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夢にまで見たあの世界へ   作者: ゆめびと
第0章~転生、そして長い旅路~
17/93

16話「続、協会の刺客」

前に出てきたのは、今回の主導者であろう銀髪の男だった。

ニケたちが捕らえた男は、どうやら協会に利用されていたらしい。

失う者の気持ちを理解して、憤怒するニケ...

物語はあわただしく動き始める!


「これはこれは、うちの者が世話になりましたね」


 男は、高身長に銀髪肌は黒い、

 もう片方は、フードをしていて顔が見えない。


「おい!早く助けてくれ!」


「ふん、たかが二人に捕まるとは情けない。そのような者は、協会に必要ない」


「っな...!」


 見捨てられた男は、うつむきぶつぶつ小声で喋っていた。

 ミーチェが小声で、ささやきかけてきた。


「ニケ、片方の武器は『一突き』の物だ気をつけろ」


「『一突き』?」

 

 『一突き』――レイピアや、長剣のようにリーチの長い武器の事だ。とミーチェは小声で言ってきた。

 目の前にいる、銀髪の男はサーベルのような不気味な剣を構えている。

 となると、奥のフードの男が一突きの武器もち...

 対峙していると、男が叫び始めた。


「約束と違うじゃないかッ!」


「約束?なんのことだ」


 銀髪の男は両手を上げ、嘲笑ったよな顔で男を見た。

 男は、更に叫び声を上げた。


「妹を...妹を助けてくれるって話は...!?」


「あぁ。あの出来損ないか。あれは、既に死んでいる」


「な...なぜ...」


「まだ、わからないのか?お前と喋っていたのは、幻覚だったということに!」


「そ...そんな...うそだ、うそだぁぁぁぁぁッッッ!!!!」


 男は泣きながら、地面に頭を叩きつけ始めた。

 話がだいぶ見えてきた。


「なぁ。あんたは妹を助けるために、協会ってのに入ったのか?」


「そうだ...あいつらが、妹を助けると言って...協会に入れば助けてやると」


「そうか、それで妹は死んでいたってことか」


 ニケは、同情の色を隠せなかった。

 ミーチェは、やれやれといいながら銀髪の男に話しかけた。


「お主達のことだ、死霊術の媒体にでもしたのだろう?」


 すると、銀髪の男は高らかに笑いながら言い放った。


「ご名答!そうだ、あいつは死霊術の媒体となって死んだ!あれは傑作だった!最後まで、兄さん兄さん言っていたのだからな!」


 その言葉に、男は涙を隠せなくなった。


「っう...ああああああああああああッッッ!!!」


 誰かを、失う気持ちはわかる。

 ニケは、先ほどまでの自分を見ていたようだ。

 右手を構えだすニケに、ミーチェは声をかけた。


「おい、何をする気だ!」


「何って、こいつの傷を治すんだよ」


「相手は敵だぞ!」


「利用されてただけだろ!」


「それはそうだが...」


「師匠も協会絡みで何かあっただろうけど、こいつは妹を助けるためにしがみ付いていた。だから、ここで死んでいい命じゃないと思うんだ」


「俺を、助けるのか...?」


「あんた、悪い奴だけどさ仇ぐらい取りたいだろ?」


「できるものならな...だが貴様のせいでもう身体がずたずただ」


 ニケとの戦闘で、負傷している男は銀髪の男をにらみながら言った。

 すると、銀髪の男は面白くなさそうにこちらを見ていた。


「その男を助ける?無駄だ、その傷では、もう使い物にならないだろう!」


「うるせぇ...少し黙っててくれないか?」


 ニケは、銀髪の男を睨みつけた。


「おー。怖い怖い」


 銀髪の男は、武器を仕舞い。

 その場に座り込んだ。


「まー。何をするかわからないけど、やるなら早めにね」


 銀髪の男は悠長に鼻をほじくり始めた。

 ニケは左手を構え、人差し指と中指を立てた。


「綴る!″我、水の癒しを求めるもの。汝、我が願いを聞き届け、彼に癒しを与えよ”ミストヒーリング!」


 魔法名が違うことに、気がついたミーチェ。

 だが、魔法は発動した。

