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やらかし妹のいる三男坊に転生していましたがそれなりに幸せです【短編版】

作者: 紅満月

アレクシール・カノーラ。それが俺の名前だ…今世の。前世はしがない社畜のおっちゃん。飛び出した子どもを助け、定番のトラック転生を果たした名も無き英雄である(自画自賛)


乙女ゲームへの異世界転生…それも、ストーリーに対して何の影響もないモブ中のモブに転生していたと気付いたのは、妹がやらかした事を聞いた後だった。という前フリ…実はそれより前に知ってた。


前世で一大ブームとなった「華の乙女と星の王子たち」…メディアミックスされたゲーム原作の物語があった。


男爵令嬢のヒロイン(養子)が、ひょんな事から学園に通い、王子や公爵・侯爵・伯爵などの令息たちと和気藹々とする典型的な身分差恋愛もの。身分差解消するのもテッパン。


ありふれた物語だが、神作画やキャラ声優が豪華とかで話題になり、ゲームは元より漫画や小説、アニメに舞台、コラボと実写ドラマから映画化までされた代物なので、多少なりとも見聞きはした……いや、正直に言おう。アニメ化された際、ヒロインの声優が推しだった。


が、それとこれとは別だ。考えて欲しい…王子や令息が現実に居たとして、そんな高貴な身分なら婚約者は居るのがこの国ではど定番。そんな男から奪うヒロインが何処にいると…身内に居た。


カノーラ辺境伯の4番目の子どもにして長女のミュゼット・ルクシール・カノーラ。俺の実妹である。実妹、ここ重要。推し声優と同じ声なんだぞ…ちくせう。


ゲームと同じく紫色の髪を持つ神作画の美少女…但しツンデレかつ男爵令嬢(養子)ではない設定変更。もとい、ネタが最初からバレているというクソ展開。幼少期に攫われなかったともいう。三男()頑張った…やっちゃったともいう。


なお、俺だけ母方のルクシール姓を名乗れないのは三男だからである。長男次男なら後継の居ない場合ならば母方の領を継ぐ可能性あり名乗れ、女性ならバックにどんな貴族が居るか箔付けになるから名乗れる。が、要らん子には不要という考え方なのだ…ふぐぅ(不遇)


変革した世界線をミュゼットに歩ませた結果、悪役令嬢となるはずの婚約者を追放するどころか、逆ハーレムを企てようとしたビッチ令嬢扱いされて貴族の学園には相応しくないと追放…王子の権限で修道院送りなんて羽目になった。


もっとも、本人はコネ作りとかで近づいただけで恋愛だの簒奪だのには興味は無かったと反論したそうだが、それならもう少し婚約者の令嬢たちと仲良くしろよと。甘やかして育てたからか、男兄弟の中で育った弊害か。あるいは世界からの圧力、強制力か。


まあ、辺境伯なんていうのは疎まれている事もあり嵌められたというのが真相とは後の調査で判明している。


調査した騎士団員()ら曰く、「辺境伯(クソ親父)のと同じような小言が嫌で意趣返しした」という王太子や側近教育の恨みつらみを返したかったというクソガキ思想の被害者である。クソ親父厳しいからなぁ…三男(後継者候補外)で良かったと何度思った事か。


この騒動での影響は大きかった。王子たち側にも、俺たち(カノーラ辺境伯)側にも。


罪のない辺境伯令嬢を疎ましいからというだけで修道院送りにした王子とその取り巻き一行は信用失墜は当然として謹慎や廃嫡に婚約解消、騎士学校への転校などなどの処置となったそうだ。どれがどれかは知らんけど。


カノーラ辺境伯側は、娘の事で迷惑かけ(ブキギレ)たからと親父が教育係と辺境伯当主の引退を表明。数年の内に長男の兄が後を継ぐ事となり、引き継ぎの為に領地へ戻るという体裁の王宮との縁切りを行った。お陰で王都の屋敷を売り払われ、俺は住むところを失った。ど畜生が。


娘が可愛いのは分かる…前世でも娘はおろか恋人も居なかったけど。二次元には嫁居たけど。


長兄は辺境伯の次期当主としてしごかれるのは確定。まあ、前々から当主代行として実務をしているし大丈夫だとは思うが…鬼の居ぬ間の期間終了のお知らせ。南無南無…


次兄は母方の伯爵位を継いで辺境伯領地に吸収合併されていた旧伯爵領地を既に治めている。勝ち組だよなぁ…地獄のような教育を見てなければそう思う。


まあ、長兄次兄共にその教育の結果伴侶も得ているのだからいいじゃないか…リア充滅びろ。何故、俺に縁談の1つも来ないのか。


そもそも、カノーラ辺境伯の領地は特別だ。前世の世界観で置き換えるなら、カノーラ辺境伯の領地が府とすれば、母方のルクシール伯爵が治める領地が県庁所在地の隣市みたいなもの。更に寄り子の子爵や男爵が治める領地やら、自治領扱いの町や村も含めて辺境伯領…その面積、実に国土のおよそ2割弱。


