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砂鯨が月に昇る夜に  作者: 小葉 紀佐人
ハッピーウェディングレーシングガール
13/93

4-3


ドンッ!!とゆう爆音と共に衝撃波を放ち忽然と姿を消したジャリハート


「えっ?」


誰もがそう思ったが他のサンドシップ達も走り出して6台全てがいなくなった


驚いて声も出せずジャリハートがあった場所を見つめるシグ、アズー、バサロ


砂の街バルウの門まで400メートル程だが、一瞬で見える所まできたカザは門が開いていく途中の間をすり抜けて砂漠を疾走する



ヤバいヤバいヤバいヤバい!



カザの体は後ろに反り返り、かろうじてカラビナを止めたベルトでジャリハートにくっついている状態だ


ビリビリと加速するジャリハート


スピードが速すぎて体を起き上がらせることが出来ない


ジャリハートはどんどん爆走し、アジャリナジャリを難無く越え、砂丘を高くジャンプして飛んで越え、あっとゆう間に顔岩を通り過ぎてもまだ突き進んでいく


「……くっそぉ、ぐぐぐぐぐ」


と何とか左腕を伸ばしてハンドルの真ん中を


握れない


頑張っても


握れない


ベルトを掴み少しずつ前へ移動し


「ぬおぉぉぉぁぁぁああ!!」


力を振り絞ってハンドルを


握るっ!!


体を起こして前傾姿勢にぃ


なるっ!!


と同時にリンクのレバーを手前に引いた


ガチャン!と音を立てて中心にあった腐石が右へとずれてリンクが切れる


と同時に動力が落ち、どんどんと失速して…砂漠の真ん中で停車した


…砂漠の

真ん中で

停車した


エンジンをかけようとスイッチを押す


かからない


もう一度


かからない


「…ヤバいってマジで!!」


と焦るカザはゴーグルを外しジャイロシステムの奥のバッテリー見ると、配線がいくつか焼き切れている

それを見て脂汗がぶわぁっと噴き出る


「落ち着け落ち着け」と自分に言い聞かせながら座席の下を開けて工具箱を取り出すとそこからレンチとニッパーを取り出して急いで修理をはじめた


………………。


何分経っただろうか。かろうじてバッテリーは生きていたのでジャイロシステムをシングルに戻し、配線を繋ぎ直してエンジンのスイッチを押す


ジャリンジャリンジャリンと回転が加速しフィィィイイと高い高周波の音に変わると車体が持ち上がった


「やった!!やったぞ!!」


と喜んでいると遠くから何か聞こえたので急いでエンジンを切り耳を澄ます


なんだか汚い鳴き声と


高い声の悲鳴が聞こえる


それがだんだん近づいてくる


グゲゲゲゲゲゲェッ


キャーーーー


グゲゲゲゲゲゲェッ!!


きゃぁぁぁぁああ!!


北東の方角からバサバサと黒い影が上下に動き、その手前を何だろうか…アレは………人が走っている


腰袋から望遠鏡を取り出し覗くとその黒い影が怪鳥デモデモだと分かったが、走る人を確認する


見たことのない衣服を着た人物がデモデモから逃げている


急いでエンジンをかけてゴーグルを着けるとジャリハートを勢いよく走らせた

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