少年
エピソードタイトルを変更するかもしれません。
「ラウロ!ラウロ!どこ?」
中庭で少年が専属の侍従を呼んでいた。
すると、青年が苦笑いをしながら近づいてきた。
「どうかされましたか?ターヴィ様」
ラウロと呼ばれる青年がターヴィの目線に合わせて膝をついた。
「今日はアルが魔法を見てくれると言っていたのにどこにもいないんだよ!」
ターヴィと呼ばれていた少年が少し拗ねた表情でラウロに文句を言っている。
ラウロはターヴィの頭を撫でながら
「お館様は、朝から会議に出ています。もうそろそろこちらに戻ってくると思われますが・・・」
ラウロは主の気配を察知し、ターヴィの横に膝をつきながら頭を下げた。
「お館様、おかえりなさいませ」
ターヴィとラウロの前には、正装をしたこの館の主がにこやかに歩いてくる。
その姿を見つけたターヴィは嬉しそうに駆け寄り
「アル!」と言いながら抱きついた。
アルと呼ばれた紳士はターヴィをしっかりと受け止めるとそのまま抱き上げ自分の視線にあわせた。
「ターヴィ、遅くなってすまない」
アルは少し眉を下げながらターヴィに謝ると、ターヴィは首を横に振りながら
「ううん。もう大丈夫。ちゃんと僕の所に帰ってきてくれたからね」
と言いながらアルの顔に両腕を回ししがみついた。
「ターヴィ様!そのようになさるとお館様が歩けなくなってしまいますよ」
ラウロは立ちながらターヴィに軽く注意をした。
「大丈夫だよ!だって、アルだよ?これぐらいじゃフラフラしないよね~?」
と言いながら頭の両サイドから生えている漆黒色の角を丁寧に撫でた。
「ターヴィ様!そのようなはしたない事をなさってはいけません!」
ラウロは顔を真っ赤に染めながらオロオロとしだした。
「ラウロ、大丈夫だ。私がターヴィに触ることを許可しているんだよ」
「そうかもしれませんが・・・。あまり人前でなさる行為ではないとお館様の方からもおっしゃってくださいね!」
ラウロの真っ赤な顔が恥ずかしいから怒っているの意味合いに変わりつつあった。
「ラウロ・・・。だってアルフォンスは僕の未来のパートナーなんでしょ?パートナーは触ってもいいってこの前教えてくれたじゃないか!」
ターヴィはラウロの矛盾に少しムッとした。
「まあ、確かに・・・そのような説明は・・・したのですが・・・」
ラウロはモゴモゴと言い訳をしていると
「じゃあ、私もターヴィのここを触ってもいいんだな?」
アルフォンスはまだ小さいターヴィの角をそっと撫でた。
「うふふ。くすぐったいよ。それになんだかむず痒いんだ。ねえ、アルこの角って取れないの?」
ターヴィは自分の頭についている小さな角を邪険に抜こうとする。
「ターヴィ様!!!!」
その姿を見たラウロが両手を頬に添えて顎が外れるぐらい叫んだ。
さすがのアルフォンスもターヴィのその行動を咎める。
「こら!ターヴィ駄目じゃないか。角は魔族であることの誇りだぞ?ターヴィは魔族は嫌いなのか?」
イジイジと触っていたターヴィの手をそっと握りながらアルフォンスが尋ねた。
「そんな!魔族の事嫌いじゃないよ!ごめんね。アル・・・」
アルフォンスの悲しみをターヴィも理解するとシュンと肩を落とした。
「ターヴィが分かってくれたのならもういいんだよ。そんなに悲しい顔をしないで?ね?」
「うん。分かった!じゃあ、さっそく今日の魔法の練習に付き合ってよ!僕、かなり上手になったと思うだよね~」
ターヴィの機嫌が一気に上がると嬉しそうに、何が仕えるようになったか説明をしはじめた。それをアルフォンスは嬉しそうに相づちをうちながら聞いている。
しばらく話していると
「あれ?なんだか眠くなってきちゃった。アル、今日はもうどこにも行かないよね?」
目をこすりながらアルフォンスにもたれて確認をする。
「ああ、今日の仕事はおしまいだよ。ターヴィがゆっくりお昼寝できるように部屋に戻ろうか」
「もう少しこうしてアルの傍にいたいな・・・」
といいながらついにターヴィは眠りについてしまった。
アルフォンスは縦抱きから横抱きに変えるとそのまま館の方へ向かって行く。
「ラウロ、今日のターヴィはどうだった?」
「はい、今日もターヴィ様は心安らかにお過ごしでしたよ」
「そうか・・・。それは良かった」
最後までお読みいただきありがとうございました。




