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キラキラひかれ  作者: 田舎のおっさん


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第5章:あしたからがんばる

では最終章、第5章に進みます!

第5章:あしたからがんばる

描きたいシーン


翌朝、幼稚園に行く決意

幼稚園での新しい一歩

できなくても「いっしょうけんめい」やってみる

少し成長したひびき

希望を感じさせる締めくくり



第5章:あしたからがんばる

つぎのあさ。

ひびきは、じぶんで、めをさました。

まどから、あさのひかりがさしこんでいた。

きょうは、ようちえんのひ。

ひびきは、ふとんから、おきあがった。

いつもなら、「いきたくない」って、おもうところ。

でも、きょうは、ちがった。

「よし」

ちいさく、こえにだした。


あさごはんをたべながら、おとうさんが、しんぶんをよんでいた。

いつもとおなじ、ふうけい。

でも、ひびきのめには、ちがってみえた。

おとうさんは、ゆうべ、あんなにがんばっていた。

ほのおとたたかって、ひとをまもった。

そして、いま、ここで、やすんでいる。

つぎのしごとのために。

「パパ、きょう、おしごと?」

ひびきが、きいた。

おとうさんは、しんぶんからめをあげた。

「ああ、そうだよ。ひびきは、ようちえん?」

「うん」

「そうか。がんばれよ」

おとうさんは、にっこりわらった。

ひびきも、わらった。

「うん、がんばる」


ようちえんのもんのまえ。

ひびきは、たちどまった。

むねが、ドキドキした。

また、ころぶかもしれない。

また、てつぼう、できないかもしれない。

また、みんなの、わに、はいれないかもしれない。

でも……

ひびきは、おもいだした。

おとうさんの、せなか。

あせだらけの、せなか。

ほのおにむかっていく、せなか。

「いっしょうけんめいやる。それが、かっこいいってことだよ」

おとうさんの、ことば。

ひびきは、ふかく、いきをすった。

そして、はいた。

「よし」

もういちど、こえにだした。

そして、もんを、くぐった。


ようちえんのにわ。

もう、ともだちが、あそんでいた。

「あ、ひびきくんだ!」

さきちゃんが、きづいて、てをふった。

「おはよう!」

ひびきは、ちいさく、てをふりかえした。

「いっしょに、あそぼうよ!」

ゆうくんも、さそってくれた。

ひびきは、すこし、ためらった。

でも、こんどは、あしが、すくまなかった。

「うん!」

げんきに、こたえた。


おにごっこが、はじまった。

ひびきは、いっしょうけんめい、はしった。

かぜが、かおにあたる。

きもちいい。

でも、やっぱり、みんなより、おそい。

すぐに、おにに、タッチされた。

「あー、つかまっちゃった!」

ひびきは、わらった。

まえだったら、くやしくて、ないていたかもしれない。

でも、きょうは、ちがった。

「こんどは、ぼくが、おに!」

ひびきは、げんきに、みんなを、おいかけた。

ころびそうになったけど、ふんばった。

みんな、わらっていた。

ひびきも、わらった。


てつぼうのじかん。

ひびきは、てつぼうのまえに、たった。

こわい。

できないかもしれない。

でも……

「やってみる」

ひびきは、てつぼうを、にぎった。

つめたくて、かたい。

ぶらさがってみた。

てが、いたい。

でも、はなさなかった。

「がんばれー!」

さきちゃんが、おうえんしてくれた。

「ひびきくん、できるよ!」

ゆうくんも、こえをかけてくれた。

ひびきは、いっしょうけんめい、からだを、まえに、たおした。

まわれるかな……

まわれないかな……

ぐるん!

まわった!

まえまわり、せいこうした!

「やったー!」

ひびきは、おおきなこえで、さけんだ。

みんなも、いっしょに、よろこんでくれた。

せんせいも、わらっていた。

ひびきは、むねが、いっぱいになった。

できた。

はじめて、できた。


ようちえんがおわって、おかあさんが、むかえにきた。

「ひびき、きょうは、どうだった?」

おかあさんが、いつものように、きいた。

ひびきは、にっこりわらった。

「たのしかった!」

おかあさんは、びっくりしたかおをして、それから、とってもうれしそうに、わらった。

「そう! よかったね!」

ひびきは、てをつないで、あるいた。

そらを、みあげた。

たかいそら。

ひろいそら。

きらきらと、ひかっていた。

おとうさんの、せなかみたいに。

「ぼくも、いっしょうけんめい、がんばる」

ひびきは、ちいさく、つぶやいた。

おかあさんには、きこえなかったけど、

それでよかった。

これは、ひびきと、ひびきじしんの、やくそくだから。


よるになって、おとうさんが、かえってきた。

「ただいまー」

「おかえりなさい」

ひびきは、げんかんまで、むかえにいった。

おとうさんは、すこしびっくりした。

「おお、どうした?」

「あのね、パパ」

ひびきは、むねをはった。

「きょう、てつぼう、できたんだ!」

おとうさんは、めをまるくした。

「ほんとうか! すごいじゃないか!」

おとうさんは、ひびきを、だきあげた。

「いたい、いたい!」

ひびきは、わらった。

おとうさんも、わらった。

おかあさんも、わらっていた。

リビングに、あかるいわらいごえが、ひびいた。


ベッドにはいるまえ、ひびきは、まどから、そとをみた。

ほしが、きらきらとかがやいていた。

「あしたも、がんばろう」

ひびきは、ちいさく、つぶやいた。

そして、ふとんにもぐった。

あたたかかった。

あんしんした。

そして、すぐに、ねむりについた。

ゆめのなかで、ひびきは、はしっていた。

かぜをきって、まっすぐに。

ころばないで、はしっていた。

そのせなかは、ちいさいけれど、

すこしだけ、おおきくなっていた。

まるで、おとうさんみたいに。

きらきらと、ひかっていた。

おわり

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