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栄太の漫遊記  作者: ベン マウント
31/61

宣戦布告

まずは俺の周りの人間に、理不尽な事は一切許さない、王様に言って、クロードの街を独立都市にしてもらう、現実にはもうなっているが、名実ともに確立させて貰う、そして都市防衛に関しても、兵とまでいかないが、部隊を作る事を認めてもらう、範囲を森近くの村まで認めてもらう

遣りたいことが沢山ある、何処まで認めてもらえるか、王様が決めた街の長である、ウィンの意見も聞かなければ、そんな事を何となく考えていると

「ご主人様、ギルドから来てくれと、使いが来ています」

「わかった、今行く」

帰ったのがよく分かったな、しかしいいタイミング、あ、そうだ、其処で思い出した、ギルドと家との通信を設置しなければ、肝心な所を忘れていた、家とギルドにも交換機を置こう

ロイドと一緒に家を出る、シルビーは、暫くリリーと居させてやろう、行きかう人達、街並み、街路樹、何故か街が生き生きしているように感じる、気のせいではなく、明らかに以前とは違う、この平和な街を守り抜く、改めて心に決めた、顔見知りと挨拶を交わしながら進む、ギルドに着くと、受付の女性が、手で、どうぞあちらへ、の仕草で迎えてくれた、階段を上りギルド長の部屋に行くと、当然のようにグレンも来ていた、張って行くと挨拶も抜きで、ウィンが

「ダラム公爵からの、使者が来ると連絡があったんだ」

別に驚いたり、困ったという風もなく、予想通りと言う顔で言った

「今更、何の為に来るんだ」

「クロードの街を領地にすると言う言い渡しだろう」

「何をふざけた事を、はっきり、断るんだろう、攻めて来れないよう、工作は成功したし」

「勿論、断るさ、力ずくで来ても栄太が、何とか出来るんだろう?」

「はははっ、力尽くとか言っても、軍は動けないよ」

今回出かけた事の、顛末を報告する

「笑っちゃうな、栄太にかかると、敵さんが可哀想になってくる」

そう言って笑っていた、その時、ドアがノックされ、ウィンが

「は~い、どうぞ」

そう言うと、女性職員が入って来た

「ダラム公爵の使者と言う方が見えました」

「早いな、もう来たか」

俺と目をあわせる

「俺たちがファラサでやって来た事を、知らないはずだ、移動に三日はかかるわけだから、今到着と言う事は、遅くとも三日前に出発している筈だ、だから二日前に俺たちが、物資を空にしてしまった事を知らないんだ、しかも、瞬間移動で俺たちの方が早く帰ってきたから」

