アル・サイド
休日なのですが息抜きに書きました。
今回は、アル視点です!
なんで王都に行く途中で、盗賊に襲われなきゃいけないの?他の皆が逃がしてくれたけど、こんな森の中じゃ…
「ど、どっちに行けば良いのかな…」
ガサッ
「い、いや…たすけ」
そこから記憶があいまい、とにかく走って走って転がって…
ふと、目の前の地面に目が行く。
地面が光ってたのだ。
(これ、魔方陣?みたいに見えるけど…罠?どうしよう、盗賊が追いかけて来る、逃げなきゃ。)
雷の落ちた時のような耳を砕いてしまうほどの音が聞こえた気がした。
「えっ?」
音に驚いて振り返ると…そこには、鉄の塊と形容してしまう物が、今、自分が跨いだ魔方陣のある場所にあった。
しかしよく見れば人の形をしているのがすぐに判る。
助かった!よくわからないけど生き物なら自分も危ないけど助けてもらえるはず…
「ちょっと、助けてよ!」
こ、こっち見た!?
「…っ!向こうから盗賊がくるのっ!」
何を言っても判らないだろうけど。
もう何でも良いから早く助けてよ…
怖いよ…
凄い…武器も無いのに、素手で盗賊たちに勝っちゃった。見た目は少し細い腕、自分より高い背丈…噂で聞いた剣士の一人に似た容姿だった。
(こっち来た!今度は自分の番かな?)
不思議と怖いが冷静でいられた。
「グルルラアアア…」
「…っ!」
(助けてくれたけど!やっぱ!怖い怖い怖い怖い…泣いてない…)
しばらくどう動くか観察していたが剣士のような生き物は動くか無い。
(私を攻撃してこない?
どうしてだろう…)
「アヴ」
(アルって、呼んだの?)
考えに耽っていると、懐かしいそれでいて、このような場所では出ないであろう名前が聞こえ我に返る。しかし、その言葉は出てこない。
(空耳かも知れないけど、それでも…懐かしい名前、奴隷になる前に呼ばれてた…)
今は自分の気のせいだ、と決めつける。
抱えようとしてるみたい、まだちょっと怖いなぁ…
次は少し遅くなるかもです