最終決戦2
一同は竜宮城の砂浜に足をつけた。ここまで送ってきたツルは「ご武運を」と一言残して去っていった。
砂浜は竜宮城が閉鎖中なため誰もいない。きれいな青空と静かな海がなにやら不気味だった。
「待っていましたさね!」
海から顔を出したのは竜宮城の使い、舞子さんのような姿の女性であるカメ。
「え、もう怖い……」
おはぎはずっと怯えていて、竜宮城の使いすら怖がっていてわけがわからなくなっていた。
「おはぎ、あれはカメだよ……。竜宮に連れていってくれる」
ヤモリがため息混じりに答えた。
「おはぎは何やらずっと怯えているのう……。ツルがひく駕籠の中で、空を飛ぶ鳥に悲鳴をあげておったしのう……。そのままでは和菓子になってしまうぞい?」
ヒメちゃんはおはぎのおかげかだいぶん冷静だ。
「だ、だって、私、関係ないじゃん……」
「まあまあ、栄次がおるし、大丈夫じゃ」
ヒメちゃんもどこか緊張はしているようだ。顔が強ばっている。
「早くするさね! オーナーが封印を解く事にしたと言っていたさね」
カメが海から手招きを始めたので、おはぎ達は海へと向かった。カメは竜宮の使い、観光客などを溺れさせることなく竜宮へお連れできる能力を持つ。
竜宮は海の中にある。いつもウミガメ達で賑やかな海は今日は静かだ。
竜宮は閉鎖されている。
カメは通常の門ではなく、従業員用の門へと向かった。
鳥居がなぜか海に浮かんでおり、その奥に無機質な建物があった。テーマパークの裏側を覗いたかのようだ。
「ここにカードキーを……えーと」
カメは普段、ここから入らないのか、鳥居の門の横にある機械に迷っているようだった。
「こうだよ……もー」
ヤモリが横から自分のカードキーを取り出し、機械にかざした。
顔認証が始まり、『龍神、家守龍神』の文字が出ると鳥居の先の扉が音を立てて開いた。
「あー……ヤモリさまー、龍神だったの忘れていたわあ……」
カメの失礼な発言に眉を寄せたヤモリは何も言わずに頬をふくらませながら開いた扉の先へと歩いていった。
扉を開けて従業員用の無機質な廊下を歩くと、以前、おはぎがたどり着いたホールの様なところに着いた。
「ここの下り階段に封印があったな」
栄次が確認をし、ヤモリは頷いた。
「下りるさね! 下にオーナーがいる。あちきは避難するよう言われているから、ここで帰るさね」
カメは怯えながらそそくさと去っていった。
「カメも行ってしまったし、もう覚悟決めて行こう!」
ヤモリが階段を下り始めたので栄次は震えるおはぎの背を撫でながらヤモリについて階段を下りていった。
「……下にパァパが……いるのじゃな」
ヒメはどこかせつなげに目を伏せた。




