プロローグ 起床-8:00am
よろしくお願いします。
「チュンチュン」
小鳥のさえずりである少年は目を覚ます。
昨夜、大雨が降り雨風がかなり強かったため、花はどれくらい散ってしまったのだろうと考え、残念そうにベットから重い腰を持ち上げたこの少年。
名前は「ラオン・V・シュネルカイザー」といい、王族のシュネルカイザー家の長男である。
そう、彼は王子なのだ。
シュネルカイザー家の家主、すなわち国王の名は「ロジャー・L・シュネルカイザー」でラオンの父にあたる。
ラオンの母、つまり女王の名は「マリヤ・O・シュネルカイザー」で、“脳筋のロジャー”と呼ばれている国王に対して、“頭脳のマリヤ”という二つ名があるらしい。
もちろんラオンはシュネルカイザー家の王子なので、当然、彼らの息子なのだが‥‥。
正直、似ているところがほとんどない!
髪色と瞳の色は同じなのだが…、顔も似ていないし、性格も全く違う。
そのことはラオンも重々承知しているようで…
{どちらかというと、妹の方が似ている気がする…}
と、つくづく思うのであった。
実は、ラオンには年の差の離れた妹がいる。
名前は「ローズ・E・シュネルカイザー」といい、二つ名は“天然のローズ”である。
妹のローズは、髪色と瞳の色が明らかに違うが、性格は控えめで母親譲りだし、嘘をつくと親指の爪をまじまじと見つめるという、意味の分からない癖は父親譲りだし…。
そのほかにもいろんなところが親に似ている。
{銀髪碧眼の部分を抜けば親そっくりなんだけどなぁ…}
鏡を見ながらそんなことを考え、パジャマから着替える。
「起きなさーい」
そこで母の少し強めの声がした。ラオンはとっさに、母を怒らせたらひどい目にあうということを思い出して、慌てて自室から飛び出した。
初めてなので間違いがあってもご了承ください…