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異世界のチートの王(KING) YUUMA  作者: げんじつとうひ
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06悠馬危うし!?やってくる日常と非日常とあいつ

「ハラファウェイウィヒウィヒ。」


ポムの腹の中で雄たけびをあげながら俺は嘆いた。

俺の名前は、覇王坂悠馬。

世界でただ一人ミングル星と交信できる、スーパー高校生だ。

いつものように身体中、顔面以外アルミホイルで包んでいる。


「ホホウェイ!ホホウェイ!」


おや、思わず叫んでしまったということはメストロンがゾーマニ反応を示しているようだな。

俺は急いで尺八を取り、そこらへんに歩いていたノソソン(みんなはこいつを犬って呼ぶんだ)の散歩をしている爺を叩く。


「真昼間からご苦労なこったな!国の穀粒しが!

やることやったならとっとと死んでしまえ!」

「お前が死んでろ。」


いてー。

俺は爺に反撃され折れてしまった右腕を抱えながら、近くのパークでキャツバすることにした。

公園のベンチに座って世界のすべてに恨み言をはいていると、不思議な声がする。


「ヴィヴィヴィヴィ。」

「ん?なんだ?」

「ヴィヴィヴィヴィ。」

「ヴィヴィヴィヴィ。

なんだ、俺が吠えてただけか、アハハ。」


こんな調子では異世界武闘会に勝ち抜けないな。

異世界武闘会、この日本で開催されることになった異世界の武闘会だ。

わかりやすく言うとイエッピ・カディッピのムンだ。

俺の夢はホンノノカムイだ。

クエッタ・ヂカパ ナトナト カナハヌン ココイチ。


「そんな調子じゃ優勝なんてできないぞ悠馬。」


そ、その声は。

まさか、生きていたのかあの一撃を受けて……


「親父!」


俺の父親を名乗っている覇王坂天馬だ。

彼は一般的な父親のような行為を行い、私の成長に関して協力を行ってくれた。

例えば私が学校に通うことができているのは、彼がお金を払ってくれているからにほかなならない。

普段の食事、電気代や採掘代様々なことに関して彼の協力なくしては生きてこれなかっただろう。

だが私はときどき思うのだ。

彼が私の本物の父親ではないのかもしれないということに。


「悠馬、実はな今日は重要なことを話したかったんだ。」


なるほど、やはりお前は父親ではなかったのか。

だがそんな存在が今まで私を育ててくれたというのも謎だ。

まさか、私の母親には愛していた人がもう一人いた。

そして……


「悠馬!ちゃんと聞いてほしいんだ。」


天馬という男は私の肩をがっしりとつかんで目を合わせる。

肩から伝わる力は並のものじゃない、それに何か別の、「何か」を感じる。

俺はこいつの目に従って言葉を聞くことにしたゆま。


「お前は、悠馬じゃないんだ。」


ぴしり。

俺の世界に亀裂が入った気がした。

私が悠馬でないということはどういうことなのだ。

では僕は何者なのだ。

そうかおいらは悠馬でない、悠馬。

悠馬はこの世界にいっぱいいるんだ。

そうや、悠馬じゃないとしても俺は悠馬だ。

ふわりふわりと雲は流れる。

雲は不思議だ。

ある時は人より遅く、ある時は人間より速い。

綿菓子みたいでおいしそうだ。


「悠馬、いや光一郎それが本当の君の名だ。

光一郎、三百年前の異世界宇宙対戦二章を覚えているか。」

「ぬぬん!」

「無理をしないでいい、君は無理をしすぎたんだ。

あの時君は五回目の悠馬を殺した衝撃で悠馬になったんだ。

いわゆるコッペリオン現象でな。」


コッペリオン現象?