つまり、親父が再度ブチギレたなら独立国家となれる規模である。さすがに領民が困るだろうからしないと思う。しないんじゃないかな…しそうだな。


話を戻して、そんな勝ち組の長兄次兄とは異なり辺境伯の三男(要らん子)である俺は、一般的なファンタジーもの同様、受け継げる爵位も余ってなければ重用もされない味噌っカス扱い。転生ムーブもチート能力も無く、冒険者か騎士学校か選べというテンプレ…


王道ものの冒険者ムーブする気も起きず、15歳の成人を迎え王都の騎士学校へ進学という一か八かの賭け…もとい、この世界の王道パターンに乗っかった。


卒業後は地元の辺境騎士団にでも就職して呑気に過ごそう、魔物しばいて憂さ晴らししようと考えたのがまずかった。


なんと、知識チート(コラボ先の技発動)とか親父譲りの体力とかで首席卒業してしまったが為に、王宮騎士団に就職(強制エリートコース)。この世界、算数出来れば天才扱いなんよ…商人ルートを忘れてたが為にこうなった。


あれよ(王女襲撃未遂事件、)あれよ(切り裂き公爵事件、)という間に(騎士団分隊長薬物事件)手柄を稼いで(を解決してしまい、)お情けで昇進。毎年事件が多すぎて嫌になる。


いつの間にか最年少で騎士団の分隊長にまでさせられた上に、祝いにと親父から士爵領を賜った………修道院付きの。


つまり、王子の半端な情けで地元の修道院に入った愛娘のミュゼットの面倒を見ろという暗黙の押し付けである。冤罪とはいえ傷物になった娘は貴族社会では生きてけない…婚活も見込めないというのが一般的だから仕方ない。仕方ないが、納得いかん。


領地が無ければ、王都で悠々自適に暮らせていたというものを…とは思うが口にしたら辺境伯への不敬とかで処罰されかねない。あのクソ親父ならやりかねん。


騎士団第六分隊長程度の立場なぞ、有って無いようなものである。それは先の事件で嫌というほど思い知っている。当時の副団長として…薬物の売人なら仕方ないとは思うが。伯爵位でも一発退場(死刑)だったもんなぁ…


ましてや、一年で半年分の休みがある超ホワイトな勤務である。内政や当主教育など(仕事が)ない人間は暇を持て余しているのだ。それこそ、冒険者とか慈善活動(ボランティア)して暇を潰すくらいには。俺はボランティア派…一応。ゴミ拾いはプロレベル…ゴミ拾いのプロって何やねん。


ところがどっこい、領地経営をしなければならなくなったので件の領地に行かなければいけなくなった……割食ってるのは俺だけじゃん。当主教育すら受けてないんだぜ…受けたいとは言ってない。



という、長い前置きはとりあえずとして…俺は今、馬に乗って領地を移動している。王都から移動する事十数日、もうすぐ領都…というには遥かに名前負けしている村に辿り着く。


昨晩泊まった隣の領地民の話では、何処ぞの貴族が村3つ分の土地を最近無理矢理併合して広さだけなら男爵領と同程度にしたらしい…親父ェ…


娘可愛さに領地改変してやがる…と頭を抱えたが、それだけの権力あるのだから別にいいやと諦めた。どうせ年に半年しか居ない領地だし、税収なんてのも見込めない僻地である。土地だけ広くても士爵領なんてそんなものだ。


辺り一面の不毛の地をカポカポと馬の蹄の音を響かせ目的地までもう少しというところで、向こうから茶色い何かがやってくるのを見つける。


目を凝らして見ると、ゴブリンとかではなく煤けた茶色い髪にボロい貫頭衣姿の子どもだ……その姿は王都でも見るスラムの子より酷い。歩き方もおぼつかなさそうで危うさもある。


何故こんな所にと思う。村までは後小一時間はかかるはずだ。歩く方向的に昨日泊まった他領の村まではかなりの距離があるし…声掛けるか。側まで近づき、声を掛けようと…



「た、助けてください…騎士様」


「あ、うん…」



先に声を掛けられた。男の子かと思ったが、女の子だった。しかも助けを求められた……あかん。これ、いつもの巻き込まれるパターンや。





この国は人頭税制です。といっても、それはあくまでも領主に課せられるもので、領民に対しては領主采配で別の税収が課せる事が出来る。限度や上限などは決まっているが。


ただ、人民の数だけは把握しておかなければならない。それがたとえ貧民でも、浮浪者でも。普く人々の命は平等で云々という国の主教と元第三王女で伯爵夫人の福祉精神で政策はされている。一部僻地を除く。


