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砂鯨が月に昇る夜に  作者: 小葉 紀佐人
ハッピーウェディングレーシングガール
11/93

4-1


サンドワームにオカマを掘られずに済んで無事に鉄鉱石を砂の街バルウに届けられたカザたちは、白い液体でベトベトにされゲロ吐きまくったミゲルを笑いながら歩いていると街の様子がいつもとは違うことに気づいた


「あれ?誰か明日結婚式だっけ?」


とサンドシップのジャリハートを押しながら歩くカザが、民家のテラスや窓から垂れ下がる花飾りを見てそう呟く


「あぁ、誰だったかなぁ〜?」


とニヤニヤしながら知らないフリをするシグ


「結婚式前日に同性からの熱烈なアプローチをされるような人にはなりたくないですね」


とアズー


それを聞いて笑っちゃいけないと思いながらも笑うバサロ


苦虫を噛み潰したような顔で睨むミゲルはまだ10歳のガキどもに言い返してやろうとするが


「ミゲルっ!!早く風呂入って来い!砂バァが早く落とさないとかぶれて大変だとよ!!」


とナザルに言われ慌てて自分の家に帰って行った


「ったく明日の主役があんなんじゃ花嫁が可哀想だ!みっともねー」


と守護隊隊長のオーキがぽろっと言った一言を救援部隊の連中は聞き逃さなかった


「おいおい留守番ご苦労だったじゃねぇか隊長」「俺は寂しかったぜ?オーキは助けに来てくれるもんだと思ったのによぉ」「あのクソ馬鹿でかいサンドワームに勇敢に立ち向かった男に対して失礼じゃありませんか隊長さ〜ん」「いいんだぜ俺たちゃ、あんたをさっきの場所まで連れてって砂に埋めるくらいの暇はあるんだ」「ベチョベチョのギトギトにご興味が?」


と救援部隊のガラの悪い先輩方とナザルに肩を組まれて飲み屋へと連れて行かれた


あぁ、きっと明日の朝までの飲み代を奢らされるんだろうとカザたちは黙祷を捧げた



「つーかミゲルだったんだね、結婚するの」


と歩き出したカザが嬉しそうに笑う


「ええ、相手はもちろん」


とアズーが言ったところで広場に着き、結婚式場の準備をする女性たちの1人に目をやる


「あー!もたっいねぇ!!俺があと10年早く生まれてたらなぁ!!」


と悔しがるシグ


「クシナは砂の街バルウ1番の美人ですもんねぇ」


とアズー


バサロはニコニコしてる


式場の準備をする女性たちの中、砂漠で生まれ育った筈なのに真っ白な肌を輝かせ、少し切れ長だけど大きい瞳、すらっと細い体、綺麗な栗色の髪を作業しやすいようにクルッとまとめた姿がまた可愛い美女がいた


その美女クシナは4人に気づくと駆け寄って来た


「カザ!シグ!アズー!バサロも!無事で良かったぁ〜、朝砂ババ様に聞いて心配してたんだからっ」


と4人を抱きしめガシガシと頭を撫でた


「もうみんな独り立ちしたんだから大丈夫だよ!」


「そうだ!子供扱いすんなっ!」


「ぼ、僕はほとんど何もしてななないからねっ」


ニコニコ


と、照れながらもガシガシされるのが嬉しい4人。バサロだけはちょっと背伸びしないときつい感じだった


「そうだったね!ごめんごめん!明日はレース出るの??」


とクシナが聞くと


「当たり前だ!!」とシグ

「ジャリハートで出るよ」とカザ

「ジャリハートmk-2ですよ!」とアズー

「頑張る」とバサロ


「すごいね!楽しみ〜」とクシナが言ったところで式場の準備をしている女性たちに呼ばれてしまい「また明日ねっ!」とクシナは走って行ってしまった


4人から漏れるため息


しばらくクシナを見て、アズーの家まで歩き出す



「なんでミゲルなんだろうな〜」


とシグが悔しそうにつぶやく


「ミゲルは優しいし…男前っちゃ男前なんじゃん?」


とカザは思い出すように言う、何故ならさっきベチョベチョのネチャネチャだったから


「たしか14歳くらいから付き合ってたみたいですよ?こないだ行商用のサンドバギーの修理をクシナに頼まれた時にクシナの友達とそんな話をしてました」


アズーも思い出すように喋る


「あぁ、羨ましい」とシグ


バサロはさっき撫でられたのがよほど嬉しかったのか、自分の頭を触りながらニコニコしてる


「2人の結婚を盛り上げる為にも明日は勝つ!!」


カザが意気込んで言うと


「でもまだリンク出来てねー」


とクシナの結婚を引きずりやる気のないシグ


「簡易的でもいいので今日中に完成させましょうよ!」


とアズーが言うと


「僕も頑張るから」


とバサロがシグの肩に手を置く


……………。


シグは何か吹っ切れたのか


「っしゃあ!!やったらぁ!!」とアズーの家まで走り出す


すぐについていくバサロの後から「なんで走るの?」とアズーが遅れて走り出す


カザはサンドシップを押している為、走らず3人が駆けていくの眺める


ふと、さっき飲み屋に入って行ったナザルが飲み過ぎて暴れないか心配になったが、救援部隊の人達もいるから大丈夫だろうと思うことにして、カザも少し歩みを早めた


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