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青空を見上げて

過敏性大腸症候群

作者: 星凪 怜

『過敏性大腸症候群ですね』

医師はそう言った。

『腸は本当に敏感だからね』と。


先月からのお腹の不調。

ずっと、市販の整腸剤を飲んでいた。

それでも、朝、腹痛に襲われる。

仕事を休むか行くか、毎日ギリギリまで悩む。

そうして、整腸剤を口にいれて仕事に行く。


その日も朝に下痢。

病院に行った方がいいと考えて、消化器内科を受診した。


その結果が過敏性大腸症候群。

ウツに、仕事に対する嫌な気持ちがブラスされた結果なんだと思う。


以前の職場に、同じ過敏性大腸症候群の後輩がいた。

真面目で仕事も頑張っていたけど、いつも整腸剤をポケットに入れていた。

その時は、この症状がストレスからのもの。としか知らずに

『彼女は入社したばかりだから仕方ない』なんて思っていた。


でも実際に自分がなってみると、かなり辛い。

仕事中に腹痛でトイレにこもる。

何度も続くと

『トイレが長すぎ!スマホでもいじってるんじゃない?』

と、あらぬ疑いをかけられた。


ウツもそうだけど、精神的な病気の症状は、表に出ない事がほとんどで、なかなか理解されにくい。

そうして、ウツを隠してしまう。


『ストレスが原因でこうなりました』と、ハッキリと言えたらどんなにいいか。


最近は、曜日感覚も無くなってきたのか、毎朝『今日は何曜日だっけ?』と考えてから、布団を出る。


私はよく『頑張りが足りない』と言われる。

そう言われて頑張ると、疲労が抜けずにストレスだけが溜まる。


社会人として甘いと思われても仕方がない。


私は楽しく仕事をしたいのだ。


私は『頑張れ』より『お疲れ様』とか、私を認めてくれる言葉が欲しい。


上司だった頃は『頑張れ』は言わなかった。

部下が、十分頑張ってくれていたから。

その代わりに『頑張ったね』『お疲れ様』を言っていた。

忙しい時でも、私の負担を増やし、部下の負担は最小限にとどめた。


私の経験が正しくて、今の上司のやり方が悪いとは言わない。

それぞれの考えがあるから。


でも、仕事のやり方や仕事の合う合わないはある。

ストレスを感じない人もいる。


単に私がストレスを感じやすく、お腹が敏感だっただけ。

そんな人達は、数えきれないくらいいる。


過敏性大腸症候群…自分の弱さを認めてもらえたようで、安心した気持ちになった。

『頑張らなくていいよ』そう言われた気がした。


誰に何を言われてもいい。

自分を守るのは自分。

会社の為に頑張るのも人生。

自分の幸せを求めるのも人生。


私は自分を守って、幸せも求める。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 感動しました。 [一言] そこまで重症ではありませんでしたが、私も一時期、長期にわたってお腹の調子が悪かったことがあるので、共感できるところがありました。 くれぐれも無理はなさらないで下…
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