小難しい前置きは置くとして、村にも満たない集落があった。地図にも載ってない…そこが問題である。ポツンと一軒なら許されるが四軒あれば立派な集落だ。たとえ荒屋であっても。


そういう集落は近隣の村を治める者がきちんと把握して報告。税収と引き換えに補助をするのが通例だ…悪意が無ければ。


取れるものだけ取って、対価は支払わない…ましてや、虐げるなんて言語道断である。


その集落は村を治める村長から税収のみならず労働力やささやかな幸せすら奪って私腹を肥やしていたというわけである。


集落を村長の手下が襲撃していたので、何処ぞの暴れん坊な将軍みたく成敗した。領主采配で悪党は悪即斬が認められている。騎士ならば尚更である。それで酷い目に遭った事もある…公爵が切り裂き魔とか。成敗した相手が公爵とか後処理大変だった。


集落に居た人たち…中年の女性と子どもが数名。男は村の労働力として村に。更に若い一部の女性は…という話を聞いた。


辺境の更に辺境ではこういう事もある。一部の下劣な貴族は初夜権とか行使しているくらいなのだ…寝取りダメ。ゼッタイ。なお、当辺境伯領では禁止である。そんな事してたら死んだ母上が化けて出てくる。


集落の人たちを保護して共に村へ辿り着き、家族の再会を見届けた。それと同時に村人たちに俺が新たな領主である書状を示して村長一味を捕縛させ、一件落着…とはいかないのが世の常である。



「…それで、君はどうしたい?」


「そ、それはどういう…」



最初に出会い、救いを求めてきた子ども…もとい、アンと名乗る自称12歳のショートカットの少女には親が居なかった。いや、居たが死んでいたというのが事実か。


母親は流行病で他界。父親は村で労働中に事故死…小学校卒業したくらいの年齢で両親と死別なんて聞いたらおっちゃんの心に響くわ。今は十しか離れてないけど。栄養失調すぎて12歳にすら見えないけど…戸籍作られてないから調べよう無いし。



「君は俺に助けてくれと言った。それをどこまで果たしたらいいかと聞いているんだ…ちなみに、今のところ使用人見習いとして雇うくらいまでは考えている」


「へっ?」



キョトンという顔をするアン…もしかして、領主に直訴したから打ち首獄門とか思ってたんだろうか。そんな事を俺はしない…ましてや、女の子にする事じゃない。


そもそも村長を捕縛して、村には似合わぬ煉瓦造りの元村長宅…もとい、士爵領主宅となったこの邸宅には使用人は居ない。いや、居たけど成敗とか捕縛とかしたから居なくなった。血痕の掃除どうしよ…


王都の屋敷を引き払った影響で辺境伯の使用人が増えたからその内送るとは聞いているが、ロクなの来ないと思う。辺境の辺境だぞ、左遷されるなら解雇してくれって言われるだろ。俺なら言う。


つまり、目の前の少女を助ける事で俺にもメリットがあるのだ…win-winという事だ。むしろ、はいさようならなんて言えない。見捨てられるような性格なら異世界転生してない。



「勿論、給金も払うし…使用人が嫌なら出来る限りの支援はするつもりだが、希望はあるかい?」


「ど、どうしてそこまで…」


「それが君の助けになるからだが?」



助けてと言われて無視するなんて出来ないのは前世の影響からか…その所為でヒロイン()の境遇を変えてしまった気もするが仕方ない。そういう性分なんだ。後、可愛いは正義。


結局、アンは使用人見習いとして雇用する事になった…なったが、さすがに初日で血痕の掃除はさせられへん。大根買ってこよ。騎士団の仕事で、こういうのは慣れてる。





アンを雇って数日…村人からは多少恐れられていたりもするが、村長があまりにも酷い奴だったので受け入れられつつはあった。むしろ、概ね好意的。


それに、成敗した連中はおこぼれに預かっていたようで、早い話が女の敵…死体蹴りやむなし。そいつらの家は強奪(徴収)して集落の人たちが住めるようにした。


それよりアンの境遇である。指導係が居なければ見習いからは卒業出来ない。それに10こも下だからジェネレーションギャップもあるのよ…異世界コミュニケーションもあるのよ。男女差も(以下略


素直な良い子ではあるのだが、それ故に常識が一部欠如している。このままでは俺が光源氏みたいになりそうで怖い。集落で面倒見てたおばちゃんに「早くあの子に手を出して嫁さんにしちまいなよ」と会うたびに催促されている…解せぬ。


そう困り果てていた所にやってきた救世主。親父が派遣した使用人と騎士たちである。見知った顔も多い……見知りすぎた顔も居る。これ、ミュゼットの護衛部隊丸々来たな。まあ、その方が助かるんだが…



