ギルドの依頼
一通り泣いたら心が軽くなった気がする。目もまだ少し赤いしジンジンする…気持ちを切り替えて頑張らないと!
『無茶をするのもほどほどにしろよ…』
「分かってるよ」
『どうだか…』
「心配してくれてありがとう。」
彼は俺の心の中にいつもいる。生まれた時からずっと、魔法も彼教えてもらい使えるようになった。以前セレスに彼のことを話したら「二重人格?」と言われたが違う気がする…別に害はないしむしろ助けてもらっているから特に気にしてはいない。エルナに到着しミリカデアを目指すのだがラルフは魔物の討伐の依頼をギルドで引き受けマリーサ森林へ足を運ぶ。
「近ごろマリーサ森林で魔物が大量発生して町では対処しきれないとのことだから我々も加わろう」
「はい!」
ギルド登録をしておくと実績に伴い報酬をもらえたり、ランクが上がると施設などで優遇してもらえるなどメリットが多い。また騎士になるとギルド登録は必須項目なのでちょうどよかった。マリーサ森林に着き目にしたのは、魔物はけして強敵とまでいかなくとも数が多くさばくのが大変そうだ。こういう場合は大技で仕留めるのが最適だ。
「聖なる水よ我が身に宿り敵を薙ぎ払へ│聖なる氷柱の雨≪ホーリーアイシクルレイン≫!」
光に輝く雨が降り注ぎ魔物を一掃する。詠唱をすることでより強力な魔法が使える反面、詠唱をしながらの戦闘は慣れないと難しいラルフは感想を述べる。
「フレン、君は村からは出たことがないと聞いたが独学かい?」
「はい、家にあった書物を参考にして両親にも教えてもらいました。」
「そうかそうか、戦争が終わりまた昔のように国を行き来するひが来たらローゼンの魔法学校カルタに足を運ぶのもいいかもしれないね。」
「そうですね、機会があればそうしたいです。」
ミリカデアとローゼンの戦争は10年前に起こりフレンが6才の時、両国の関係は安定していたが同盟を反対する声もありあっけなく戦争になってしまった。力を持たない民たちは終わりをただただ待つ事しか出来ない。ギルドに依頼の完了を伝えそのままミリカデアを目指す。道中にラルフから歴史や数式を学び今まで知らなかったことをたくさん教わった。そして3日がすぎとうとう王都ミリカデアにたどり着く。