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砂鯨が月に昇る夜に  作者: 小葉 紀佐人
月光蟲と秘密兵器
26/93

8-3


カザ達が出て行ってしばらく経ったアズーの家からは、幾度となく爆発音が響き、近隣の住民や通りすがりの人はその度にビクビクしてしまう


「あぁ!!うまくいかない!容器が悪いのかなぁ」


と何度も実験しては爆発するアズー


「大丈夫ですか?」


といつの間にか後ろにいたのはシグの妹のククルだった


「うわっ!びっくりしたー、ククル。此処には危ないから入ってはいけないって前に言いましたよね?」


まだ6歳のククルはそう言われてあからさまにむくれる


「だってお兄ちゃんまたカザとどっか行っちゃったんだもん!」


「はぁ〜、シグは大事な用事を砂バァから頼まれて行ったんだよ?それはククルの為でもあるんです。だからシグやカザを悪く思わないで下さい」


そう言われ納得しかけたが


「でも嫌い!」


と目の前で準備だけしていた小さなジャイロシステムを掴んでブンブンと振って投げた


「あっ」


それには小指の先程の腐石を3つ入れ、どうにかその中でリンク出来ないものかと頑張っていたとこだったソレは、ククルがブンブンと振った瞬間に起動して一気に回転し、投げられた時には紫色の光を放ち、放物線を描いた小さなジャイロシステムは部屋の壁に当たる瞬間に爆発した


とっさに机の下に隠れたアズーとククルは無事だったが、部屋の壁どころか隣の家まで吹き飛ばされてしまった


幸い隣の家は空き家だったのでケガ人はいないと思われるが、その凄まじい威力に驚くアズーとククル


「……出来た…。やったよククル!何で気づかなかったんだろう、振れば良かったんだ!やったよ!!」


と思わずククルを抱き上げくるくる回るアズー


それに目を回したククルは、降ろされた途端にパタンと後ろに倒れた


「よーし!後はこれを量産するだけだ!!忙しくなるぞぉ〜」


と興奮したアズーは目を回し倒れたままのククルそっちのけで作業に取り掛かり始めた



ナザルはバルウの防壁を見晴らし台から眺めながら、大黒海について砂バァが昔話してくれた時の事を思い出していた


病弱だったナザルに薬をよく届けてくれていた砂バァは、ある日ぼんやりと話し始めた


「ワシは昔、ワシの爺さんから大黒海とゆう恐ろしい化け物の話を聞かされたんじゃ。大黒海とは腐者の集まったものらしいが…爺さんの話では腐者のそれとは全く違う、巨大で禍々しく、とても人の力ではどうすることも出来ない災厄だと…その雄叫びは天を裂き、その体躯を阻めるものなど有りはしない…願わくば、出会う事なかれ出会う事なかれと…ワシはその話を聞いた夜寝れんかった。おぬしはどうじゃろうな?ケッケッケ!」


熱出して寝込んでいるナザルにわざわざそんな話をして楽しそうに帰って行ったのを今でも忘れない

案の定その夜はうなされて体調が悪化した


ナザルは口の端で笑う


「来ねぇに越した事はないが、準備はしねぇとな。サボってたらカザに叱られちまう」


ナザルは隣で作っている新設の見晴らし台の方へ「もうちょい右!違う右!!」と指示をしはじめた


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