「アレク兄様。どういう事ですか?」


「どうと言われても…」



ただいま絶賛正座中…俺を兄様と呼ぶのは、侍女のメルモニカ・アーバン男爵令嬢である。赤髪でウェーブのかかったミディアムヘアの可愛い美少女…


ミュゼット付きの専属侍女として少し前まで貴族学園に通っていたが、ミュゼットのやらかしを抑えられなかった為に自主退学したとは聞いていた。そのまま侍女も辞するかと思っていたが、さすがに寄り子のアーバン男爵令嬢を無下に扱えなかったのだろう。俺にとっても妹みたいなものだし、ゲームでもミュゼットの親友枠というサブキャラだし。


メルモニカ…メルは、お助けキャラ兼最重要キャラであった。幼い頃に連れ去られたミュゼットの事を思っていたクソ親父が専属侍女として育て、貴族学園で学ばせつつミュゼットを探させるという無謀な任務を与えた結果、入学初日に特徴的な紫色の髪の少女(ヒロイン)と交流を深め…という展開。物語終盤では辺境伯令嬢という証明を果たした功労者。陰に日向にミュゼットを支えた真のヒロインである。


特に親友(ノーマル)ルートは攻略キャラルート以上に人気が高く、ミュゼットとメルが抱き合う最後のスチルは作品一の神画像とまで言われる。新進気鋭の新人声優(嘘)の演技も素晴らしく、てぇてぇ(尊い)ものになっている。さすがエ○ゲ界の人気声優の別名義だけはあるぜ。薄い本が厚くなるわけだ。


そんな設定と百合同人誌はさておき、怒られている。だって仕方ないやん。アンちゃん、平民どころか大貧民だから風呂入った事ないって言うんやもん…騎士の仕事とか暇な時のボランティアで浮浪児や孤児を風呂に入れるのは慣れてるから、それと同じく入れただけやん。下心は…多分無かった。介護心はあった。


それを説明したら平時からそんな事してるのかと更に怒られた。悪いのは俺にボランティア活動押し付けた親父やねん…貴族の義務である弱きものを保護する名目の一環やねん。炊き出しとか上手くなったと、とある伯爵夫人に褒められた事もあるんだぞ。元第三王女だけど。


そう言えば許される…と思ってはいないが、当たり強いんよ。実妹共々…普段は、クールで口数少ないのに、俺だけ。嫌われ者の味噌っカス辛っす。


これで、ゲーム設定はロクでなし(辺境伯三男)の婚約者だったんだぜメル…どうして婚約してないんだろう、俺ら。世界の歪みを見つけたい。



「アレク兄様。アンの事は今後、私が管理します。少なくとも成人までは手を出さないでください」


「いや、俺ロリコン(小児性愛者)じゃないからな」



触ったら逮捕、獄中で点呼は嫌なんよ。ただでさえ積極的にボランティア活動していたが為に幼女好き騎士(ロリコンナイト)の噂立てられてるし。噂の出どころ分かってるけど。


そういう噂もあるから縁談の話来ないんだろうなぁ……ぐすん。





アン…とメルが姉妹のように仲良くなるのには時間掛からなかった。が、使用人にちゃん付けはどうかと苦言を呈され、アンは雇用主を名前で呼ぶなとメルから指導され「ご主人様」と読んでくるようになった…俺との距離遠くなってね?


そんな悩みも抱きつつも、派遣された騎士にそれぞれの村に似たような集落がないか探索させたり、残りの二村の帳簿を調べさせたり、元村長を親父のところへ送りつけたりする事数日。ようやく修道院から面会許可の返事が来た。いつ出してたかって…王都出た時だよ。


修道院は男子禁制なのは定番だし、会うのが身内といっても他にも修道女は居るのだから仕方ない。惚れた腫れたで男側が連れ去ったら大変である。特に罰として送られた悪役令嬢を連れ去ったら犯罪なのだ。冤罪は証明したら可。



「というわけで、これが無罪放免の王印入りの書状な。修道院から出られる」


(ちい)兄様…今更ですわ。この修道院に入って一ヶ月。こちらの生活にも馴染んだというかのに…」



拗ねてる。さっさと迎えに来いウスノロがと視線で訴えている。仕方ないやん、追放即修道院にってだけでも晴天の霹靂だったのに調査にほぼ徹夜で一月、第三と第四王女の力(コネ)使って強引に書状を国王に書かせるのに数日、馬飛ばして半月の道のりだぞ。早い方じゃん…とは言えない。


昔はメル同様に「アレク兄様」と呼んでくれていた可愛い実妹だが、騎士学校に入って実家に寄り付かなくなり六年。貴族学園入学前に王都で再会した時には「小兄様」と呼ばれていた…曰く、「器が小さい兄様」らしい。鳴きたい…いや、泣きたい。涙がチョンボである。