 通常の大きさより、大きい魔方陣が展開されていた。


「まさか、魔方陣と魔方陣を組み合わせてより大きな魔方陣に...!?」


「魔線の数で、魔法名も変わるみたい。さっき気がついたんだ。魔法名に違和感があるなって」


「さっき気がついて、今試したのか...!?」


「あぁ。」


 ニケは、返事をすると同時に魔方陣に魔力を込めた。

 魔方陣が展開し、魔法が発動した。

 通常のミストヒールよりも、長く魔方陣が維持されていた。


「新しい魔法...」


 ミーチェは、目の前で起きている新しい魔法に眼が釘つげのようだった。

 すると、銀髪の男は立ち上がり再度武器を構えた。


「なぁ、あんた。縄解いとくから。回復したらこっちに合流しろよ」


 ニケは刀で縄を解いた。


「おいニケ。いいのか?こいつは敵だぞ?」


「いや、もう協会のやつじゃない。彼はただの復讐者だ。シロ、ここで待ってて」


 そういうとニケは、小太刀、刀を再度握りなおし銀髪の男に向かって歩き出した。

 その後姿を、ミーチェとシロは見送った。


「師匠。何かあったら援護よろしく」

「なんかって、お主は...はぁ、わかった。気をつけてな」


 ミーチェは、ため息をつきながら世話の焼ける弟子だっと言い放った。

 すると、霧に包まれた男はミーチェに声をかけた。


「これは...治癒魔法なのか?」


「あぁ。私の弟子がお主にかけたのだ。感謝するんだな」


「あいつは、男だろ?なぜ魔法が...」


「さぁな、あいつは魔法も錬金術も使える。異能のなかの異能であり、私の自慢の弟子だ」


 男は、再びうつむいてしまった。

 傷は...だいぶ癒えたようだ。

 もうちょっとで、傷はふさがるだろう。

 第一位階回復系統魔法で、ここまで回復させるとは...


 ――ニケは、銀髪の男の前で止まった。

 

「なぁ。協会って、そんなにすごいのか?」


「突然、何を聞くかと思えば。協会について何も知らないのか?」


「あぁ。だが、悪い奴らの集まりってのはわかったぜ?」


「お前たち、魔法使いから見たらそうだろうな」


「どういうことだ?」


 銀髪の男は武器を下げ、話始めた。


「魔法使いは、戦争の火種だ。っと先代は言った。俺も、それは同感だ。騎士が、一人二人と敵を倒す間に魔法使いはそれ以上の人の命を奪う。その力を人殺しの為に使う連中を処すのが、我々協会なのだ」


「そのためなら、村を襲うと?」


「襲うとは人聞きが悪い、これは神の導きに背いた者たちへの天罰だ」


「なにが天罰だ...何が神だ...!人の命を奪ってる事には変わりないだろッ!」


 言い放つと同時にニケは、切り込んだ。

 だが、ニケの一撃は銀髪の男のサーベルによって受け止められた。


「いきなり切り込むとは...往生際が悪いなぁッ!」


 銀髪の男はサーベルを振り上げた。

 サーベルと一緒に、ニケの刀も振り上げられた。


「そこだぁぁぁぁッッッ!!!!」


 振り上げたサーベルを胸元に構えなおし、喉元にめがけて突きを放つ男。

 ニケは、左手の小太刀でそれを受け流した。

 間一髪、ニケの首の右側をサーベルが通る。

 サーベルを弾き、距離を置くニケ


「ほほう?今のを受け流すとは」


 関心しながらも、銀髪の男は攻撃を仕掛けてくる。


「そいつは...っく。どうもッ!」


 喋りながら、剣を受け流すのは流石に厳しいな。

 考えていると、すぐそこまでサーベルが来ていた。

 ニケは、両刀をクロスしてサーベルを受け止めた。

 銀髪の男は、舌をだして不気味に笑い始めた...

 ここからどうすれば...。

 そのとき、後ろから雄たけびが走った。


「うおおおおおおおおおああッッッ!!!!!!!!!!!」


 ニケは、振り返った。

 そこに立っていたのは...!

パソコンのキーボードがそろそろ寿命のようで...

なかなか書きづらくて時間がかかりました。

話が徐々に進んでいきます。

自分自身鳥肌を纏いながら書き込んでいます。

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