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栄太の漫遊記  作者: ベン マウント
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浮遊石

冒険者になるため冒険者ギルドに登録に行った、異世界生活の糧を稼ごうと、行ったことが予想もしない展開で、今に至っている、結構、今までの常識では考えられない、出鱈目な事々をやってしまったが、前世で、何の取りえもなく、世の中の底辺の方で生きて来た、俺は間違った事をしていないか、急に不安になった、それこそ、この街を根底から変えるような事をしてしまったのだから

「チャッピー」

久し振りにチャッピーに語り掛ける、自分の脳内の事だけど

「なんだよ」

「俺は、何か間違った事はしてないよな」

暫くまがあった、不安にさせる

「良いんじゃない、別に問題ないよ」

面倒くさそうに答えてくれた、軽く言ってくれるが、こいつはおそらく俺の監視役も兼ねていると思う、間違いを犯せば、即消滅させられる、と言っていた、奇麗な女性の顔を思い出す

改めて指輪を見る、人外の力を与えてくれる源だ、この事は誰にも言ってない、すでに俺の指と一体化したようなそれを、指で触り、これを外したらどうなるのだろう、ふと、そう思い外そうとしてみる、外れない、不思議な事に目には見えているが、触ろうとしても触れない、突然、質感が無くなったのだ、指輪は見えているが、抜こうとすると実態が無くなる、普段何気なく触るときは、指輪として感触があるのだが、どうなっているのだ、暫く考えてしまった、要するにこの指輪は、もうはずす事ができないらしい、不可思議な現象だが、不安や心配より、なくす心配もなく安心した気分だ

「寝るぞ」

チャッピーは何時ものごとくだ、こいつ、いつも寝てばかりで、よくおかしくならないものだ、人ではないから余計な心配だとは思うが、ちょっと心配だ、この世界の事、力の事、脳に送り込まれたデーターは、広く浅い、いざと言うとき、頼りになるのはチャッピーしかいないからな

取り敢えず一安心、チャッピーに確認しただけで、気持ちが落ち着いた

これから、何をしようか、生活には困らない、家の維持費全て国で賄ってくれる、月の手当てまで出るらしい、王様よ、そうまでして俺を取り込みたいのか、と、思ってしまう、

俺がこの世界に送り込まれたのは、運良く宝くじに当たったようなものだと、あの女性は言っていたが、自分だけ安穏と、贅沢に生きていればいいのか、そのために底知れない力をくれたのか、そんなはずはない、余りに大きな力だ、この世界に役立てなければ、しかし、如何すれば、そんな事を考えながら、何の気なしにちょうど通りかかったが魔石屋の店内見がえた、床近くに色とりどりの拳大の石が浮かんでいる

「あれは、何だろう」

店内に入ってみる、奥に座っていた店主らしき人に聞いてみる

「これは何ですか」

浮かんでいる石を指さすと

「あれ、あんた、知らないの、浮遊石だよ、鉱山で出る屑石だ、使い道がないから、色を付けて放ってあるんだ、面白いだろう」

「はい、いいですね、これ、、売って貰えます」

「運搬費だけでいいから、十五個で銅貨一枚で貰えばいいよ」

「ください」

銅貨一枚を出す

「これは、幾らでもあるんですか」

「ああ、運ぶにも浮いてしまって、運びにくいから始末が悪い、鉱山じゃ処理に困っているよ」

網に入れて帰ることにした、網が銅貨三枚、中身より高かった、わきに抱えても重さを感じない、抱えるようにして乗りかかっても浮いている、凄い、前世のの本でも、重力に反発して浮くのは、リニアモーターしかなかった、大がかりな施設や設備、技術が必要なのに

「なにこれ、浮遊石って、異世界にしても不思議すぎる、それも、処理に困る邪魔もの?」


異空間ポケットに仕舞うと、冒険者ギルドに向かった

「ごめん、ギルド長居る」

「ハイ、降りますよ、謝ることないんですよ、いつもの事だから」

皮肉を聞き流しながら、ギルド長室に向かう、役所も兼ねて業務を行うようになって、建物の拡張工事で、騒音が凄い、ノックしてはいる

「何か用」

「浮遊石って知ってる?」

「知ってるよ、ミスリル鉱山から出る屑石な、あれの処分を何とか考えてくれって、うるさく言われているが、いい案がなくてね、くだいても舞い上がるし、埋めても相当に深く、埋めないと持ち上がってきてしまうし、廃校に詰め込んで処理しているようだ」