「それに、メルの手紙では妹が苦しんでいる最中小さい子を弄んでいるとか…わたくし、正直失望しましたわ」


「いやそれ違うし。そんな事言ったら、男漁りに尽力してたお前も大概だし」


「はぁぁ? 何を言ってますの。王子たちには父様同様苦言を呈していただけですし、わたくしには昔から心に決めた方が居ますのよ。それをどう曲解すれば男漁りなどと下品な発想に至りますの?」



捲し立ててきたな、おい。というか、昔から心に決めた方が居るんですか、そうですか…まあ、恋する乙女は綺麗さーである。そういうのもあるよな…おっちゃん枯れてるからええねん。


もっとも、噂の真相なんてのは分かってた…が、そこまでしなくてもとは思う。どのみち暗君にしかならないの分かってたと伯爵夫人も第四王女も言ってたし手遅れである。水面下では第二王女の子…つまり公爵令息(3歳)を王太子にするか、第四王女を王太子にするかで話し合いしているそうな。


まあ、バカが上司だと楽出来るってのは一定数いるからどうなるか分からんけど。



「分かった分かった。とりあえず、その心に決めた奴と結ばれる為にも修道院からは出るぞ。その後は俺の手伝いしてもらって、ほとぼりが冷めたら社交界復帰な。支援してやるから」


「………本当ですの?」


「兄ちゃん嘘つかない。たとえ心に決めた奴が何処の馬の骨か分からなくても応援してやる…婚約者が居なければ」



寝取りダメ、ゼッタイとは言っておいたが、どうやら圧力を掛けてそういう相手は居ないとの事。憐れな…


まあ、とりあえず修道院から連れ出す事には成功したし、ヨシとしよう。ロリコン疑惑は晴れてない気もするが、それはそれである。ふははは、ロリコンの兄がいるところに誰が嫁ぎたいと思うのだね……本格的に噂を払拭しないと嫌われるなぁ。虚しい。





村長代理どころか領主代行まで出来るほどミュゼットは才女であった。親父仕込みの才覚を発揮してど田舎士爵領の生産性をアップ。具体的には温泉とか見つけたそうな。更に他の二村の村長がまともで不正も無かった事もあり、俺は特にやる事無い。


メルの話では、ミュゼットが恋焦がれる相手は剣の才能しかないボンクラらしいので経営方面の仕事を覚えたそうな。地元の騎士かな…来てる中に対象者がいるのかもしれん。祝言も近い。祝いに押し付けよう、この土地。


とか思っている間に三ヶ月の休暇終了も近くなり、王都に戻る事となった。直接雇用しているアン…はまだまだ教育中なので伴う事はメルに却下され、メルたち使用人もミュゼットの身の回りの世話しなきゃいけないので残留。独り身で王都へと戻ってくる事となった。


従者雇うか。それ以前に家探さないとな…ミュゼットの活躍で領地運営にポケットマネーを出さなくて済みそうだし、薄給でも金はあるんやー。でも、慈善活動用の費用要るから贅沢は出来ない。結局、金無いねん。



「アレクシール様、お待ちしていました」


「マリアベル様、どうしてここに?」



とりあえず興味本位で前の住処がどうなったのか見ておこうと寄ってみたら、そこには第四王女マリアベル・フォン・アレモニア様14歳が居た。護衛も当然居るが無視しとこう。ロリコンナイトと呼ばれる原因の一つがよく彼女と会う事なのだが…


騎士団に入って見習いであったある休日、お忍びでマリアベル様が城下町に繰り出しており襲撃されていたところに居合わせ、近衛騎士団と共に迎撃してからの付き合い。俺が駆けつけてなければマリアベル様は首を斬り落とされていたという事もあり、好意を持たれている…と思う。


もっとも、王家の人間に嫌われているよりはマシというレベルの好意だろうが。王子には嫌われてそうだけど、隣国に嫁いだ第一王女以下とは多少なりとも面識あると思う…第三王女以外とはまともな会話してないけど。



「アレクシール様。改めて、この度の愚兄の行った事お詫び申し上げます」


「マリアベル様、もう済んだ事です。それにマリアベル様たちの御助力で妹も修道院を出て今は元気にやっていますから」


「それでも、辺境伯令嬢を無実の罪で追放し醜聞を広めてしまったのは王家の落ち度です。どれほどお詫びしても許されるものではありません…」


「マリアベル様…」



彼女の目には涙が浮かんでいた。いくら王家の一員である王女とはいえ、その責は無い。むしろ、彼女が味方でいてくれたからこそ早期解決が出来たのだし感謝こそすれ責める気など無い。


だが、更にと彼女は続ける。



「それだけではないのです。アレクシール様の叙爵を王家は怠っていたのです…」


「…はい?」


「本来であれば、アレクシール様は(わたくし)めの救出にて男爵位を与えられるはずでした。ただ、騎士見習いという事もあり士爵位を持たないという事で先送りされ、その後の公爵事件解決と副分隊長就任にて子爵位、薬物事件解決と分隊長就任にて伯爵位。そして此度の件にて立場の安定とお詫びも兼ねて侯爵位が与えられるはずでした。ですが、最初の士爵位すら与えていないと判明したのです…」



……はい?