なんだそんなものあるわけがないだろう。

こいつ頭がおかしいんじゃないか。

それにしても頭が痛い、こいつに悠馬じゃないといわれてからだ。

まるで本当に俺が悠馬じゃない気がしてきた。

いや、俺の思ってる悠馬でないのは確かか。

空を見上げると、エクピー体の悠馬が七色に輝きながら黄金に輝いている。

俺はコポピンして空にいる悠馬にナガストする。


「天馬、あなたが言わんとしていることに対する理解はあります。

ですが、それが悠馬でないということを証明をすることではない。

先ほどから私は、あなたの言う悠馬でないということについては体の感じる「何か」で理解をすることはできています。

しかし、そうでない悠馬であると私は私を定義します。

コボチョ・カピラパリャ。」

「ふむなるほど。

では君が悠馬でないということの証明をまず私がしなければならないということか。」

「そういうことゆま。」

「ちょっと待て、鏡を出す。」

「鏡だ?」


そう言って天馬は引きずってきた棺から何かを取り出す。

何かって、鏡と言っていたから鏡ではないのか。

いや、彼の定義する鏡が俺の考える鏡なのか。

違うかもしれない。

それならば彼は何を取り出すんだ。

俺が彼に強い懐疑を持っていたところ、彼は再び棺からものを取り出してこちらに振り向く。


ワサビだ。

彼はワサビを持ってこっちに微笑んでいる。

どういうつもりゆま?


「ワサビはな、鏡なんだ。」

「君はバカだろう。」

「そんなことはないぞ。」

「嫌なんでこっちに近づいてくるんだ。」

「そりゃ、決まってるだろ。

親子のスキンシップだ。」


そ、そんな。

そんなことされたらどうなるんだ。


ドン!ドン!


胸の内から強い衝撃を感じる。

この鼓動はまさか。

俺は首を伸ばして、自分の心臓の鼓動と会話する。


「いい加減にしろ!僕のことは忘れるんだ。」

「そ…その声は兄さん!」


もう一人の自分にしか見えない姿が俺の心の中にあった。

驚愕の真実。

悠馬は兄悠馬の体に取りついた異世界モンスター光一郎だったのだ。


「光一郎、君とは血のつながった兄弟だった。

君と過ごすことができたのはほんの三十秒といったところか、ザコめ。」

「兄さん!そんなこと言わないで!

この戦争でたくさんの命が失われてきたんだ無駄な命なんてない!」

「どうかな、ほら横のあいつを見てみなよ。」

「公園でのんびりしてる爺!

公園でのんびりしてる爺!」

「違うよ、そっちじゃない。」

「え?ああ、まっぽろくんか。」

「そうだよ、醤油差しなってきたないよ。」

「ああ、まっぽろくんが降ってくる竹やりの犠牲に!」

「そう、これが戦争。

人なんてしょせんそんなものさ。」

「違う。」

「は?」

「違う!

人間は美しい、確かに人間は醜いけど、人間は美しいんだ。」

「は?」


俺は兄との会話をやめた。

心のどこかで応援してるぞ、そう言ってくれてる気がした。

だから今一人で自分の体にワサビを塗りたくってる親父を止めなくてはならない。


「兄さん、力を!」

「ああ!」

「「二人で生み出したこの必殺技で!!」」

「やめてくれ。」

「父さん!」

「何言ってんだ殺すぞ、光一郎。」

「だめだ、父さんにだってこんな日はある!」

「ならばお前ごと死ね!」


この世界は崩壊した。

いや、本当は世界は続いているかもしれない。

ただし、俺の中の世界はなくなった。

俺の死とは世界の死だ。

けれど、あきらめることなんてないだろう。

俺は悠馬だ。

悠馬であるから悠馬なのだ。


白い光が俺を包む。

俺と世界が一つになっていく。

生れ落ちるということはそういうことなのだ。


「悠馬!迎えに来たポン!」

「ポン吉!」

「向こうに出口があるポンよ!」

「出口?」

「何言いてるポン、悠馬がみんなと山ではちみつを食べてるとき急にこの山奥の洞穴にタックルしていったんじゃないかポン。」

「そんな変なやつがいるかよ。」

「悠馬のことポンよ……」


俺はポン次郎に連れられてイタリアへ向かう。

崩壊した世界でまた戦いを始めるため。

三日前、爆弾怪人の起こした世界爆弾パニックによりこの地球の半分は、火の海になった。

ところてんで身を包んだ俺はポン助とともに、地球連合軍でボルガンダーのパイロットをすることになる。

けど、本当にそうなんだろうか。

俺は忘れ去られたあの日のことを思い出す。

カエルのおもちゃ。

これからも俺は悠馬であるのだろうか。

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