば。


 クリスの心の葛藤はまだ続いていた。それは、おそらくマリアーナが仮に原隊復帰出来たとしても[傷]として残るだろう。それほどクリスは[思考]し、その結果に[酔って]しまったのだから。


「では、また来ます」


 しばらく見ていたが、見ていてもどうしようもない。クリスは医師ではないのだ。それに彼女にはやらなければならない仕事がある。


 カズへの連絡、である。


 …………


「で、現在の状況としては命はとりとめた、と」


 病院を出てからゼロスリーのもとへと戻り、定期通信を入れた、という訳である。


「はい、峠は越したと言われました。もう三日もすればそちらに帰られると医師も仰っていました」


 ――でも、やった事は消せない。


 クリスはその一点に悶えていた。カズからは[罰したりしないよ。それじゃあきみの思うがままだ]と言われた。事実、クリスは密かにそれを期待していたのだ。[どうしてお前がついていながらマリアーナに怪我をさせたのか][貴重なパイロットが死にでもしたらどうするんだ]そう言われると、願っていた。それはクリスの中にあるマゾヒスティックな面がそうさせるのだ。


 クリスは生体コンピューターを植え込む事でレイドライバーに乗るという[痙攣]を、カズと会う[痙攣]から解放された。そして今回は責任者として男性に対する恐怖、というものにブレーキをかけてもらった。しかし、情動まではブレーキがかけてない。


 クリスは思考する事で[快楽]を得てしまっているのだ。


 ――これも、症例が少ない第三世代のせいなのかしら。


 そう思うが、真意を知るものはこの世にはまだ存在しない。数少ない成功した個体もまだ実験段階なのだ。


「で、だ。そちらの戦況としてはどうなの?」


 とカズが問う。


「戦闘は一部で継続中ですが、それもほとんど終息に向かっています。同盟連合は領土を回復し、他州から駐屯部隊も到着しつつあります。戦闘機はもう飛んでいません」


 つまりは事実上、今回の作戦は終息を収めた、といっていい。それが勝利なのか、敗北なのか。領土防衛としては勝利を収めたといっていいだろう。敵戦闘機も撃墜できた。敵レイドライバーも殲滅した。


 ただ一か所、ゼロフォーの被弾、大破とマリアーナの意識不明状態、これだけは間違いない事実なのである。


全43話予定です



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