「使い道はないの」

「あれば、苦労しないよ」

「本当に、誰も考えない」

呆れてしまった、地球に会ったら、天井知らずの価値のある石が、屑扱いだ


冒険者どころではなくなった、家の一室を研究室として始めた、入室禁止にして、誰にも理由は言わない

浮遊石

浮遊する高さ、五十センチ位で上にも下にもいかないで浮いている

拳大で驚く事に、俺の体重(六十キロ)をかけても下がらない

磁力の等なものがあって引きあったり、反発しあう事もない

重ねると重ねた倍数で浮力が上がる、二個重ねると百に十キロを支えると言う事だ

大まかこんな処だが一大発見だ、この世界じゃ誰もが知っているが、使い方が分かっていない、屑と決めてかかって利用しようとしなかったのだろう

木工職人に地球で、フォークリフトの台に使った、パレットと言うものと似たものを作ってもらった、それに買って来た浮遊石を詰め込む、水平に浮いた、乗ってみる、フワフワ感はあるが意外に安定している、凄い興奮して来た、研究に熱が入る、だが、なんだか楽しい気分だ、、シルビーが心配して覗きに来たが(シルビーは俺に関する事全て制限なし、入室禁止もシルビーは例外)食事の時間以外没頭した、一週間試行錯誤を繰り返し、何とか思っていた物が出来た

グレンとゴルドを呼んだ

「何だ、何か良い事があるのか、珍しく呼びつけるとは」

「そうだぞ、ていうか、お前こんな凄い屋敷に住んでるのか、お前は本当何者だよ」

ゴルドが呆れた様に言う、研究室に連れて行く

「何だこりゃあ、浮いているが」

「上に載ってみろ」

グレンがポンと飛び乗る

「おっ、意外に安定しているな下に下がらない」

「ゴルドも乗ってみろよ」

ゴルドが飛び乗る、それを指一本で押して部屋の中をまわる

「凄いな、指一本か」

「これを馬車に利用すれば良いと思わないか」

「そうか、でこぼこ道でも浮いていれば大丈夫だ、凄い事だな」


この星はどのくらいの大きさかは分からない、異世界に転移して弛んだ腹は引き締まって、体力も地球の時とは比べ物にならないくらいある、肉体的には相当若返っている感じだ、だから、はっきり分からないが、引力が地球と変わらないような気がする、甲斐力が増しているから、地球の時より高く飛び上がれるし、重いものも軽く持ち上がる、その点を加味してみて、同じくらいと感じる、と言う事はこの星は地球と同じくらいだ、大きければ重力が増すだろうし、小さければ軽くなるはずだから、そして今いる大陸の大きさ、これが分からない、この国グロージン大国の大きさもわからない、クロードの街の大きさが大体わかるくらいだ、大体首都に行くのに一か月、良く行政が行き届いていると思う、届いていないから悪徳領主がのさばるのだ、国として良く成り立っている、郵便らしきものが、魔物の鳥を飼いならして運ばせて、行われているらしいが、要するに交通網が確立されていない


ギルド長を研究室に呼んだ

「忙しいのにすみません」

「いや、栄太には世話になっているからな、ギルドに来るのではく、呼ぶと言う事は何か意味があるんだろう」

「うん、あれを見てくれ」

試作した物を見せる

「これを運ぶのは大変だし、目立つから」

「何だこれは」

「馬車みたいなものだ」

あれから風魔法を利用して推進する装置を付けた、太い筒状の中から風が吹き出すよう、魔石をセットしたものだ、後部に着け前にある運転席から、魔道管を通して魔石に魔力を送り、速度を調整、後ろにある方向舵も、アラクネの糸で運転席の、ハンドルとつなぎ操作する、部屋の中をゆっくりと移動して見せる

「これは、また、大変な魔道具」

「風魔法の使い手はどのくらいいるんだ」

「風魔法なら、結構いるぞ、それが何か」

「これの運転者、訓練しなきゃ」

「訓練」

「ちょっと、大きな話になるけど」







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