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栄太の漫遊記  作者: ベン マウント
22/61

告白

近頃は、シルビーに秘書のような事をしてもらっている、リリーはメイドたちにを、子守りをお願いし、時々は孤児院に遊びに行くよう言ってある、同年代の子供たちが多いから、行くのが楽しいようだ

処で俺は冒険者なんだよな、やっている事がちょっと違うような気がするが、事がまぁ深く考えない

ダラム公爵からは、何も言ってこない、王様の計画は、街の主だった人たちには伝えてある、だが、皆不安だろう、国の貴族のトップを、敵に回すかもしれない作戦だ、通信も交通も発達していないから、作戦が伝わるには時間がかかる、相手が動き出すまで、少しだけ伝達を便利にしようと思う、いや、少しではなく飛躍的かもしれない、こんな世界でも、情報は重要だ、戦などでも情報が物を言う、馬に乗って、あるいは鳥を訓練して、くらいしか方法がない、それを、持ち運び出来て、瞬時に情報が伝わる、大変な武器になるはずだ

「念話の金貨を、魔道具に見えるように工作して、作ろうと思う、それを、王様に進呈して、王の作戦の助けにしようと思うが、どうだろう」

魏都度長に相談してみる

「それは、王様は喜ぶだろうが、良いのか」

「いいさ、この話はウィンが話せ、ウィンが王様に貸を作っておくと、何かと都合が良い」

「いや、お前からしろよ」

「どうせ俺が作る事は分かってるんだ、俺が直接よりウィンが紹介の方が、後々王様に貸が増える、一人より二人分な」

王様と二人だけでの計画なんてごめんだ、せめてウィンは巻き込まなくては、ついでにグレンも

「まあ、お前がそう言うのなら良いけど」

最近はグレンも、ウィンの補佐のような仕事が忙しくて、冒険者はお休み、ほとんど事務所に詰めている、

三人で早速使用計画と、製作に関して相談する

貴族も全員がダラム公爵派ではないと思う、俺の見たダラム公爵の印象から、人望があるとはとても思えない、だから王様派が一人もいないとは考えられない、汪様派にこれから作る、魔導通信機を渡し、王様への信頼を固めていく、それが狙いだ

シルビーは、訳が分からないまま、俺の傍で終始黙って座っている

「シルビー、今日は家にいても良いんだよ」

「いいえ、大丈夫、栄太さんの事を、少しでも助けたいから、いろいろ覚えたいし、知りたいから」

「そうか、なら良いけど」

偶然助けられ、そのまま、なんとなく世話になっている、縁も所縁もない人に、それが心苦しい、まだ、心のどこかにそんな気持ちがあるらしい、如何すればその気持ちを、安らげてやれるか、分からない、歳さえ離れていなければ、俺がもう少し若ければ、奇麗だし可愛いし、性格だって悪くないし、絶対嫁にしてしまうんだが、それは無理だし、今は本人の気の済むようにしてやるしかない、何がどうなろうとも、傍に居て欲しいから、俺の我儘かもしれないが

打ち合わせを終えて

「飯でも食いに行くか」

二人で街に出て食べようと、並んで歩いていると

「栄太、ご無沙汰だな、シルビーちゃんとデートか」

声の方を見ると、ゴルドだった、相変わらず知り合いでなかったら、避けて通りたい容貌をしている

「そんなんじゃないよ、今は俺の付き人をしてくれているんだ、変な事を言うとシルビーが、嫁に行けなくなるだろう」

そう言い返すと

「何処にも、お嫁になんか行きません」

何故かシルビーが俺を睨んで言う

「はい?」

怖いよ、何を怒っているんだ

「だってよ」

ゴルドが冷やかすように言う

「何だか分からんが、行こう」

シルビーの肩を押して歩出す

「ちょっと待てよ、聞いたか森に魔物が増えている事」

「いや、討伐の方は最近顔を出していないんで」

「例の地竜がいた事、変だと思わないか、何か森で異変が起きているんじゃないかと」

「そう言えば、そうだよな、ウィンには」

「とっくに言ってある、調査隊を出しているよ」

「俺には何も言わなかったぞ」

「ウィンは、何でもかんでも栄太を頼るのは、って考えているんじゃないか」

「そうか、だったらその気持ちを尊重しよう」

「ああっ、承知だけしておいてくれ、最後に頼みになるのは、結局お前だからな」

「うん、頭に入れておくよ、じゃあな」

ゴルドと分かれてレストランに入る、目立たないように、今までやって来たので、街の有名人にはなっていない、出来る限りギルドを通すことにしている、その為顔見知りは大勢いるが、友人は少ない、こういう場所に入っても、ほとんど知り合いと会わない、だから気楽だ、テーブルにシルビーと向かい合って座る、なんだかシルビーが、何時になく緊張している気がする

「どうした、緊張する程の店じゃないだろう」

「栄太さんは、私が嫌いですか」

「何を言い出すんだ、嫌いなわけがないじゃないか、大好きだよ」

「じゃあ、結婚してください」

「はぁ」

言葉が出ない

「駄目ですか」

「駄目じゃないけど」

「じゃあ、結婚してください」

「ちょっと待って、こんな小父さんだぞ、良く考えて、まだ若いんだから」

「良く考えました、早くしないと、栄太さんを誰かに取られそうで」

「何を言ってるんだ、俺がそんなに持てると思うか」

「本人が知らないだけで、凄く持てるんです、うちのメイドさんたちなんか、隙あらばとねらってるんですよ、お妾さんでもいい、なんて言ってる人もいるくらい」

「はあ~あ、何でそうなるんだよ、そりゃあね、シルビー可愛いから、若ければ口説いちゃうのにな、なんて考えたことはあったけど、こんな小父さんがシルビーと結婚なんて、犯罪に近い事だよ」

「良いじゃないですか、じゃあ、犯罪者になってください」

「なってくださいって、シルビーってこんな子だったっけ」

「こんな子なんですけど、駄目ですか」

「分かった、、分かったけど、すぐに結婚は待とうよ、俺はシルビー一筋でいける自信はある、でもシルビーは、こんな小父さん嫌になるかもしれないから、時間を置こう、絶対浮気しないから」

突然の思っても居ない告白に、しどろもどろだ、俺としては願ってもない事なのだが、俺にとってうますぎる話だ、公表はしない、二人だけの内緒の婚約、と言う事で納得してもらった、嬉しいけど照れ臭いよ、内緒のまま慣れて行こう、格好つけたけど、内心は嬉しさでおかしくなりそう、落ち着かなくては、その後の食事、旨かったかって、味なんか覚えていないよ



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