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栄太の漫遊記  作者: ベン マウント
19/61

浮動機

試作車を浮動機と命名した

「浮動機を製作する工場を作らなければいけない・・・」

まずはクロードの街の中で、試験的に運行させ、行く行くは国中を走らせる、製作はクロードだけの産業として発展させる、運転の技術を教える学校を作り、学校の卒業者でなければ運転の許可はしない、その他色々を話し合う

「しかし、浮遊石にこんな使い道があったとは、屑の石が宝の山になったわけだ、何処まで栄太はこの街にとっての幸せを運んでくれるのか、ありがとう」

ギルド長ウィンは感動している、この発明はどの位のかちがあるか、想像も附かないほどだ附かないほどだ、この男は底知れない何かを持っている、何かは分からないがそう思う

浮動機は車輪と馬がいない馬車のような作りになった、只運転は御者のように高い場所でなく、客室の一番前で出来る、安全性が完全に上がる

急遽、領主屋敷を改築し栄太の指導で製作が始まった、

風魔術を使える運転者の、訓練も始まった、魔石に支持を送る事が出来れば良いのだ、トラブルを起こしそうもない、人柄で選んだ

まず教官を育成しなければならない、教官の育成は、こちらも栄太がやるしかないので、引き受けた、今まで最終的にはギルド長に丸投げだったが、今回は真面目にできることを頑張るつもりだ

二股は非常に忙しい、だが、やるしかないのだ、おれは今は燃えている

クロードの街にも何故か活気を感じる、新体制になって、住民も未来に希望が湧いてきたのだのろう、将来展望は明るいと俺も思う


異世界にきて早くも六か月が過ぎた、この星の時間も暦も、あまり気にしないで生活して来た、基本明るく成ったら日本にいた時と同じ事を繰り返し、休みたいときに休み、動きたいとき動いてきた、それで通るからそうしてきたが、浮動機の製作、運転手の訓練は、人に合わせないといけない、だが、早い話この星の時間的観念はいい加減だ、恐らく江戸時代はこんな風だったろう、細かい事は気にしないで行こう

計画は順調に進み、最近は街の中を試験走行している、はじめは住民も驚いていたが、すぐになれた。つくづく魔法は便利だと思う、浮動機は日本だったら、下手をすれば億単位、少なくも数千万はかかる試作が、日本円にして百万とかかっていない、そして浮動機一台六人乗りは原価では三十万しないだろう、もちろん貨物用は浮遊石を増やせば、幾らでも大型化できる、付加価値を付けていくらで売るかも、ウィンたちに任せる、製作技術は商業ギルドに登録すれば、真似はできないようだ、真似しようにも肝心なところは、俺にしかできないから問題ない問題のだが、いずれにしろ独占企業だ、もうけは大きく出るだろう、クロードの街の発展に役立ってもらおう、これで交通問題は解決するはずだ、後は路線を作って他の街に広げていく、此処からは俺の感知する事ではない、各街、都市、村の役所の仕事だ、まずウィンに頑張ってもらうしかない、俺は元の自由に戻る事にする、と言っても元自由だったのかは疑問だ

シルビーとりりーを連れてレストランに来ている、街が発展し始めたせいか、一見してこの街の人間では無い人たちが目に付く、レストランの二十人ほどの客の半分がそうだと思う、食事を済ませ

「この後、何処か行きたい所はあるか」

シルビーに聞いてみる

「栄太さんが忙しい時に、私たちは暇だったから、この街はほとんど歩いちゃったから」

近頃はようやく気遣いなく、お互いが話せるようになった、以前の苦しい生活から、解放されたせいか、シルビーは肌艶が良くなった、世辞抜きでかなりの美人だ、一緒に歩くのが誇らしい、どう見られているのだろう、俺とシルビーは夫婦で、リリーが子供、には見えないよな、年が違い過ぎる、年の離れた妹、だとリリーは何に見える、そんな、くだらない事を考えていると

