1.カズは考える-これは……非常に厄介だぞ-
全43話予定です
引き続き読んでくださって、本当にありがとうございます!
もしレイドライバー 1 から 11 をまだお読みになっていない方は、お手数ですがまずはそちらをお読みになってから今作をお読みくださいませ(今作は、前作からの続きものになります)
↓過去作はすべて作者ページからご覧になれます↓
https://mypage.syosetu.com/mypage/novellist/userid/2478453/
実は、もう一つの並行世界線という事で、登場人物が同じヒューマンシリーズという作品群を寄稿しています(全て完結済みです)
もしかしたらこの時間軸を歩んでいたかも、という話です(正確にはヒューマンシリーズがあってからのレイドライバーシリーズなのですが、ヒューマンシリーズは読まなくても話は繋がります)
もしよければこちらも読んで頂けると、とても嬉しいです!
ヒューマン 1 -繰り返される事件と繰り返す時間遡行-
https://ncode.syosetu.com/n2996hx/
(
ヒューマン 2 -再び繰り返される事件と再び繰り返す時間遡行-
https://ncode.syosetu.com/n8320hy/
【R-18】ヒューマン 3 -時間遡行によってもたらされたものは-(これだけR-18なので作者ページに載っていません。行為等の激しい描写などは極力なくしたつもりですので読みやすいと思います)
https://novel18.syosetu.com/n2786ia/
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https://twitter.com/JohnD_72
曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップする予定です(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
1話が大体1500文字前後ですので、少々読み足りないかもしれませんが、スキマ時間にでも読んでくださるととても嬉しいです!
カズは考える。
何故ここにきてアルカテイルではない世界の他の地にレイドライバーが現れるのか。その理由になるのが一つ、大規模試験だ。帝国もフィードバックが欲しいのだろう。
経験を積ませている、と考えられる。
更には日本奪還で[同盟連合はどの地方でも戦闘が出来るし、戦闘は継続している]というアピールをした形になっている。もちろんそれは当の同盟連合が望んだアピールだ。
つまり[休んでいる暇はないぞ]と。[何処でも戦闘になり得るぞ]と。
そのアピールが効いているのはほぼ間違いないだろう。同盟連合の上の人間もその辺りは考えているのだろうが、口にはしなかった。ただ一言[あとはよろしく頼む]と。
具体的に行こう。
帝国が何故アルカテイルに進軍してこないのか。それはもちろん、こちらがレイドライバーの頭数を揃えてきており、戦力差がある、ないしは戦力差が向こうが上回っていても経験の差がある、と認識しているとも考えられる。
現に、ゼロフォーは失ったものの、ゼロツーやゼロスリー、ゼロワンの時は修理、改修して現場復帰させられたのだから。敵もそれは戦闘で知っているはずである。
もう一つの要因、それはワンワンとワンツーの存在だ。
アルカテイルを攻めるにはワンワンとワンツーを何とかしないといけない。四つ足は防御面が厚い。それは前回の戦闘で相手も分かっている事である。何発も着弾したにもかかわらず、ワンワンは行動不可能にはならなかった。
となれば[いつでもアルカテイルに攻め込む準備はしているのだぞ]と思わせつつも各地でレイドライバーを展開しようと考えてもおかしくはない。
一旦、アルカテイルでの戦闘を休止するのだ。
当然、世界各地にレイドライバーが出たとなれば、おのずとアルカテイルから部隊を割かざるを得ない。ある程度の数量が減ったところで攻勢に出る、これも十分に考えられる。
その為の旧エストニアへの展開とも取れるが真意は定かではない。
上層部は当然[レイドライバーが相手では通常戦力は歯が立たない、派兵を]と言ってくるし言われなくても行動するのが当たり前だ。必然的に派兵はするが、アルカテイルの守りももちろんおろそかに出来ない。
――これは……非常に厄介だぞ。
カズが言う厄介とは。
それはカズが陣頭指揮をとれないという点にある。もし仮にゼロゼロとゼロワンのペアで戦線を移動したとしよう。そうするとまず頭に浮かぶのは研究所の件だ。カズは部隊長でもありつつも研究所所長でもある。無論、遠隔での指示は出せるが、では仮に敵が本当にアルカテイル基地を攻めてきた時にどうするか。カズなしで回せるのか。おそらくそれは無理があるように見える。
そうすると分隊化しないといけないのだが、分隊長は誰が行うのか。最も有力なのはクリスだ。彼女は副隊長を任されているし、その為の戦時昇進で少佐になったのだから。
では複数個所に敵レイドライバーが現れた場合は? その場合、トリシャを向かわせなければならなくなる。レイリアは腕の件があるからカズから離すわけにはいかない。第一レイリアに分隊指揮は……。
――そうすると、出ても二か所までしか対応できない、という事か。
三か所目が仮に出た場合は自分か、新人を行かせるしかないのである。それにマリアーナの容態も心配だ。彼女は無事に復帰できるのか。もし仮に復帰が困難となれば脳だけ取り出してサブプロセッサー化する方法も考えてはいる。クリスが必至で助けたその命を、殺処分だけは避けたいのだ。
「さて、と。そろそろ連絡が来てもいい頃なんだけどな」
ゼロフォーが戻って少し経つ。カズはアルカテイルの私室で紅茶を飲んでいた。隣にはあられもない態勢のトリシャがいる。そう、定期的にこうやって自室に呼んでは[しつけ]をしているのだ。
「もしかしてクリスの事?」
その姿勢のままトリシャが尋ねる。
「そう、とも言えるし違う、ともいえるかな。いいよ、今日は。トリシャもお茶にしようじゃあないか」
姿勢を戻していいと言われて、トリシャは手早く服を着てカズに寄り添う。彼女も既にカズに依存しているのだ。
二人でカップを並べてひと時を過ごした。
カズの考える最悪にならないように、彼は願うのだ。
全43話予定です
引き続き読んでくださって、本当にありがとうございます!
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実は、もう一つの並行世界線という事で、登場人物が同じヒューマンシリーズという作品群を寄稿しています(全て完結済みです)
もしかしたらこの時間軸を歩んでいたかも、という話です(正確にはヒューマンシリーズがあってからのレイドライバーシリーズなのですが、ヒューマンシリーズは読まなくても話は繋がります)
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