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茶道の逸話 ー響け「おもてなしの真実」ー  作者: shoundo
第5章 新たな敵・織部レンの織田
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第26話 辻上級警備員

学校帰り、私は警備員に止められ、その場で立ち止まった。


私:「どうしたの、警備員さん?」



警備員:「何者かに囲まれていますね。すぐ、応援を呼びましょう。」


私:「えっ!」


私達の周りには、黒い服を着た10人程の人が立っていた。


その中央からひと際目立つ、背の高い人が私達に向かって歩いてきた。


織田:「俺は織部レンの織田。代々続く織田家の次期当主だ。おまえが利子だな。」


私:「ええ、そうよ。何、やる気!」


織田:「さすがは、あの婆さんの孫だな。威勢が良い。だが今日は挨拶に来ただけだ。おまえの家の近所に織部ズムの支店を出すことになった。もうすぐ開店する。さあ、仲間と共に支店に来るが良い。織部ズムの素晴らしさを叩き込んでやる。」


警備員:「利子ちゃん、挑発に乗ったらダメだ。罠だよ。」


私:「罠?」


織田:「どうした、怖気付いたか。利休の逸話はみんなを救うのだろう。俺一人論破出来ないで、誰を救う気なんだ?」


私:「わかったわ。行ってあげる。いつ開店するの?」


織田:「開店は来週の日曜日だが、それ以降ならいつでも良いぞ。しっかり準備をして心残りの無いよう乗り込んでくるんだな。利休派最後の日になるのだから。」


織田とその仲間は、そのまま帰っていった。


しばらくして、芝山先輩のお父さんと警備員が10人程度やってきた。


私達が事情を説明すると、芝山先輩のお父さんが、困った顔をした。


芝山父:「織田一族が、とうとう動き出したか。織田家当主はここの県庁を()べる・織部ルケンだ。君が会ったのは、その長男に当たる次期党首だね。私の会社の筆頭株主は、織部ルケンの織田当主だ。わかりやすく言うと、会社は織田当主に対して無力だ。どうしたものか。」


警備員:「私個人の判断で利子ちゃんを守ります。もし何か会社に迷惑がかかりそうになったら、辞表を出しましょう。」


芝山父:「君の名を聞こう。」


辻警備員:「辻と言います。」


私:「そんな!会社を辞めてまで私を守るなんて言わないでください。」


辻警備員:「僕もね、利子ちゃん。千利休に心を打たれたんだよ。君が話す逸話におもてなしの心を感じた。君なら本当に日本を変えられるとね。今や僕の夢なんだ。大人が夢の為に、人生をかけて何が悪いと思う?」


芝山父:「辻警備員、君を上級警備員に任命しよう。必要に応じて、5人まで警備員を自由に動かせる役職だ。君の夢、確かに聞き届けた。だが相手は織部ルケンだ。決して油断するな、そして、辞表を出すような事態にならないことを祈る。」


辻上級警備員:「はい、芝山社長。ありがとうございます。」


私は辻上級警備員に守られながら、家路についた。


現在の利子の特殊能力

 ・逸話の伝道師・中級

  『丿貫の落とし穴』『三献茶』『落ち葉の風情』

  『密庵咸傑墨蹟』『森口の茶人』『一両の茶巾』

  『心の持ちよう』『侘び茶の極意』『台子に頭をぶつける』

 ・茶道は不得手

 ・みんなのリーダー・中級

 ・利休派への勧誘力・初級

 ・駆け足・得意

 ・長官への信頼・初級

 ・警備員のマドンナ・中級(☆LVUP↑)

 ・メモの使い手・初級


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