情報④秋
栄次は過去を見た。
彼は転生しているため、過去は見られるかわからなかったが、神はデータなため、さかのぼれば見ることができるかもしれない。
「ん?」
栄次は首を傾げた。転生していたら様々な彼が映るはずだが、今の彼の前はこないだ見たあの彼だった。
イドさんに雷の力を与えた彼だ。
「お前は……いつからその姿なのだ?」
「シャウはずっと若いんだナ! ずっとこのまんまなんだナ!」
「なるほど……年を取ったと感じたら転生する感じか。若くある雷故に。前の神は年を取ったと感じた故に、イドの龍神に雷の力を与えて消滅したと……。では、お前はいつから出現した?」
栄次は過去を見て時代をさかのぼる。
スサノオの伝説に行き着いた。
ヤマタノオロチを斬ったあの伝説だ。
「スサノオはこの世界にはいないはず……」
「スサノオじゃと! お話ではヤマタノオロチという龍を斬ったと……。じゃが……お話で本当はいないはずじゃぞい?」
ヒメちゃんが横から口を出した。
「……いや、スサノオは……本当にいる。流史記姫、知っているだろう? この世界は第二次世界大戦から世界改変でアマテラス、スサノオ、ツクヨミが隠れてしまったことを。俺は過去神で、戦国の元人間から神になった。つまり、知っているはずなのだ。『歴史神』の情報操作でこの世界の記憶がいじられていることを俺は知っている」
「……それはワシの管轄ではないぞい。ワシは人間の歴史を管理する神で、神の歴史を管理しているわけじゃないのじゃ」
ヒメちゃんは視線をそらして答えた。
「まあ、今はよい。とりあえず……スサノオの伝説が映った。この雷神の前の雷神が封印当初の記憶を持っていた。封印されているのは龍神。かなり極悪な龍だったようだ。社長の天津と……この神は……」
栄次が見ているものを語る。
「天界通信本部社長のヒルコ……」
「ああ、高天原南の新聞社の社長じゃな。今までの神の記録、古事記を編纂した稗田阿礼と太安万侶もおるぞい」
ヒメちゃんは自慢げに話した。稗田阿礼と太安万侶は歴史神だ。
ヒルコ神はよく考えればアマテラス、ツクヨミ、スサノオの兄である。
「……何か知ってそう」
ヤモリが間でつぶやいてきた。
「……天界通信本部は会社だ……。一般神は入れるのか?」
栄次が尋ね、ヤモリは唸った。
「それは私がなんとかする。竜宮に新聞社が来ることもあるから、それを狙おうかな」
ヤモリの通信はそこで切れた。
「シャシャーウ!」
雷神のシャウが蓄電を先程から始め、通信環境が乱れたようだ。
「シャウ! 電気はやめるのじゃ! ジェットコースターの上でやろうぞ! あ、観覧車はどうかの?」
ヒメちゃんはジェットコースターの先にある観覧車を指差した。しっかりゆっくりと動いている。
「観覧車を速くするんだナ! 楽しいんだナ! シャアアアウ!」
「まて、俺は乗らんぞ……。おはぎを介抱せねば……」
栄次は蓄電しすぎて雷が出そうなシャウをあきれた目で見つめつつ、白目を向いて気絶中のおはぎに目を向け、ため息をついた。
シャウ、タニグチさん、飛龍、リュウさん、ヤモリはもう一つの龍神短編で登場してます。
タニグチさんが主人公でした。
あと、本編にもいるキャラクターがいます!




