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栄太の漫遊記  作者: ベン マウント
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生きていた

「それは都合が良い、その力この国の為、働いてもらおう」

突然、宰相が言い出した

「宰相なにを言っている、恩人に向かって」

王様が叱るが

「何を勘違いしている、私にとっては恩人なんてとんでもない、せっかく計画がうまく言って居たのに、ぶち壊しおって」

「宰相貴様、何を血迷ったことを言って居る」

王様は激怒している

「血迷ってなどおらん、もう少しと言う処で、二人を治してしまうとは、要らぬ事をしおって」

それを聞いて

「なにぃ、まさかお前が娘たちに毒を」

「そうだ、その通り、私が命じてさせたのだ、この国をいただく為にな」

「貴様、何んという事を、許さん」

「王様、そうかっかしなさんな、貴方にはどうせ死んで頂くが、お教えしましょう、もうすぐバルドワ王国軍が、攻め言って来る手はずになっているのだ、国の事を私に任せすぎたな王よ、お前が居なくても、国には私が居れば良いのだ、そんな王などいらん」

ロイドに目配せし、念を送る

「宰相か何か知らんが、言う事はそれだけか、俺にお前の役に立てと、馬鹿か貴様の様な小悪党が、何様のつもりだ」

「なにお、お前の立場が分かっていないようだな、逃げ場はないのだぞ、二人だけで何ができる、王女二人を助けたくらいで、良い気になりおって」

「良い気になって居るにはお前だ、ついこの間二人だけで、グランバル皇国三万の兵を、追い払ったばかりだ、バルドワ軍何万が来た、十万では少ないぞ、まあ、何万来ようが同じだがな」

「でかい事を言い追って、もう良い出て着なさい」

兵士がぞろぞろと現れた

「あの二人を捕らえよ」

「此処じゃあ、狭すぎる、広い所へ行こうぜ」

王様や王女たちの周りに、結界を張る、俺とロイドの体はすでに、異次元にいるから、この次元の攻撃はなにもとどかない、こちらからは攻撃できるけどね、都合のよすぎる神力だ、王や王女たちは青くなっているが

「心配いらないよ、栄太の言って居る事は、本当の事だから」

ロイドがそう言って居るが、常識では信じられないだろう

「信じてはいるけれど、城の兵は何百人も」

「栄太に取ったら、ゴミみたいなもんだよ、何百人いようと」

顔はニヤニヤと笑っているが、栄太の気迫に押され、兵たちは中庭に押し出された

「さて、まず、俺の力を見てからかかってこい」

そう言うと、中庭にあった見上げるような大岩を、構えもなにもなく無造作に殴りつける、ガツンと音がしたと思ったら、大石は、粉々に砕け散った、その場にいたロイド以外の人間は、唖然として固まっている

「さあ、かかって来い、あの石のようになりたい奴は」

兵たちは直立したまま、動こうとしない

「どうした、来なければこっちから行くぞ」

そう言って一歩踏み出すと

「ひゃあ、逃げろ」

兵士は一人も居なくなった、腰を抜かし逃げられず残った宰相に

「お前、かかってくるか」

首を横に振っている

「どうした、さっきまでの勢いは、口で言え、でないと叩き潰すぞ」

「た、た、助けてくれ」

「誰を、自分は王女たちを殺そうとしたんだろう、逆の立場だったら助けるか」

「助けてください」

「だから、お前だったら助けるのか、答えろ」

「助けてください」

「馬鹿、助けると思うか」

大仰な仕草で腕を振り上げると、宰相は白目を剥いて気絶してしまった、栄太は王様の方に振り返り

「さあ、後は王様の仕事だけど」

一部始終を見ていた王様は

「かたじけない、王女たちどころか、国を救ってもらうとは、王として、無能さに恥じ入るばかりだ」

「宰相に実権を握らせていたのは怠慢でしたね、これから、国政をやって行けるのですか、全部が宰相に従っていたようだけど、王様の味方はいるんですか」

「私が不甲斐ないばかりに、止む無く宰相の指示に従っていたにすぎない、私さえしっかりすれば大丈夫だ」

「家臣何てそんなものなんですか、心細いものなのですね」

王様が、大きな声で

「近衛隊長は居るか」

そう言うと、恐る恐ると言う感じで、一人の兵が物陰から出て来た

「近衛の隊長や王様に忠実な、偉い人達は地下牢に閉じ込められています」

ロイドに目配せする

「案内しろ」

ロイドが、その兵士に言って歩き出す、兵が先に立って少し離れたところにある、扉から中に入って行った

「良かったですね、忠誠を尽くしてくれる人たちが居て」

「だがこの失態は、王として失格だな」

力なく言う、宰相の裏切りで、一気に年取った感じだ

「いや、これを教訓として、より良い王様になってください、血筋とかいろいろあるでしょう、王様の代わりはいないんですから、民の為頑張ってください」

「この際、栄太殿が王となって」

「馬鹿な事を言わないでください、だから、何代目国王とか、王族の誇りとか、俺そう言うの大嫌いなんです、それに、失礼ですが、それに、まだこの国の、名前も知らないのですよ」

