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ある龍神の過去1

 飛龍は去っていった。

 辺りはだんだんと暗くなり始め、イルミネーションが輝き始める。

 「私の神社のご祭神……って誰なんだろ?」

 おはぎは近くにいたアレとヤスマロにとりあえず疑問を投げかける。

 「あー……アマテラス様……ですかねー」

 アレが迷いながらつぶやき、ヤスマロも頷いた。

 「あと……あの龍神、飛龍さん……ですね。オーナーのアマツヒコネ様はアマテラス様、スサノオ様との関係が強く……飛龍さんは……」

 「えー!」

 ヤスマロが全部言い終わる前におはぎは声を上げた。

 「なんです?」

 「あの怖い神様、うちにいるんですか!」

 「ありがたい龍神様ですよ……。ばいおれんすな気もしますが……。本来、飛龍さんはアマテラス様と混ざり、母性ある平和な龍神様。大地を雨で濡らし、太陽で地をあたためる、生き物の繁栄の象徴です。竜宮ではっちゃけてるだけですよ。……たぶん」

 「たぶん」

 ヤスマロの説明におはぎは苦笑いを浮かべた。

 「でも、なんかあいつ、封印について知っていたな……」

 ヤモリが眉を寄せながらつぶやいた。

 「というより、封印されていた神を知っている」

 エビスが答えながら今度は「アマノムラクモ」の剣を取り出した。

 「こっちも実は霊的武器」

 エビスがアマノムラクモをかざした刹那、地面が揺れた。

 怒りのような悲しみのような不思議な神力が溢れる。

 「え、何?」

 エビスが驚いた刹那、竜宮の電気がいっせいに消えた。お客さんが何事かと辺りを見回している。イルミネーションも消えてしまった。

 「エビス! 何をしている!」

 ふと鋭い男の声がした。

 「げっ、この声はパパ!」

 エビスは慌ててアマノムラクモをしまった。エビスのすぐ後ろにテンガロンハットをかぶった羽織袴の青年が立っていた。黒い髪を後ろに流している青年だ。

 「まさかアマノムラクモを出したのか?」

 「えーと……」

 エビスが返答に困っているとイルミネーションが再びついた。

 「なんだったんだろ……」

 つぶやくおはぎの瞳に不思議な過去が映る。竜宮全体が過去を映し出し始めた。

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