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春の探偵イベント!

 四月になった。突然ヤモリから連絡が入る。

 「竜宮で探偵ゲームイベントが開催される」といった内容だった。時神さんの家の亀、デストロイヤーと花見を楽しんでいたおはぎは再び、頭を抱えた。


 あたたかくなり、桜が一気に咲いた。ちなみにお花見場所は時神さんの家から丘を降りたところにある川岸の桜並木だ。


 「せっかくデストロイヤーと小エビ食べてたのに……」

 おはぎは仕方なく、デストロイヤーを両手で持つと時神さんのおうちへと向かった。ヤモリはまた栄次もつれていくらしい。


 おそらく今回も前回同様に言っていることとやっていることが変わっていくパターンか。

 つまりヤモリは計画性があまりない。


 「桜の花びらはきれいだなあ……」

 おはぎは落ちてくる桜の花びらを眺めつつ、遠い目で丘を登った。

 時神さんのおうちの庭にデストロイヤーを帰し、おはぎは玄関へと向かった。


 「やあ、来たね!」

 「うわっ……まだピンポン押してない……」

 扉から顔を出したのはヤモリだった。また、おはぎを中に入れる。


 屋敷に上がり、部屋に着くとすでに栄次がいた。なぜかヒメちゃんも一緒にいた。ふたりで麦茶を飲んで三色団子のおやつを食べている。


 「また栄次を客にするの?」

 おはぎは来て早々にヤモリに尋ねた。


 「うーん、今回はヒメちゃんにも来てもらおうかなって。ヒメちゃん、栄次がお客さんになってくれたらちょうどいいのよ、イベント中だから。ヒメちゃんにねだられたと栄次がしぶしぶついてきた感じで……」


 「……またそういう……」

 「ほら、ヒメちゃんも」

 ヤモリは三色団子を頬張るヒメちゃんを見た。


 「探偵イベント! 燃えるのじゃ! 行きたいのじゃ!」

 幼女のヒメちゃんはとても行く気満々であった。


 「まあ、いいんじゃないかしら? はい、お茶どうぞ……あ、亀はお茶大丈夫かしら……」

 ふと、台所から茶色のショートヘアーの少女が顔を出した。手にはお盆と飲み物を乗せている。


 「えーと……」

 「アヤよ。時神現代神、アヤ」

 「アヤ……あ~、お茶は大丈夫……。私は雑食だからね」

 「そう」

 アヤはおはぎに微笑むとお茶を机に置いた。その後、お団子もすすめられたが断っておく。

 今食べたら喉に詰まりそうだ。


 「栄次、おかわりは?」

 「もう良い。美味だった。ありがとう」

 「ヒメは?」

 「お団子もう二本! 緑茶を頼むぞい!」

 「あなたは調子に乗りすぎじゃない? まあ、いいわ。持ってくるから。ヤモリは?」

 「あ、お茶を一杯」

 「わかったわ」

 一通り聞いたアヤは再び台所へ去り、また色々と持ってきた。


 「そういえば、イドのことを調べてるんだったかしら? 水とか川とか井戸とかの神に雷がついている理由がわからないのよね」

 アヤはお団子をヒメちゃんに渡しながら不思議そうに言った。


 「確かに。龍雷水天神(りゅういかづちすいてんのかみ)。雷神のいわれもないのに、なんで雷ついてるんだろう」

 ヤモリは険しい顔で唸る。


 「ワシも神々の歴史を管理しているナオにパァパを検索してもらったんじゃが、結局わからなかったのじゃ。まあ、それよりの、竜宮周辺は今頃、桜が満開じゃろうて! 早く行きたいのじゃ!」

 ヒメちゃんがお団子を頬張りながら楽しそうに笑った。


 行きたいだけなのか。


 「栄次も行くのかしら?」

 「ああ。彼女達だけでは、なんだか……不安故……」


 栄次は行きたくなさそうだったが、一緒に行ってくれることになった。


 今回はヒメちゃんも一緒に行くようである。

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