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砂鯨が月に昇る夜に  作者: 小葉 紀佐人
消える希望
75/93

24-1


撃ち続けていた迫撃砲の弾が底をつき、インパルスもミサイルを撃ち尽くして大黒海を遠巻きに旋回していた


「…くそっ…速度が上がってる」


青いエアリードに乗ったアッシュは無線で司令室のオペレーターにそれを伝えると、オペレーターはゲイルに指示を仰ぐ


「そうか…足止めになるかわからんが、壁を出せ。」


オペレーターはすぐにコントロールパネルを操作すると、崩壊した街を囲うように分厚い鉄の壁が地面からせり上がった


ゲイルはルナバーストの充填率に目をやる


95パーセント


「大黒海の距離!500メートル!!後2分で壁に到達します!!」


ゲイルは信じるしかなかった。間に合うかギリギリの時間、ルナバーストさえ当たれば次こそは倒せると


そう思った矢先だった


空気を切る音が聞こえた瞬間、シャングリラの至る所から金属を貫くような音が響く


「何が起きてる!?」とゲイルはオペレーターに詰め寄るが、艦内通信からの音声が司令室に響き渡る


「て、提督!!ふっ、腐者に侵入されました!!」


イオは望遠レンズで映し出された大黒海の表面をうごめく腐者を拡大すると、流体であるはずの腐者が細く鋭い針のような形に変化し、それが高速かつ大量にシャングリラに放たれていた


すぐに侵入されたエリアから避難するように伝えると、避難が終わった箇所から隔壁を閉じていく


「シウスを起動しろ!!」


ゲイルがオペレーターに叫ぶと、オペレーターは機器を操作してシャングリラの至る所に設置されたシウスとゆう機関砲を作動させた


シウスは飛んでくる針のような腐者を自動で認識して空中で落としていく


それでも数が多過ぎる為、針のような腐者はシャングリラに突き刺さり侵入してくる


「…撃たせない気か」


「提督!!」


「何だ!?」


「ルナバースト!充填完了しました!!」


予想より早くその報せを受けたゲイルは、思わず口元が緩み白い歯を見せる


「ピクルっ!!狙いは!?」


「バッチリです!!」


ルーペが居なくなっても近づいてくる大黒海に根気強く照準を合わせ続けたピクルの頭が光る


「…覚悟しろよ!これが最後だ!!」


ゲイルは大黒海を指差す


「ルナバースト!発射っ!!」


ゲイルの声は主砲の機関室にも響き渡り、その声に合わせるように機関部のコアの輝きが増して金属の筒が高速で回転していく


それを祈るように指を組んで見つめるルーペ、アマンダ、レンチ


主砲の砲口が輝き


高まったエネルギーにバチバチと放電する



太い前脚の2本を持ち上げた大黒海


その2本の脚の先端が人の手のように開き、そこに光の玉を作り出す


そして


その2つの光の玉を


放電させた


ルナバーストから放たれた青白く太いレーザーは


大黒海の目の前で


夜空へと弾かれていく


「ば、馬鹿な!!」


イオは前のめりに窓の外、ルナバーストの太いレーザーが空へ向かって行く光景に目を見開き、開いた口は閉じる動作を忘れている


それは誰もが同じだった


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