19話「自己紹介と作戦会議」
村長の家に無事辿り着いた一同。
家の中に気配を感じリビングの扉を開けたニケ。
そこには...
そこには、下半身のない鎖で壁に打ち付けられた女性の死体があった。
死体は服を着ておらず、右目をえぐられており見るに耐えないものだった・・・。
「ニケ。中は大丈夫そうか?」
「あぁ。ちょっと『不気味なもの』あるけど大丈夫」
「ん?『不気味なもの』?」
ミーチェは、裏口から入るとすぐにこちらにきた。
男は、シロと一緒に中に入って扉を閉めた。
ニケの横に来てミーチェはその、『不気味なもの』を見た。
「これはひどい……この娘は、村長の孫娘だ」
「……。」
それを聞いたニケは、沈黙してしまった。
「…なぁ師匠。村長って、こういうことする人だったのか?」
「いや、それはない。村長は、話しやすく村人達から慕われていた」
「そんな人が、こんなことするなんて・・・」
「ニケ。気持ちはわかるが、現状が現状だ村長以外の何者かがやったのであろう」
「……うん」
目の前の光景が、あまりにひどすぎたようだ。
ミーチェは、ニケの背中に手を添えた。
「こういう世界なんだな…ここは」
「あぁ。力ある者が、使い方を間違えるとこうなるのだ。この光景を、目に焼き付けておけ」
「……わかった」
隣に来た男も、あまりの悲惨さに眼を瞑っていた。
「シロ、外の警戒をお願い。なにかあったら、遠吠えで教えてくれ」
裏口の扉を開けながら、ニケはシロに警戒を促した。
シロは小さく咆えると、外へ走っていた。
一同は、リビングのテーブルに座り顔を合わせた。
「さて、一旦落ち着いたことだ。今後の事を、計画しようじゃないか」
「そうだな。その前に、兄ちゃんなんて名前なんだ?」
「そういえば、名も名乗ってなかったな。俺は、レイン・シュバイン。元傭兵だ」
「俺は、ニケ・スワムポール」
「私は、ミーチェ・クリスタだ」
「ニケ坊と、ミーチェ…でいいのかな?」
「なら、レイン兄て呼ぶよ!」
「ほう?初対面で、年上に対して呼び捨てするとはな」
「年上ッ!?どうみたって15,6のロリだろ」
「っちょ、兄ちゃんッ!それ、俺も思ってたけど言っちゃいけないやつだと思う!」
「私は160歳だッ!」
怒り口調のままニケと、レインを殴るミーチェ。
「いきなり殴ることないだろ…」
「いたた、なら姉さんとでも呼ぶとしよう」
二人は頭を抑えながら文句などを述べていた。
「まったく。今は、それどころではないだろう」
「そうだったな」
「師匠。このまま村を出るのか?」
「流石に、今村で起きていることを放置して、立ち去ることはできない」
「死霊術で呼び出された魔物は、そこを拠点に軍隊を作る場合もある。今のままだと、アンデットがいつ村の外に漏れ出すか…」
「あのウィッチって、やつを倒せばいいんだろ?」
「そう、簡単に言うでない」
ミーチェは、この馬鹿弟子がっと小声で言った。
レインは腕を組み、考え事をしていた。
ニケは、馬鹿とはなんだ馬鹿とはとミーチェに反論していた。
「話を戻そう。まず、ウィッチに関する情報を互いに知らねばならない」
「姉さん、それなら俺が一番詳しいと思う」
「レイン。お主が知っている情報は、信用できるのか?」
「師匠はまだ疑っているのか?」
「それが普通だ。なにせ元協会の者だぞ」
「今の俺は、魔法に対して恐怖とかそういうのはない。まるで気分が晴れたかのように、今までと違うのだ」
レインはひじを着き、手を合わせていた。
ニケは、話がわからずにぼけーっとしていた。
「今までと違う?とは、どういうことだ」
「俺はさっきまで、魔法に対しての憎しみに近い感情があったんだ。だが、裏切られたと感じた時にその憎しみが、嘘のように消えてたんだ」
「暗示か…もしくは、洗脳に近いことをされていたのだろう」
「もしかしたら、そうかもしれない」
「ふむ。とりあえず、その言葉を信じよう」
何回話が逸れるんだろうか、とニケは聞いてて思っていた。
ミーチェは、足を組みひざの上に右ひじを置き悩んでいた。
「ウィッチについてだが、あれは魔法が使えるだけじゃないんだ」
「魔法使う魔物とか強そうなんだけど…。」
「ウィッチの得意属性は、火、雷の二つだ」
「なるほど、ほかに弱点とかはあるのか?」
「浮遊中は基本的に召喚を続ける習性がある、ほかはいがいと脆いってことかな」
「召喚が続くのがやっかいだな…」
たしかに、ロッククラブ戦でわかったことは、長期戦になるほど魔法の使用回数が増えることだ。
後衛は、魔力が切れたら前衛をカバーできなくなる。
この場合、レインとシロを前衛にして後衛を、ニケとミーチェにするのが打倒だ。
「ボスと、取り巻きを分けて戦うってのはどう?」
「どういうことだ?」
「まず、俺とシロでウィッチの相手をして。レイン兄と師匠で取り巻きの処理すれば」
「確かにそれなら、取り巻きがウィッチの元に集まりにくくなるな」
「ただ、ニケ坊の魔力が持つかどうか…だな」
「なら、弓を練成すればいいんじゃないかな」
突然の発想に驚くミーチェ。
錬金術って、便利だなと感じ始めるレイン。
意見を交差させる3人…
情報交換をして、打倒ウィッチの作戦会議は長引くのであった……。
会話分がおおい話と文章が長い話などなど
文法が徐々に変わっていくことに喜びながらも書いております。
ご愛読に感謝します。
今日はこれにて寝ます。
次回もおたのしみに!