「失礼だが、あちらのお方が、そちらの奇麗なお嬢さんに奇麗な、お酌してほしいというので、お願いできませんか」

シルビーを指して言って来た

「えっ」

突然の事に俺もシルビーも驚いた、見れば離れた席の貴族らしき男が、こちらを見て会釈している

「名は明かせないが、高位の貴族様がお忍びでいらしていて、是非ともお嬢様とおはなししたいと」

「お断りします」

即座に断る

「平民が普段では話もできない方ですよ」

「いくら偉い人でもお断りです、シルビー帰るぞ」

「待ちなさい、あの方に逆らったら、この国で暮らせませんよ」

「しつこいな、断ると言ったら断る、そういう事をお望みなら、場所が違うだろう、そういう場所へ行けよ」

そう言って立ち上がり、金貨をテーブルに置く、

店員に

「おつりはいらないから」

そう言ってシルビーリリーの手を取って店を出る

「待ちなさい、貴族に恥をかかせて、只で済むと思っているのか」

「恥って、貴族と言うだけで、無頼の連中と同じじゃないか、そう言うのをいちゃもんを付けるというのだ」

構わずに歩き出す、店を出ると、店の脇から護衛の騎士らしき者たちが出て来る

「先に帰ってなさい,指輪、ミサンガ、してるよな」

守護の指輪とミサンガを確認する、シルビーは怖くて声も出ない、リリーを抱えて蹲っている、それを見て更に腹が立ってきた、二人を立たせて

「俺が強いのは知ってるだろう、心配するな」

二人が去っていく、さすがに女子供には手は出さないだろう

「さて、そこまで恥をかきたいなら、本当の恥をかかせてあげましょう」

「この男を叩きのめせ」

突然命令した、人数は七人、鎧を付けた本格的な騎士、理由は分からないだろうが、命令に従うよう訓練されている筈だ

「俺の相手にしては少なすぎるよ、百人でも足りないから、何人でも同じかぁ」

「生意気な」

騎士が一斉に襲い掛かってきた、戦闘もモードに入った、栄太には止まっているに等しい七人、全員の延髄にチョップを食らわせる、命令した男には栄太の動作が早くて、何が起きたのか分からないだろう、一瞬にして七人の騎士が倒れたのだ、転がっている騎士たちを見て、目を見開いて固まっている

「次はお前が相手か」

「と、と、とんでもない」

「じゃあ、どうするんだ」

「何もしません」

「何もしません、七人の騎士に襲わせておいて、何もしません、意味が分からん」

「ですから、すみません、謝ります」

この世界にも土下座ってあるんだ、半円状に集まったやじ馬が俺たちを囲んでいる

「そのままで、お前の身分と名前を言え、大恥をかけ」

「それだけは、勘弁してください」

「こっちは下手したら死ぬところだったんだ、それを、身分と名前を言うだけで、許してやるtといっているのだ、さぁ言え」

言えるわけがない、貴族家に恥をかかせるのに等しいのだ、土下座したまま黙って居る、この位で良いだろう、もう面倒になってきた

「次に俺の周りをうろついたり、俺の関係者に手を出したら、お前の主人の命はないものと思え、顔はおぼえているからな、貴族なら何をやっても良いと思うなよ、この街は貴族嫌いが多いからな、貴族風付加しても、この街じゃ通用しないぞ、押し通すようなら、必ず俺が止めるからな、分かったか、主人にも言っておけ、返事は」

小さな声で

「はい」

「声が小さい」

自棄になったように、大きな声で

「はい」

「よし、帰っていいぞ、俺も帰るから、騎士たちを解放してやれ」

拍手と歓声が上がった

「いいぞ、良くやった」

久し振りの癒しの時間を、くだらない奴らに邪魔されて、気分が悪い事この上ない、シルビーをホステスみたいに扱われ、カッとなってしまった、だけど、見も知らない女性を、奇麗だから酌に来いとは、貴族ってそれで通るのか、大事なシルビーが汚されたような、そんな気分になり、やってしまった感はあるが、後悔はしていない、大問題になるかもしれないが

「ごめん」

誰にともなく思わず謝ってしまったが、落ち着いて考えれば、ウィンに又迷惑をかける、これは必至だと思う

「改めて、ごめんなさい」





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