一応、辺境伯のクソ親父から名誉士爵位は貰ったけど、僻地共々。というか、本来なら侯爵って何よ。インフレ率高すぎへん?


確かに、襲撃事件のゴタゴタで叙任式とか見送りになって、その後も行われる事なくここまで来た。副長や隊長就任も任命式とかやってる場合じゃない状況だったから略式で書状だけの付与で終わったし…というか、そんな出世街道まっしぐら望んでないんだが。


更に、爵位ってのは一定期間置かないと新しく叙爵出来ないのが法律で決まっていたりする。つまり、後一年は名誉士爵のまま…


いや、別に構わへんけど。そう伝えたら泣かれた。



「せめて伯爵位以上でなければダメなのです…でないと私めが降嫁出来ません」


「……はい?」


「それとも、やはり妹君を貶めた王家の者とは婚姻を結びたくないでしょうか…」



えっと…モテ期きた?


相手、王女だけど。14歳だけど…ハニーゴールドのボブカットであの愚王子にちょっとだけ(ビジュアルのみ)似た超美少女だけど。第三王女みたいな淑女になるんだろうなぁと思う事多々あったけど。


アニメ化の際にちょい役でヒロインとお茶会してた、ロリボイス声優の大御所の豪華登用で話題にもなったけど…放映年度の妹にしたいキャラランキング一位だったけど。


というか降嫁って、嫁に来ないかって事で…つまりプロポーズやん。



「す、少しお待ちを……マリアベル様は俺と婚姻を結びたいと。そう仰るのですか?」


「そうです。私めだけではございません。名は明かせませんが、複数の方も婚姻を結びたいと望んでいます」


「…何故に?」



逆ハーエンドがある世界観である。一夫多妻も多夫一妻も許容しているのは知ってる。が、だいたいは一夫一妻である。国王にしろ親父にしろ他の公爵や侯爵にしろだいたい一夫一妻である。体裁とか嫉妬とか色々あってな。


まあ、そこら辺の事情は各家庭あるわな。あるだろうが…何故に俺なのか。今まで浮いた話無かったんだぞ。



「何故と申されましても…好いているとしか申し上げられません」


「そうですか…」


「ですが、近々お茶会を設けます。それとも、王配の方が良かったでしょうか? 私めとしてはアレクシール様がお望みでしたら国政にも加わっても宜しいかと存じ上げるのですが…」


「やめてください死んでしまいます」



今なら王太子になれるし、将来女王にもなるとか言われても困りまんがな。更に俺に王配教育詰め込むとかクソ親父帰還ルートでご臨終待ったなしですやん。


とりあえず、断れないし逃げられないのは確定した。きっと断れば謀殺される…横の近衛騎士が「断らないよな、断ったら処すぞ」と睨んでるんだもん…婚姻の返事は今求めないという慈悲で許された。お茶会までの猶予ともいう。


結局、それは別件であり本来のマリアベル様の用事は別にあった。叙爵していなかった分、今までの給与差額分として元辺境伯邸を王家が買い取り、それを代替にとプレゼントされた。


月給で金貨18枚、前世換算にして18万円(休暇月も支給)でも超ホワイトなのだが、それはあくまでも騎士見習いの給与でその五倍以上は貰っていなきゃいけない地位にいるらしい。しかも昇給あり。ボーナスあり………どうして賃金おかしいのに気付かなかったんだろう。前世の社畜根性染みついてた。


しかし、親父が沢山の使用人雇って回していたこの家をポンと渡されてもどうしようと…部屋も多いし、家具は処分済みだし、王家からの下賜だからよほどの事じゃなきゃ売れん。むしろ、固定資産税とか払わなきゃいけないのでは…詰んだ。





家具を用意出来ず、寝袋と外食、炊き出しで凌いだ。知り合いの伯爵夫人からは「アーくん、不摂生だよね」とお叱りを受けた…なら養ってくださいと反論したら更に叱られた。人妻じゃなきゃなぁ…


元第三王女で伯爵夫人のミリスベル・ヤーマン様は非攻略キャラである。何なら、「華の乙女と星の王子たち-外伝-」のヒロインの養母である。漫画版のみ連載されたが、元孤児のヒロインが公爵令息や義弟の伯爵令息などと繰り広げるほんわかラブコメディーだったと思う。


そんな事はさておき、今日も今日とて炊き出しを食べていると見知った顔がやってきた。フード付きのマントを纏ったアッシュブロントのミディアムヘアの少女…自称情報屋のレシアである。



