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All For Love ~Serious love never ends?~  作者: 犬
第一冒険譚 ーInceptionー 《Suit ♡》
2/46

第1話 家族って怖くね?

ラオンは慌てて自室を飛び出した。

なぜかというと、数分前に母に呼び出されたからだ。


基本は呼び出されることはないのだが…

昨夜、闇の魔術に対する防衛魔術の書を読んでいたら、時刻は深夜を上回っており…

結果、このような状況になってしまった。



自室から飛び出したラオンは、廊下を走っていく。

まず一つ目の角を右に曲がって、階段を駆け降りる。

大広間に出たら、左側の右から三番目の扉を開け進む。

廊下をダッシュして、突き当たりで右に。

そこでラオンは、一旦、息を整えて食堂に入る。



[食堂は相変わらず広いなぁ… こんな大きい必要あるのかね?]

ラオンは走ってきたのがバレないように、余計なことを考えながら、自分の席に座る。

なんで、走ったのがバレちゃいかんのかって? そりゃ、母にガチギレされるからです…


落ち着いて、あたりを見渡していると、

「ラオン。ここまで走ってきたでしょ?」

鋭い推理が母の方から飛んできた。


[何でバレた!? 何処かから監視されてるんですか? 僕は。]

そんなことを考えながら、ラオンは誤魔化した。

「いやぁ… 朝、筋トレしてですねぇ… それで疲れたんですよね…」


その予想外の返答に、母は若干、納得してない素振りを見せて言った。

「まぁ、何でもいいけど。 王子の自覚は持ちなさい。」

「はい…」

正論で返されたラオンは、肯定も否定もできず、素直に頷いた。



[とりあえず何とか持ち堪えたな…]

と安堵していたラオンだったが、危機は二度起こる。


「筋トレなら俺が指導してやるぞ?」

そう、忘れていたのだ。この(脳筋)のことを…

「いやいや、自分のペースでやりますから… お気になさらず…」

そう言い放つラオンは内心、[脳筋の指導?聞いただけで絶望感が湧き出すわ…]と思ったが、一応王子なので、言葉遣いに気をつけて丁寧にやんわりと断った。


しかし、“脳筋のロジャー“はそんなことがわかるはずもなく…

「そうか、自分のペースか。たまに様子を見に行くからな。ハッハッハ。」

と豪快に笑い飛ばしながら、酒を飲み干した。



[なんか、王族とは思えないわ… 僕が言える立場ではないんだけどね。]

ラオンはそう考えながら、ふと何かに気がついた。

[あれ、妹様はどちらへ…]

そういえば、(ローズ)がいない。まだ起床してないのか、何なのか。


その疑問を解消するべく、母に問いかけようとした時に、謎が解決した。

「おはようございます、お父様、お母様。お兄様も元気そうで何よりです。」

と、そこに来たのは、{銀髪碧眼天然控えめ天使}のローズ様。すなわち、ラオンの妹だった。



妹は、音を立てずに歩を進め自分の席に座る。

これで、全員が揃った。

入口側を正面として、左側の奥には女王(マリヤ)。手前は(ロジャー)

右側の奥には王女(ローズ)。手前は王子(ラオン)が座っている。


入口の反対側には、使用人がいる。

もちろん、王家なので、使用人はいる。

初老で、王の従者である“リズ“と、同じく初老で、女王の従者である“ルド”と…

あとは、ラオンと同い年くらいで、王子と王女の従者である“ミク”…

この三人が、この城の使用人である。



妹が席に着いたところで、使用人が一斉に動き出す。

沢山動いて朝食を運んでいるのに、音を全く立てず存在感を強調しない動きっぷりに、若干感動しつつ、ラオンは、おもむろに口を開いて言った。

「あのローズ…? 今朝…まぁ、さっきのことだけど。なんか変な感じしなかったか?」


ローズは首を傾げていたが、何かに気づいたように顔を変化させる。

そして、妹が何か話そうとしたときに、ベルがなった。


このベルは、使用人の準備が終わったときに合図するもので、いつも使用しているのだが…

今日は、直前まで妹と話していたのもあり、ベルの音に驚きつつ、ラオンは姿勢をただした。



テーブルの方に視線を戻すと、そこにはとても美味しそうな朝食が用意されていた。

そして朝食に見とれていたら、王の咳払いが聞こえてきた。


ラオンは慌てて顔をあげて、王の方を見る。

王が手を合わせるのと同時に、ラオン達も手を合わせ、全員、声を揃えて言った。



「いだだきます」

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― 新着の感想 ―
いただきます ◠‿◠
[良い点] 偶然見つけましたがとても面白そうですね。これからも続きが読めることを楽しみにしています。頑張ってください。
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