5つの魔石
「世の中にはね、火、水、土、風、それと光の5つの属性とそれに準ずる魔石があるんだよ」
コトハはそう言った。他のもあるのかもしれないけど、聞いたことないから知らないらしい。今俺の手元の中にあるのは風の魔石。主に風を操ることができる魔法が使えるものらしい。なんで世界樹の妖精の魔石が木じゃなく風なのかは知らないが、妖精の魔石と考えたら妥当なのかもしれない、空飛んでるし。
「つまり俺には魔力がそこそこあって、魔法が使えなくてもある程度ならこの魔石で補助してもらえるってことでいいんだな?」
そう、結局の所魔石を使っても全く魔法の才能がなければ(魔力がない、操作できないなど)魔法は使えないらしい。ただ、最低限はクリアできてるということなので練習さえすれば使える様になるということだ。
「そうだよ、それでね?もしよかったらさっき言った5つの魔石、それを集めてほしいんだ。もしそれを集め終わったときにやっぱり帰りたいってなったらそれを使えば私の魔力を使わなくても元の世界に返してあげられるんだ。」
更にコトハは後味の悪くない帰り方も教えてくれるようだ。この方法ならコトハは死なないので自分としても選択しやすい。魔石を集めてできる限り災いとやらを探す努力をしても好きなタイミングでギブアップできるということもできるのでなおよい。
「それを使って俺を呼ばなかったのはなんでなんだ?」
話を聞いてさっきから気になっていることを問いかけてみるとコトハはこう答えた。
「そういう使い方しちゃうと壊れちゃうみたい。中に宿ってる魔力つかっちゃうからかなあ?」
そして俺はさらにもう一つ質問を重ねた。
「世の中に魔石が5つしかないってことはないんだろう?一体どこからのこりの4つを集めてこいっていうんだい?」
俺の質問に想像通りの答えをコトハは端的に返してきた。
「それはしらない」
何なら知ってるんだこいつ。