「アレクシール、何か仕事ないの?」


「レシアか…そうだな。とある騎士が幼女好きの謗りを受けててな。それを払拭してくれ」


「いや、それ事実じゃん」



誰がロリコンナイトか。そもそもの発端は騎士学園に通っていた時、レシアが露店で盗みをやって店主に殴られていたのを助けたからだ。


浮浪児で、薄汚れていたから宿舎に連れて帰って風呂に入れた…仕方ないやん。男の子の格好していたから。ついてなかったんや、色んな意味で。暴れられるし引っ掻かれるし叫ばれるし…そこからロリコンナイトの噂が始まった。やかましいわ。


そこから更生させて、情報提供とかの仕事与えて今日に至る。先日の追放劇とかの裏ドリも貴族学園へ潜入してやってくれた功労者である。同時に、俺をロリコンナイト扱いする元凶でもある。


今はすっかり女の子らしい容姿になっているから浮浪者に襲われないか心配しているのだが、伯爵夫人や俺が後ろ盾になっているので、手出しは出来ないのか無事に過ごせている。



「…だいたい、成人したならいつまでも俺に仕事を頼らず独り立ちしろ。俺が居なくなったらどうする気だ?」


「そんな事言って、あたしが居なきゃ仕事出来ないのアレクシールの方じゃん。貴族学園の潜入とか金貨1枚じゃ足りない仕事したでしょ?」


「追加報酬が欲しいならそう言え」



財布から金貨を3枚出しレシアに手渡す。残り銅貨3枚…預金切り崩さなきゃ明日の晩飯は野草だわ。帰りに銀行寄ろう…


と、ふと思い出す原作イベント。ミュゼットが慈善活動の帰りに財布を盗まれた。相手は小汚い身なりの女泥棒…それを機にミュゼットはミリスベル様と知り合うのだが…


因果応報か、後日女泥棒は浮浪者に嬲り殺され空の財布だけがミリスベル様経由でミュゼットの手に戻ってくるイベントにも満たない地の文三行。それを元にした同人誌も作る猛者が居たり居なかったり……作者、作画担当者だったけど。


確か、この時期の話だったと思う。そして、小汚い女泥棒に該当しそうな浮浪者は……はい、間違いなくレシアです。同人誌の女泥棒は顔に斬られた傷があったが、それこそ無いけど同人誌の女泥棒と瓜二つ。いや、若干体型が幼い気もするが……このままレシアと別れると死別しそうで嫌だなぁ。金貨3枚で殺されるとか悲惨すぎる。



「レシア。俺の従者になれ」


「な、なんだよいきなり……まあ、アレクシールがそういうならいいけど」


「いいんかい…」



まあ、従者にするならレシアがいいとは思っていた。気遣いなく話せる相手だし、気の許せる間柄だし…ロリコンナイトの噂さえ広めなければ。


ミリスベル様の後ろ盾もあり、すんなりと従者契約は締結した。後、従者教育に送り出した。20日間の研修である……あれ、その間今の生活続く上に教育費用は俺持ちやん。野草探さねぇと餓死するわ。





餓死する寸前で仕事再開…騎士宿舎併設の食堂で三食取れるようになった。あれ、分隊長だからいつでも無料で食えたじゃんと思わなくはない。前世で社食なんて無かった。


カレーうめぇと食べていると、部下の一人が声を掛けてきた。昨年騎士になったばかりの元平民、セリーヌである。平民でもきちんと学んでいればノンキャリア組で騎士になれる。むしろ、士爵なんだぜ、俺と同じ給与なんだぜ…


金髪ポニテ美女のセリーヌ…ストーリーでは来期に念願の近衛騎士団に入って王子の婚約者である公爵令嬢付きとして大活躍(ヒロインいびり)するのである。その後、辺境伯令嬢いじめしたとして責任取らされる…殺されてしまう。声優豪華なのに。ついたあだ名がアイスソードくっころさん。憐れ…


だから、近衛には推薦しない。本人が希望しているの知ってても。そんな事させる為に騎士になんてさせないのだ。



「先輩、前に話した近衛騎士団の事ですが…聞かなかった事にしてもらえませんか?」


「………ん?」


「まさか、王族が先輩の妹さんを貶めていたとは知らず…」



聞けば、ミュゼットの件を聞いてそんな事する奴らを守りたくないと思うようになったとか。マリアベル様が成人と共に降嫁する噂もあるし、公爵令嬢はミュゼット庇わなかったしで守りたい相手居ないならこのままで良いとか…マリアベル様の根回しが進みすぎている件。


まあ、噂はさておき。嫌という者を無理矢理栄転させるつもり無いよ。騎士団長みたいに…被害者、俺談。だって手続き不備は王家だけじゃなく確認不足の騎士団事務方にもあるやんと。後で追及しに行く。今月の金すらピンチやねん。従者教育に金貨30枚とかぼったくりやねん。