「使者さんが本当に可哀想になってきた、まぁ、話だけでも聞いてやるか、栄太もロイドも同席してよ」

「俺たちが居ても良いのか」

「問題ない、どんなことを言って来るか、話を聞いてくれ」

「分かった、ロイドも問題ないだろう」

終始黙って聞いていたロイドは

「うん、、面白いな、良いよ」

暫くすると、如何にも貴族の官僚、と言った雰囲気の男が、肩をいからせて五名の騎士を従えて入って来た

「遠路はるばるご苦労様です」

ウィンが挨拶する

「私はダラム公爵家臣サバルと申すもの、ダラム公爵の命により、この地を公爵の治める土地とすることを、言い渡しに来た」

「単刀直入に「恐れ入ります、ではこちらも返答も率直に申し上げます、お断りいたします、とお伝えください」

以外と言う顔で

「何と、そんな事が通ると思うのか、公爵に逆らうというのか」

「現に王様よりクロードの街の在り方は、認められていますしね、こちらからお聞きしたいですね、この国では、何時から王様より公爵の方が偉くなったのですかな」

「王様の言う、平民だけと言うのが間違いなのだ、全貴族の意見を代表して、公爵様が決められ、王も異論は言わなかった、命に従わなければ、お前たち分っているな」

「さあ、分かりませんな、どうぞ、そちらはそっちで勝手にしてください、こちらとしては、全くその命令とやらに従う気はありませんから」

「お前たち、思い上がってはいないか、良く考えた方が良いと思うが」

「お気遣いありがとうございますが、いくら考えても、答えは一つです、お断りいたします、どうぞ、お帰り下さい、帰って公爵様にはっきりお伝えください」

話を聞いていて、騎士たちが殺気立っている、だが、此処で暴れるほど馬鹿では無いだろう、使者の男は腹に据えかねる、と言った風だが、辛うじて我慢しているようだ

「お帰り下さい」

ウィンが再度言うと、仕方なく立ち上がる、そして

「この街が大変な事になるのは、覚悟するのだな」

「はい、ご忠告、感謝いたします」

そう返すと、堪りかねた騎士の一人が

「公爵様をこけしおって」

剣に手を添え今にも抜きそうな勢い

「おっと、腕自慢なら相手は俺がしてやるよ

ロイドが俺に目で合図しながら言っている

「せっかくここまで来たんだ、何か納得する事が無ければ、気の毒だ」

「公爵様の騎士様、さぞや腕に覚えが、誤差いましょう、どれほどか、御指南賜ります、訓練場に行きましょう」

ロイドの人を食った物言いに、使者の男が勝ち誇ったように

「やめた方が良いですぞ、この者は公爵様の家来で一番と言うより、この国一番の使い手なのだ、田舎の平民風情がかなう相手ではないわ、手加減してくれるよう、頼んでおいた方が良いぞ」

言われた騎士は、褒められて、満足そうにほくそ笑んでいる、これで腹に据えかねる、怒りの意趣返しが出来る、鬱憤を晴らせる、ろう思っているのだろう

「それは、ますます、お教えいただきたいですな」

ロイドの言い方に、さらに押さえていた怒りは増したようだ、騎士は黙ってついてくる、s具にギルドの訓練場に着くと

「真剣勝負で良いか」

騎士がロイドに聞いてくる、恐れて真剣は怖いから止めて、とでも言わせたいのだろうが

「お好きな方法で」

すました顔で答えたので、騎士は我慢も限界らしい、その様子を見て、これは下手をして殺しでもしたら不味い、とでも思ったのだろう、使者の男が慌てて

「勝負の結果がどうなろうと、これは、正式な決闘として、双方遺恨は残さぬよう」

「勿論です」

二人は対峙した、双方正眼に構えている、ロイドが

「何時でもどうぞ」

言った途端、騎士が袈裟懸けに切り付けて来た、、普通なら、目にもとまらぬ剣裁き、とでも言うのだろうが、今のロイドには、非常に遅く、ゆっくり見える、通り過ぎようとする、剣の腹を横から剣でたたく、チャリーン、音がして折れた剣が床に転がる

呆気にとられて、静止してしまっている騎士に向かって

「あんたは超一流と言うはナスだったが、そんな安物の剣では、職業が職業なんだから、剣にはさもっと金をかけなさいよ」

、ロイドの声で我に返った騎士は

「馬鹿な、武術大会で優勝し、公爵様から頂いた剣なのだ、決して安物の筈がない」

「じゃあ、公爵様が安物をくれたんだ、お前だまされたな」

ロイドよ、からかいすぎだぞ

「貴様、又も公爵様を馬鹿にして」

「だって、事実、簡単に折れただろうが」

「ぐぬぬぬ~」

「返す言葉が無くて歯噛みしている」

「どうする、まだやるかい」

「くそっ、もう一度」

「良いよ」

他の騎士の剣を借りて、再び対峙した、騎士は大上段に構え、そのまま一気に打ち込んできた、ロイドはそれを躱し様に、脚をすいあげる、騎士の体は一回転して地面たたきつけられた、一瞬気を失ったようだが、流石鍛えてあるらしく、すぐに起き上がったが、立ち上がる事は出来ない

「実力を出していないのか、本当に国一番なのか、だとしたら情けない話だな、国が恥をかくことになるぜ、せめて公爵の家臣で、一番にしておけばいいものを、、国一番何て、国に恥を掻かせた責任を、如何取る積りだ、まだやるか、それとも首でもはねなきゃ分らんか」

少し威圧するようにロイドが言うと

「参った、悪かった、もういい、とても敵わない、国に恥を掻かせるなんて、思ってもみなかった」

国一番だと言った、使者の男は小さくなっている

「言った責任は取らなきゃな、五人一緒でも構わないぜ、」

他の騎士たちは首を横に振っている、飛んでもないという顔で、武道を嗜む者なら、余りにも違う実力差が分かるだろう、それを見て

「分かればいいんだ、言っとくけど、俺は此処で一番強いわけじゃないからな、俺より強い奴がまだ何人もいるんだ、この街に攻めて来るつもりらしいが、良く考えた方が良いぜ、俺一人で一個大隊くらいなら相手にしてやれるが、俺の師匠は俺の何倍強いか分からんぜ、、よ~く考えてみて、帰ったら公爵様に教えてやりな、其れから、軽々しく国一番は言わん事だ」

来た時の勢いはどこへやら、使者たちは肩を落とし、すごすごと帰って行った、その後姿を見ながら

「ロイド、ホラの吹き過ぎだ」

「なあに、本当の事だろう、いざとなったら、おれはやるぜ、栄太なら国を亡ぼす事だって出来るだろう、あの位で良いのさ、噂ってのは、あれに尾ひれがつくんだぜ、面白いだろう」

