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夢にまで見たあの世界へ   作者: ゆめびと
第0章~転生、そして長い旅路~
55/93

55話「月明かりと一人の夜」

作戦会議を終え、夕食を終えた一同。

宿屋への行く途中には、居酒屋などが建ち並んでいた。


 看板の並ぶ道を進む一同。

 見る限り居酒屋などの、飲食の店が立ち並んでいた。 


「そういえば、師匠って酒飲むの?」


 通りかかった居酒屋を見ながら、ニケはミーチェに問いかけた。

 ミーチェは、居酒屋を眺めながらその問いかけに答えた。


「んー。今まで、酒は飲んだことがないな」


「意外だなぁ。てっきり、飲んでると思ってた」


 そんな会話をしていると、宿屋の前に着いてた。

 5階建ての大きな宿屋だ。

 ミーチェを先頭に、中へと入っていく一同。

 床は木材のタイルに良く似た物だった。

 部屋の右端には、受付があり左側は、椅子と机があった。

 シンプルな内装だなっとつぶやきながら、ミーチェは受付へと歩いていった。


「いらっしゃい、3人ですかな?」


 太った男が受付に立っていた。

 年齢は40くらいだろう、身長は高く髪はきのこのような髪型だ。


「3人で一泊だが、部屋はあるか?」


 慣れているような感じで、ミーチェは部屋を借りた。


「3名で12シルバーになります」


 ミーチェは、鞄から布袋を取り出すと12シルバーを払った。


「お部屋は、3階の右奥となります」


 受付の男は、鍵をミーチェに渡した。

 鍵を渡してすぐに、何かを書き始めた。どうやら名簿を書いているようだ。


「部屋へ行くとしようか」


 ミーチェが、ニケとアシュリーに声をかけた。

 受付の左側にある階段を、上り始めるミーチェ。

 ニケと、アシュリーもその後に続いて階段を上ろうとしたとき。


「お客さん、ペットはちょっとお断りしてるんですよ」


 シロを指差しながら、受付の男が声をかけてきた。


「あー。わかりました」


 ニケは、そういうとシロに向けて右手を伸ばした。


「戻れ、シロ」


 シロが、光とともに右手の指輪へと消えていった。

 それを見ていた受付の男は、大きく目を見開いていた。


「行こう、アシュリー」

 

 アシュリーにそう告げると、ニケは階段を上っていった。

 アシュリーは、小さく頷くとニケの後に続いた。

 階段を上り、3階へ着いた。

 上がってすぐに左右に通路があった。

 

「確か、右奥と言っておったな」


 部屋の場所へと歩いていくミーチェ。

 鍵を開けると、中には二人用のベットが2つあり、おくには窓、入って左手には便所があった。


「内装はしっかりしているようだな」


 そういいながら、ミーチェは手前のベットに腰を掛けた。

 あとからニケとアシュリーが入ってきた。


「だ、ダブルベット……」


 広々としたベットを見ながら、ニケはつぶやいた。

 それを聞いていたミーチェが、口を開いた。


「安心しろ、誰もお主とは寝ないぞ」


 小悪魔のように微笑むミーチェ。


「誰もそんなこと言ってないぞ」


 ため息をつきながら、ニケは窓際のベットに腰を掛けた。

 

「あー。ふっかふかだ」


 鞄を横に置き、ベットに横たわるニケ。


「明日は早いからな。身体を休めておくがよい」


 ニケに、そう告げるとミーチェもベットに横たわった。

 そんな二人のやり取りを見ながら、アシュリーは手前のベットに腰をかけた。


「私は寝なくても大丈夫なので、見張りでもしておきますね」


 アシュリーはそういうと、大剣を壁に掛けるために立ち上がった。

 

「あぁ、すまないなアシュリー」


 眠そうな声で、ミーチェはアシュリーにお礼を言っていた。

 

「俺は寝ようかな」


 そういってニケは、毛布を被って目を閉じた。

 

「はい、おやすみなさい」


 アシュリーは、窓際まで行くと外を眺めながら言った。

 日は沈み、辺りは月明かりに照らされ始めていた。

 居酒屋から広場に向けては、灯りが見えていて活気に溢れかえっていた。

 窓から外を見るのをやめて、アシュリーはミーチェの隣に腰を掛けた。

 ミーチェはすでに寝ていた様子で、小さな吐息が聞こえていた。

 ニケは、吐息は聞こえないが寝ているようだ。


「なんでアンデットになっちゃったんだろ……」


 アシュリーは、左足を抱え込みながらそうつぶやいた。

 

「まぁ、後悔してないからいいかな」


 窓から差し込む月明かりを見ながら、アシュリーの長い夜が始まったのだった。

 

書いてるのが、楽しいときと疲れているときとの差がすごいと感じます。

ここ最近は毎日投稿というよりも、深夜に投稿という感じになってきてます。

なんやかんや、書くのがまた日課になってきてて楽しいです。

では、次回もお楽しみに!

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