「あの、先輩…聞いていますか?」


「うん、効いてる効いてる。今日のカレーはスパイス効いてる」


「いや、そうではなくてですね…このままこの分隊で頑張りたいという決意表明を…」



別に分隊長だからって媚びなくていいのよ。再編案とか出て真っ先に他へ吸収合併されかけたけど向こうから断られた鼻つまみ者の集まりが第六分隊だし。設定資料集では五分隊になってたのに解体されなかった…俺のプレゼンで。


休暇が二月に減って苦労するのは誰かと説いたら黙った。休み減らして働き増やすなである。働き方改悪はいかんよねー。


というか、決意表明するのなら副長やると聞いたら断られた…副長空座なのよ。成り手居ないのよ…同期はだいたい良いところ(一から五分隊)か自領に帰ったし。年上は侮ってきて非協力的だし…


つまり、後輩だけが頼りなのだ。特にセリーヌは近衛騎士になりたいと入団初日から頑張っていた…早く隠居したい。隠居して田舎暮らししたい…しーらないまーちーにすんでみたーいー。


毎日三食無料のカレーばっかりで飽きた。





ルドルフとかいう友人は居ないがいっぱいあってな…どうして稽古中に剣の刃が砕けるの。そんで、飛んでいった先に見学に来てた集団の中の令嬢の胸に突き刺さるの。命に別状無かったけど、その捜査に俺が駆り出されるの…以上、第五分隊のやらかしを解決した迷探偵こんなんの回想である。


というか、稽古に見学来るなよ…第六分隊(うち)なんか来るのはマリアベル様くらいですが。ロックオンされてたわ…前々から。


まあ、この事件が原作イベントに関わるものかと言えばそうなんだけど…メルがミュゼットを庇ってグサーじゃなかったので良かったとしよう。俺のささやかな特技小聖回復(ヒール)で助けられた名も無き令嬢は傷を負わせた青年騎士と恋仲になったのでナオヨシ。俺、特技バレて更に忙しくなった…ナゼヤシ。


そんな忙しくなった最中、騎士学校の生徒と模擬試合を行う事となった。本来なら第五分隊がする番だったのだが、先の事件で謹慎とかあってお鉢が回ってきたのだ。



「アレクシール卿、お久しぶりですっ」


「クリスティーナ嬢…」



まるで子犬のように目を輝かせて尻尾の如く黒髪のツインテールを揺らしてやってきたのはクリスティーナ・トリスタン子爵令嬢、17歳。


胸部装甲の厚い美少女であり、原作なら先の事件が元で起こるはずの貴族学園と騎士学校の生徒対立ストーリーで登場するツンデレライバルキャラ(眼帯娘)のはずである。声優は有名バーチャル動画配信者である。賛否両論あるが個人的には嫌いじゃない…はい、切り裂き公爵事件でやっちまった所為でわんこキャラになった。


だって、居合わせたんやもん…彼女が襲われる現場に。本来なら片目と引き換えに切り裂き公爵を退け、英雄になる(未解決事件)はずだったが…作画担当者の変な性癖の所為で。


まあ、居合わせたのだから後ろからブスッと刺したわけよ。串刺しにした公爵、公爵である。団子食いたい…


手柄横取り40万…彼女自身も手柄目当てではなく公爵が襲って殺した被害者の一人である商人の叔父の仇打ち目的だったので、公爵が討ち取られて安堵したと話していたが…



「まだ騎士になる事をやめてないんだな…」


「当たり前ですっ、アレクシール卿のような騎士になる為には努力は惜しみませんっ」


「元気な事で…(遠い目)」



決して悪い子ではない。が、復讐の為に騎士学校に入って解決に伴い改心したのなら貴族学園に展開して淑女になった方が良いと思うよ…と個人的に思う。原作の黒髪ロングクール系男装騎士は女性人気高くてメルとは違うベクトルで、攻略したいサブキャラだったわけだし。


どうしてここまで変わったんですか…特に胸周り(セクハラ)


確実に思うわけです…こいつ、絶対茶会に呼ばれてるなと。





そして、運命の茶会である……マリアベル様とクリスティーナ嬢は分かる。



「あのー…ミュゼットさんや。何故ここに?」


「小兄様、細かい事を気にすると禿げますわよ?」


「誰がハゲやねん」



ミュゼット、メル、アンも居た。レシアとセリーヌもドレス姿で居た。後、見知らぬ少女も数名…


これ、乙女ゲームの世界だよな。ハーレムものじゃないよな。


この後、壮大な順番争いに巻き込まれる事を理解しておくべきだった…なんでやねん。


【連載版に続く】

連載版、公開開始

https://ncode.syosetu.com/n9621in/

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