「なんだそれは、国を亡ぼすなんて、やらないよ、だけど、まあ、これで、諦めてくれればいいが」

栄太はそう言ったが、国を滅ぼす事を、出来ないと言わないのが恐ろしい、やらないって、やれば出来るってことだよ、傍で聞いていた、ウィンとグレンはそう思った

「そんなお利口さんじゃなさそうだ」

「直接脅さなきゃ駄目かな」

「そうだな、これで、完全に宣戦布告したわけだが、まあ、出方を見てで良いだろう、しかし、こうなってみると、つくづく思うよ、栄太が敵でなくて良かったと、逆の場合を考えたら、背筋が寒くなる」

ウィンが俺の顔を見ながら言う

「人を化け物みたいに言うな」

「化け物の方がずっと可愛いよ」

「ウィン、それは無いだろう、歳にしたら控えめで可愛いおじさんに向かって」

「何処が控えめ、何処が可愛い」

冗談が言いあえる状態に終わってよかった、今はそういう事で納得するしかない

「ところでグレン、嫌に大人しいが、具合でも悪いか」

「いや、そんな事はないが、さっきのロイドさん、凄いね、余りに見事だった、感心してしまった、栄太と同じ感じ、何時からそんなに、強くなったんですか」

「ああ、まあ、その、なんだ」

俺の顔を見ながら言い淀んでいる、グレンがそう来る事は予想していた、グレンにも何れ教えると言う事にしておこう

「グレンもいずれな、そのうち」

「そのうちって、可能性があるって事か」

「ああ、そうだ」

「そうか、是非頼む、絶対出来るようになりたい」

「分かったよ、分かったから、暫く待て、言われてすぐに出来る分けないだろう」

本当はすぐにでも出来るけど、簡単にそうすると、有難味や重みが無くなってしまう、それ程のものでないにしても、価値観が薄くなるのは、面白くない

余程羨ましかったんだな、グレンも今後、一緒に行動して貰うつもりだから、そのつもりではいたが、その話は何れと言う事で、これからの計画を相談しよう

「ウィン、これから、俺は色々作る事になると思うが、そう言った権利の代行を、いっさいロイドの所に任せることにした、色々探られても、赤星星団、と言う事のなれば、俺個人より曖昧にできる、面倒が無くていいからな、ギルドとも思ったが、ギルドは色々としがらみが多くて、俺の性に合わん」

「それは栄太の勝手で良いよ、俺がとやかく言う権利はないし、ギルドは確かにしがらみが多いからな、それに、別に儲けが俺に入るわけでもないしな」

「まあ、そういう事だから、悪く思わんでくれ」

「心配するな、悪く思う筈が無いだろう、考えてみれば、確かにその方が私は助かる、栄太に関わると、色々胡麻化すとか、隠さなければいけない事が多く過ぎてな、ほとほと疲れたわ」

「おい、俺を厄介者のように言うな」

「お前と知り合ってから、実際、俺は体験して来たんだ、本当だぞ、ロイドさん、これから苦労するよ、お体を大切に」

「ウィン、いい加減にしろよ」

「ああ、肩の荷が下りた、これで大分楽になった」

グレンが大笑いしている、暫く皆で笑っていたがウィンが真面目な顔になり

「冗談で言ったように聞こえるかも知れないが、本音でもあるんだぜ、ほんと、大変だった、まあ、そのお陰でこの街は、以前は考えられないほど、住みよくなって、町全体が救われたけどな、何れにしても、商売的な面だけでも、ロイドさんが受け持ってくれるなら、大賛成だよ」

「俺って、そう言う面倒な人間なんだ、喜んで良いのか悪いのか、複雑な心境だよ」


黙って聞いていたロイドは

「聞いてねえよ、一部は聞いていたが、全部何て、何時からそういう事になった」

「今からだよ、駄目かなぁ」

、「駄目じゃないけど、こんな話こんな簡単に決めて良いのか、お前が考えている事、以前から色々聞いたけど、国一つどころか、この大陸を制覇するような物ばっかりだぜ」

「どっちにしても、俺一人で出来ないから、ロイドもウィンもグレンもも力を貸してくれ、お互いの為でもあるんだ」

「それは、こちらから頼みたいくらいだ、協力させてくれ、赤星星団が飛躍する事間違いなしだ」

ウィンも

「栄太の為と言うより、俺たちの為に栄太が、いろいろやっているのは分かっているよ、協力何て言うな、俺の力、出来る事は何でもするから」

「おれだって、ギルド長と同じだ、何でも言ってくれ」

「みんな、ありがとう、これで俺の生きる目標が出来た」

道がはっきり見えてきた気がする






読み返して恥ずかしくなるような、稚拙な作品、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます



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