「ええっ、そうだ、名乗っても居なかった、これだけのお世話になりながら、私は何処まで至らない人間なのだろう」

其処にぞろぞろと、如何にも貫禄のある人々が現れた、重臣たちだろう

「王様、申し訳ございません、大事な時にお役に立てず、宰相の事を信用し切っていたものですから」

「いやいや、その方達に詫びなければならないのは、この私だ、私が宰相に全てを任せすぎた」

宰相は気絶したまま近衛兵に連れて行かれた、牢に放り込まれるのだろう、王様は軍の幹部に、何やら伝え、非常呼集わかけている、言う通り国政は機能はしているようだ

「ロイド、行くか」

「おお、行くぞ」

王様が

「お二方どちらに」

「バルドワ王国を迎えに」

「二人だけで?」

「ええ、先ほど宰相に言った事は、嘘ではありませんよ、一人でもいいくらい、なあロイド」

「まあな、二人の方が早く片付くからな」

そう言って駆け出した、予想の方角は聞いてあるが、大勢の前で瞬間移動は不味いから、とにかく人目の無い所迄、索敵の地図を頭の中に思い浮かべる、人が密集しているところが軍隊だ、その近くまで移動する

「ロイド、何万ぐらいだ」

「二万と言う処か」

「そうか、まあ、数はもんだいないがな、例の手で行くぞ」

「分かった、だが、これも因縁だな」

「因縁て、なんだ」

「笑っちゃうがな、俺の生まれた国の軍だ」

「あのなあ、お前は、本当に肝心な事を、言うのが遅いんだよ」

「家臣たちが父達の仇を打つ、と言うのを止めたのに、、栄太と二人で戦う羽目になるとは、あの馬鹿小父にお灸をすえろと言う事だよな、もし民をいじめていたら死んで貰うか」

「そうだな、そしたら、お前が責任取って、王様にならなきゃな」

「そんな事、宰相を唆したのは、叔父に決まっている、あの腐った小父はこの先生きていても、今回のような迷惑な事ばかり企む、いっそ死んで貰おうか,従妹は優しくて、良い奴だ、あいつが後を取ればいい」

「軍を率いているのは、その従妹か」

「多分そうだろう」

「じゃあ、その線で行くか」

「ああっ、そうしてくれ」

静かに行軍している、その隊列の中、鎧の騎士達に守られた、群れの中に転移する

「この軍の大将は貴様か」

「誰だ、お前は」

「俺だよ、ロイドだ」

「貴様、何時の間に」

「お前が城に戻るころには、お前の親父は死んでいる、此処から引き返せ、シルトニヤ国の宰相は捕らえられて牢の中だ」

「父が死ぬって、本当か」

「ああっ、他所の国の民まで、苦しめる事は許しがたい、死んで貰う」

「この軍の中脱げられると思って居るのか」

「思って居るさ、現に来ただろうが、戻らないというなら、お前も死んで貰うしかないな」

言った途端

「こいつを殺せ」

「死にたいわけか、仕方ないな」

栄太が空を覆うような、火の玉を出現させる

「あれを兵の中に落とそうか、半分は死ぬだろうな、お前もだが、俺たちは心配しなくてもなんともないから」

兵たちが騒ぎ出した、有り得ない火の玉の大きさに、戸惑っている、其処へ

「退却」

栄太が大声を上げた、誰の声でもいい、如何したら良いか、狼狽えて居るところに、指示の声だ、その声に従って一斉に退却を始めた、こうなればもう止まらない、後は放っておけばいい

「兵は行ってしまったぞ、一人で行くか」

無言で引き返して行った、とぼとぼと


転移して、ロイドの故郷の城の中、玉座の間に居る、偉そうに玉座に座っているのが小父だろう

「久しぶりだな」

「お前は、ロイド、どうしてここに」

「かたき討ちに来たのさ」

「何を生意気に、何をしている、この者を捕らえよ、殺しても構わぬ」

「おれもいるんだけど、なるほど、狡賢そうな顔だ」

「何だ貴様、命が惜しくないか」

「惜しいぜ、、だから、絶対に狡賢い馬鹿狸にはやられないぜ」

掛かって来る兵たちを、殴り倒しながら、玉座に近づいていく

「来るな、貴様たち」

一方的に兵士たちが、倒されるのを見て、玉座から降りて、逃げようとしている、ロイドが一気に飛んで捕まえる

「何をする、離せ」

「俺の父を、母を、妹をどうやって殺した」

「助けてくれ、殺してない、生きている、本当だ」

「本当か、死にたくなくて、嘘を言って居るのではないか」

「自由はないが、生来ている、王都から離れた里に生きている、間違いない」

里の場所を詳しく話させた

「良し、じゃあ、殺すのは止める、その代わり、今度はお前が同じ思いをしろ」

シルトニヤ国を混乱させようとした、シルトニヤ国にに頼んで、どこかに幽閉して貰おう


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