表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

その3

■残されたもの


出国の自由を認めよ、という世論が高まってきている。

王様が腹心の大臣に言った。

「もし出国を自由にしたら、みんなこの国から出て行ってしまって、われわれ二人しかいなくなってしまうな」

すると怪訝な顔をして大臣が言った。

「われわれ二人とおっしゃられましたが、王様のほかのあと一人というのは一体誰なんです?」


■兄弟


様々な種族の人たちが集まって言った。

「人間たちはわれわれを兄弟というが、なぜだろう」

ドワーフが答えた。

「もちろん仲がいいからさ」

エルフがすかさず反論した。

「それは違うね。友達は自由に好きな奴を選べるが兄弟は選ぶことができないからね」


■いつになったら


ホビット・ドワーフ・ゴブリンの族長三人が神の前に集まり、

それぞれの将来について質問することになった。


ホビット「いつになったら、ホビットは皆金持ちになれるでしょうか?」

神様「10年後だね」

ホビット「そうですか。私の任期は終わっているな。残念だ」

ドワーフ「いつになったらドワーフは皆幸せになれるでしょうか?」

神様「50年はかかる」

ドワーフ「そうですか。もう私の時代じゃないな」

ゴブリン「いつになったら、ゴブリンは頭がよくなるでしょうか?」

神様「おお、残念だが、その頃には私の任期は過ぎておる」


■幻想


吟遊詩人の物語は「むかし、むかし、あるところに・・・」で始まる。

革命家の演説は「やがて、いつかは・・・」で始まる。


■商人魂


まぬけな商人が都の祝祭に屋台を出した。

知り合いが注意して言う。

「このような人ごみでは、スリがいて売物や金を盗み、また、飲み食いしても金を払わずに逃げていくゴロツキたちもいるから用心しなされよ」

「分かりました」

そうして荷をおろして、酒や食べ物を並べていたところ、パレードの馬が暴れて大騒ぎ。

逃げ惑う人が押し寄せ屋台は滅茶苦茶。

商人、これぞ忠告を活かすときと売物を抱え込み、

「抜かりはしないぞ。人に食い逃げされるくらいなら俺が全部食ってやる」

と言って片っ端から食った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