「満開の桜を見られるのは ～というのは、さておき～」
「満開の桜を見られるのは、人生であと何回だろうか？」
黄昏れた中年の男はつぶやいた
桜の花が咲き誇り
ひらりひらりと舞い降りる
その中年の男は、小汚い片手で缶ビールを持っていた
「満開の桜を見られるのは、人生であと何回だろうか？」
あの時、あの男が発した言葉を
桜の花が咲き誇り
ひらりひらりと舞い降りる中を
歩きながら、思い出し
私は片手に持っていた缶ビールを口に含んだ
さて、花びらが舞うと当然
地に落ちていく訳だけども
たまたま、その後、地面に落ちた後の花びらを見ちゃってさ
なんか
その
言葉選び下手なのは申し訳ないんだけど
ぶっちゃけると
すっっっっげーーーーーーーーー汚くて……
アスファルトにこびり付いた花びら
すんごい汚い
泥まみれになった花びら
結構汚い
ちょっと話変わるけど、俺はね
虫、触れないのよ
まぁこれは、同意してくれる人いるかなーと思うんだけど
俺ね
虫と同じくらい、花びら触れないのよ
触りたくないの
地面に落ちた後の花びらは
マジで触りたくないの
これはちょっと、同意してくれる人いるかなー？
もうね、一人称変わっちゃうくらい
地面に落ちた花びら触りたくないし、嫌いなの
文章の雰囲気めっちゃ変わるくらい
マジで嫌なの
一番最悪なのが
地面に落ちた花びらがさ
靴の裏についてるパターン
もうイメージしただけでキツい
ヤダもうマジで
マジでイヤだ
でさ、いま春じゃん？
もうそういう季節だよね
もう俺さ
マジでイヤなの
スギ花粉と同じくらい嫌なの
ていうか俺、花粉症は比較的軽微なものに収まるから
もしかしたら気持ちちょっとだけ
地面に落ちた花びらの方が嫌かもしんない
もうイヤ
触りたくねぇ
花びらマジで汚い
花びら、汚い
正確には舞い散った後の花びらのことだけども
花びら、汚い
……まったく、缶ビールしばいた勢いで余計なこと言っちまったな！
花見の席を邪魔して悪かったわ！
まぁお前らはこの後も楽しんでくれや！
俺はもうコンビニ寄ってから帰るわ！
