6話「水浴びと森の訪問者」
シロ一緒に、水浴びに行くニケ。
水浴びを終えたところに森の訪問者が...。
ニケはどうするのか...!?
夕暮れ時、もうすぐ闇が森を覆うだろう。
「シロ、もう少しで川だから」
ニケは、シロと共に川を目指す。
水浴びが、したいのだ。
水の音が、聞こえてきた。
森を抜け、川辺に出た。
「そこそこ、深い川だな」
服を脱ぎだすニケ。
「シロ、俺が水浴びしてる間、周囲警戒のほうを頼む」
シロは、小さくうなづいた。
服を脱ぎ終えたニケは、川へ飛び込んだ。
水しぶきが、シロにかかる。
シロは、身体を振って水を払った。
「あー、ちょうどいい水温だ」
ちょうど、歩いてきて身体が暖まっていたところだから、ひんやりしていて気持ちがいい。
石鹸が、あればいいのだが...。
村に買い出しに行くとき、ミーチェにお願いしてみよう。
汗も流したことだ、そろそろあがるとしよう。
そう思い、川から出た。
「あー、気持ちよかったぁ。シロも、入ってきな」
そういうとシロは、一目散に川に向かって走っていった。
シロが、まだ子供って言うのは信じがたいけど、あの無邪気さを見てると納得がいくな。
身体が乾くのを待っている間、水遊びをするシロを眺めていた。
少し、身体が重く感じたので、瞑想をすることにした...。
しばらくして、シロは満足したのか瞑想をしている、ニケの元へ戻ってきた。
水を振り払うと、ニケにかかったらしく眉を寄せていた。
ニケは、ゆっくり目を開けそのまま、服を着た。
「さてと、戻ろうかシロ」
シロは、小さく咆えた。
違う...!これは、返事をするときの咆え方じゃない...。
ゆっくりと身構える。
なにか、なにか近くにいる...。
姿は見えないが、気配を感じる。
こちらをみる、何者かの気配を。
それも、ひとつだけではない。
最低でも、3つはあるだろう。
シロが咆える。
咆える方向に目を向けると、そこにはゴブリンが3体いた...!!
「おいおい、マジかよ。師匠の立ててくれた、フラグ回収かな」
呑気なことを、言っている暇ではない。
ふと、ゴブリンと目が合った...。
どうする、襲ってくるか。
それとも、そのままどっかいってくれるか...。
すると、ゴブリンは咆哮をあげた。
「ガアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!」
それに続き、後ろにいた2体もこちらへ気がついたようだ。
「っち、そりゃ気づかれるかぁ...シロ、構えろ」
シロは、姿勢を低くして唸っていた。
ニケは、急いで手袋をはめた。
左手に意識を...左手が光を帯びた。
イメージの構築...強く、硬く、鮮明に...!!!
左手と右手を合わせる。
手を離す...練成されたのは長さ1mほどのハンマー。
素材はたぶん鉄だろう。
ハンマーを手に取るニケ。
「シロ、右側の奴を頼む」
シロは、遠吠えをすると同時に、小さな吹雪のようなものに包まれた。
「な...シロ!?それは、お前の特技なのか...?」
シロは、平気そうだ。
どうやら、障壁のようなものを呼び出したらしい。
するとシロは、右側のやつに向かって走り出した。
俺も、前に出なければ。
ハンマーを構え、走り出すニケ。
目指すは、左側のやつ...!!!
「くらえぇぇぇぇぇッッ!!!!!!!」
ゴブリンの目の前までいき、深く構え、大きく振り上げた!
ドンッ、という音共にゴブリンは上を向いたまま、後ろに倒れこんだ。
「まずは、1体討ち取ったりぃぃぃぃぃッッ!!!」
叫びながらも、その手を止めない。
続いて、その後ろで棍棒を構えていた奴に対し。
ジャンプしながら、ハンマーを振り下ろした。
受け止めようと、防御をするゴブリン。
だが、ハンマーは勢いを消さず棍棒を砕いた。
地面にたたきつけられたハンマーを、すかさず身体とともに回す...!!!
目線が1回転すると共に、ハンマーがゴブリンの顔にメリ込んだ...。
顔が変形したゴブリンは、動かなくなった。
一方シロは、ゴブリンとにらみ合っていた。
初手の体当たりを食らったゴブリンは、シロのまとう障壁によるダメージがあったようだ。
お腹の部分が、切れている。
シロが、先手を切り出した。
右前足からのひっかき。
ゴブリンは、身を守るように腕をクロスさせた。
シロの爪が肉を裂き、骨をえぐった...。
ゴブリンは右腕が変な方向に垂れている。
「ンガアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!」
ゴブリンが、シロに向かって左腕を振り回しながら、走り出した。
「綴る!″我、光の力を求めるもの。射抜け、その光と共に″。ライトニードル!!!」
魔方陣が展開された、魔法が発動し複数の光の矢がゴブリンを貫いた。
その場に崩れ落ちるゴブリン、その姿はもはや原型をとどめていない、ただの『肉片』と化していた...。
「メシ前に、変なもん見せるなよ...」
ニケは、吐き気を押さえ込んだ。
「シロ、帰るぞ」
自分の獲物をとられたシロは、ちょっとしょんぼりしていた。
「こっちの戦闘が終わったんだから、助けるのは当然だろ」
シロの頭を撫でながらニケは、そういった。
「さてと、家にもどって夕飯だな」
再び森を抜け、開けた土地に出る。
ここが我が家だと今は心から思える...。
なんだろう、ストーリが安定し始めたのかわかりませんが。
書くことが少なくなった気がします。
まぁ、登場人物などはこれから増えていくのでこれからもよろしくおねがいします。