領主の屋敷制圧
領主の館の外に転移、夕方からよく寝たので気分はすっきりだ、夜の九時くらいか、次に屋根裏に転移気配を探る、汚れた濃い気配、領主のものだろうその部屋の上に転移、転移って便利だね、音もなく移動できる、部屋の中から
「明日、昼間、堂々と彼奴を殺しますよ、あの程度軽い、もしもの時ように、あの姉妹を確保しておいて」
「そんなに簡単に行くのかな」
「なに、田舎のギルドくらい、いけなきゃギルドこと潰しちゃえば良いんだ」
おやおや、俺を殺す相談ですか、シルビー達やギルドまで巻き込むつもり、これで始末し易くなりました
まず、この部屋全体に結界を張る、そして部屋の中に入る
「明日まで待たなくても、来てあげましたよ」
「貴様、どうやって」
「あんたが領主か、お初にお目にかかる、栄太です」
「ふん、良い度胸だ、どうやって入ったか知らないが、無事帰れると思うなよ」
ロイドが剣を抜く、そして大声で
「侵入者だ」
「大声出しても、この部屋は結界の中だから、外に聞こえないよ」
「貴様、生意気な思い知れ」
絶対の自信をもって切りかかってきたのだろうが、戦闘態勢に入り異次元からみる俺には、とてもスローモーに見えてあくびが出そうだ、まず剣を叩き落とし、それを奪う、そして腰を蹴とばす、何が起きたか分からないまま、床に転がった喉元に剣を充てる
「さあ、如何する」
瞬時に力量の差を悟ったのはさすがだとは思うが
「参った、俺は手を引く、だから助けてくれ」
これが長生きの秘訣なのか、巨大な組織の長ともなると、プライドが高く、すぐにこういう事を言うとは思わなかった、少し面食らった
「おい、そんなに簡単に降参して良いのか」
「良いも何も、ここまで力の差を感じたのは初めてだ、何をしても無駄だろうろう」
「時間が無駄にならなくてたすかるよ」
なんか緊張感に欠けるな、命のやり取りの筈だが
ロイドを指さす、何だろうという顔で見ている、目を見て暗示をかける、指さしたらひどい頭痛がするように
「二度と俺に逆らえないように、お前に呪いをかけた、逆らったら頭が割れるぞ」
脅しだ、そんな事をできる訳がない、疑惑の目で見ている、そんな顔だ
「疑っているな」
ゆっくりと手を挙げる、ロイドを指さす、突然、頭を抱えて
「痛い、分かった、分かったから止めて、許してくれ」
油汗を顔に浮かべて、顔をしかめている、、転げまわる、こいつはこの辺でいいだろう、十分効いている筈だ、念のため手足を縛り上げて床に転がす
「さて、領主さんはどうしようかな」
ロイドに対処している間に、部屋の隅に逃げてドアを開けようとしたが、結界が貼ってあるのだから開かなかった、如何にも姑息な奴だ、震えながら、こっちをみている
「貴様、私をどうする気だ、私に手を出したら、どうなるか」
それでも、言う事は強気だな
「どうなるかって、大人しくしていたら、俺を殺すつもりだったんだろう」
「・・・・・・」
「何とか言えよ、大人しく殺されろと言う事か」
「それは・・・・}
「殺すつもりだったのなら、俺がお前を殺すのもありだよな」
「そんな、助けてくれ、もう何もしない、謝る」
「お前の言う事など信用できるか、お前の悪評沢山聞いた、良い事は一つも聞かなかったぞ」
「殺さないでくれ、なんでも言う通りするから」
「嫌だね、お前に泣かされてきた、人達に変わって、殺してやるよ、生かしておいても世のためにはならない」
「頼む、助けてくれ、命だけは」
「分かったよ、今はやめておく、住民の人たちに任せよう」
取り敢えず、助かったという、ほっ、とした顔になった
結界を解除してドアを開ける、さすがに異常な空気を感じたのだろう、廊下は騎士と兵士が詰めかけていた
領主はそれを見て
「そいつを捕まえろ」
慌てて命令している、騎士たちが身構えた、そこへ
「だめだ、その男にかまうな,お前たちが束になっても、かなう相手ではない、お前たち死ぬぞ」
ロイドが大声で言った、縛られて床に転がるロイドの姿に
「ロイドさんが、あれでは、俺たちじゃ刃がたたない」
そう言って構えを解いた
「分かってくれて助かるよ、そういうわけで、領主様は静かにしていてもらう、文句のある奴はいるか」
ギルドの前で、俺にお仕置きをされた者が殆どの筈だ、すぐに大人しくなった、日頃、部下たちにも心証がわるいのだろう、恩義を感じ、助けようとするものは一人も居なかった、なんだか領主が哀れで、可哀想、
二人を縄で縛りギルドに連れていく、頭の痛みが相当答えたか、大人しく従って歩く、都合よく闇夜は、縄付きの二人を連れて歩いても目立たない、あまりにあっさりと解決したので、時間でいえば午後十時を、回ったころだろう、ギルドの裏口に着くと、当身で二人を眠らせ、そっとギルド長は部屋にいく
「まだいた、助かった」
「まだいた、じゃないよ、お前のお陰で寝る間がない、まったく」
半ばあきらめたような顔でいう
「ところで今頃、何か用か」
「悪い、ちょっと来てくれ」
仕方ない、という顔をしてついてくる、階段を降り、裏口で栄太の指さす先に。横になっている二人の顔を確認すると
「お前・・・」
言葉がない
「騒ぎにならないよう、制圧した、後は頼む」
「頼むって、どうするんだ」
「俺を殺し、邪魔するならギルドも潰すって、相談していたんだぜ、屋敷の騎士や兵士たちには、大人しくさえしていれば、悪いようにしないと言いきかせてある、騒いだり逃げたら、犯罪者として扱うとも言ってあるから、今の内は静かだ、後は如何して良いか、俺にはわからん、頼む」
「お前は、俺を仕事で殺す気だな」
「そんな積りはないが、あんたしか頼めないじゃん」
「なにが、じゃんだ、くそー、ギルド長なんか、やめたいよ~」
ギルドは職員に非常招集をかけ対応を始めた、腐っても領主は貴族だ、ロイドは大陸全土に支部を持つ組織のトップ、ギルドの一支部長には、荷が重すぎる、王様に相談するしかないだろう、王様はどう処理するか、お任せだ、この先はそれこそ俺の手に負える事じゃないい、身分、規則、この世界の常識が何も分かっていない