55話「月明かりと一人の夜」
作戦会議を終え、夕食を終えた一同。
宿屋への行く途中には、居酒屋などが建ち並んでいた。
看板の並ぶ道を進む一同。
見る限り居酒屋などの、飲食の店が立ち並んでいた。
「そういえば、師匠って酒飲むの?」
通りかかった居酒屋を見ながら、ニケはミーチェに問いかけた。
ミーチェは、居酒屋を眺めながらその問いかけに答えた。
「んー。今まで、酒は飲んだことがないな」
「意外だなぁ。てっきり、飲んでると思ってた」
そんな会話をしていると、宿屋の前に着いてた。
5階建ての大きな宿屋だ。
ミーチェを先頭に、中へと入っていく一同。
床は木材のタイルに良く似た物だった。
部屋の右端には、受付があり左側は、椅子と机があった。
シンプルな内装だなっとつぶやきながら、ミーチェは受付へと歩いていった。
「いらっしゃい、3人ですかな?」
太った男が受付に立っていた。
年齢は40くらいだろう、身長は高く髪はきのこのような髪型だ。
「3人で一泊だが、部屋はあるか?」
慣れているような感じで、ミーチェは部屋を借りた。
「3名で12シルバーになります」
ミーチェは、鞄から布袋を取り出すと12シルバーを払った。
「お部屋は、3階の右奥となります」
受付の男は、鍵をミーチェに渡した。
鍵を渡してすぐに、何かを書き始めた。どうやら名簿を書いているようだ。
「部屋へ行くとしようか」
ミーチェが、ニケとアシュリーに声をかけた。
受付の左側にある階段を、上り始めるミーチェ。
ニケと、アシュリーもその後に続いて階段を上ろうとしたとき。
「お客さん、ペットはちょっとお断りしてるんですよ」
シロを指差しながら、受付の男が声をかけてきた。
「あー。わかりました」
ニケは、そういうとシロに向けて右手を伸ばした。
「戻れ、シロ」
シロが、光とともに右手の指輪へと消えていった。
それを見ていた受付の男は、大きく目を見開いていた。
「行こう、アシュリー」
アシュリーにそう告げると、ニケは階段を上っていった。
アシュリーは、小さく頷くとニケの後に続いた。
階段を上り、3階へ着いた。
上がってすぐに左右に通路があった。
「確か、右奥と言っておったな」
部屋の場所へと歩いていくミーチェ。
鍵を開けると、中には二人用のベットが2つあり、おくには窓、入って左手には便所があった。
「内装はしっかりしているようだな」
そういいながら、ミーチェは手前のベットに腰を掛けた。
あとからニケとアシュリーが入ってきた。
「だ、ダブルベット……」
広々としたベットを見ながら、ニケはつぶやいた。
それを聞いていたミーチェが、口を開いた。
「安心しろ、誰もお主とは寝ないぞ」
小悪魔のように微笑むミーチェ。
「誰もそんなこと言ってないぞ」
ため息をつきながら、ニケは窓際のベットに腰を掛けた。
「あー。ふっかふかだ」
鞄を横に置き、ベットに横たわるニケ。
「明日は早いからな。身体を休めておくがよい」
ニケに、そう告げるとミーチェもベットに横たわった。
そんな二人のやり取りを見ながら、アシュリーは手前のベットに腰をかけた。
「私は寝なくても大丈夫なので、見張りでもしておきますね」
アシュリーはそういうと、大剣を壁に掛けるために立ち上がった。
「あぁ、すまないなアシュリー」
眠そうな声で、ミーチェはアシュリーにお礼を言っていた。
「俺は寝ようかな」
そういってニケは、毛布を被って目を閉じた。
「はい、おやすみなさい」
アシュリーは、窓際まで行くと外を眺めながら言った。
日は沈み、辺りは月明かりに照らされ始めていた。
居酒屋から広場に向けては、灯りが見えていて活気に溢れかえっていた。
窓から外を見るのをやめて、アシュリーはミーチェの隣に腰を掛けた。
ミーチェはすでに寝ていた様子で、小さな吐息が聞こえていた。
ニケは、吐息は聞こえないが寝ているようだ。
「なんでアンデットになっちゃったんだろ……」
アシュリーは、左足を抱え込みながらそうつぶやいた。
「まぁ、後悔してないからいいかな」
窓から差し込む月明かりを見ながら、アシュリーの長い夜が始まったのだった。
書いてるのが、楽しいときと疲れているときとの差がすごいと感じます。
ここ最近は毎日投稿というよりも、深夜に投稿という感じになってきてます。
なんやかんや、書くのがまた日課になってきてて楽しいです。
では、次回もお楽しみに!




