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All For Love ~Serious love never ends?~  作者: 犬
第一冒険譚 ーInceptionー 《Suit ♡》
4/46

第3話 ついに、来ちゃったか〜

ー雷鳴召喚術とはー


雷鳴召喚術は、闇の魔術とされていて、ATSS魔術の一つである。

この魔術を唱えた後は、空が一時的に曇天に変わり、激しい爆音がする。

その後、晴天に戻るが、魔術の効果は初日で起こるものではなく…

効果は、召喚魔法発動後から約1日の間で起こるとされている。

召喚に成功すると、冥界の魔王を召喚することができ、世界を破滅させることが可能である。

ただ、法律上、この魔術の使用は禁止されている。

万が一、使用者がいたのならば、厳しい処罰が下されるだろう。


もし、召喚が成功してしまった場合は打つ手がなしだ。

その時は、歯を食いしばって、死を覚悟するしかない。

魔王を倒そうとする勇者でもいない限り、希望はやって来ない。



「…と、まぁ、こんな感じかな…」

ラオンは、妹に読み聞かせながら、ざっと本の内容を確認した。

[これ、普通にまずい状況なのでは…?]

そう考え、焦りながら妹に尋ねた。

「父と母に見せるべきだよね…?」

ローズもどうやら同じ考えをしていたらしく。

静かに頷いて、図書室から立ち去った。



「…にしても、中庭広いよなぁ…」

ラオンは独り言のように呟いた。

いつもは、思っていてもそんなことはしないのだが…

今回はしょうがなかった。というか、そうするしかなかった。

というのも、さっきから妹との会話が全くない。

原因は明確だったが。


[やっぱ、本の内容を見て愕然としてるんだろうな…]

ラオンは、ため息をついて妹を見守る。

会話がないのは、喧嘩したからとか、そんな可愛い理由ではなく…

命の危機を知ったからだった。


最悪なことに、図書室から王室までは、少なくとも数十分はかかる。

つまり、その間、ずっと沈黙が続く。

ローズを気遣ってやりたいが…

すごい “話しかけないでオーラ” が出ていて、話しかけづらい。

いつ話そうか、なんて声をかけようか。

そんなことを考えて、かれこれ十分。

ついに王室に辿り着いた。



「失礼します。お父様とお母様に用があって参りました。」

「失礼します。妹と同じです。」

ラオンとローズ。2人揃って礼をして、王室に入った。


「2人揃ってどうした? 何か問題でもあったのか?」

王室に入って、1番最初に声をかけてきたのは王だった。

(脳筋)にしては、珍しく察しのいいことに驚きつつ、ラオンは口を開く。

「えっと… 大変なことになりまして…」

意味ありげに語るラオンを見て、何か不審に感じた女王(マリヤ)は、心配そうに言った。

「大丈夫?何かまずい気配がす…」

そこで、突然、また爆音がして女王は黙った。


空が闇に包まれていく。

天候が急に嵐になり、雷鳴が絶えず轟く。

しばらくして、晴天に戻ったが…

その間、ラオン達は沈黙していたが、ラオンがぼそっと言った。



「ついに、来ちゃったか~…」

※ATSSとは、「黙示録二十秘技」(Apocalypse Twenty Secret Skills)の略で

法律で禁止されている20種の魔術のことである。

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― 新着の感想 ―
僕も使えるよ!ATSS! いくゾ〜・・・ って、使えないんかーい!なんてネ!
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