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9.ご飯は1日2回まで!

 お嬢様の従者になって7日。

 お嬢様が部屋に籠られることが増えた。試験が近いので、その勉強をしているらしい。


「お茶をお持ちしましょうか?」

「ありがとう。でも、集中を切らせたくないから、自分でするわ。あなたも自分の勉強をなさい。」


 そうは言われても、しなければならないことはもちろん、特にしたいこともない。勉強はサイラス様から頂いた問題集なるものをやったので、お腹いっぱいです。

 従者になる前は街で仕事をしていたので、学院から出ずにとなると、本当に何もすることがない。図書館くらい行っても良いのかもしれないが、極力、学院内を1人で歩きたくない。1人で歩いているところに他派閥の方々とすれ違おうものなら、難癖付けられることが目に見えている。今までなら無視していれば良かったが、従者になってしまったからには応対しなければならない。面倒臭い。


 仕方がないので、お嬢様にことわってから街に出ることにした。だって、やることないんです。暇なんです。内職系の仕事でも探して来ようかな。今後も週1回の学院の休みは、調査のために従者も休みと御達しを頂けたし。レオハルト様々だな。


 街に出ると、学院とはまた違う喧騒が聞こえてくる。慣れ親しんだ空気ではあるが、レオハルト様の依頼を調査していると、街の人達の顔に疲れが滲んでいるのが異常に見えてくる。今までは学院と街の違いということであまり気に留めていなかったが、もしかしたら、他の街の平民はこんなに疲れた顔をしていないのかもしれない。

 学院に通うまでは、そもそも皆が疲れた顔をしていることにさえ気付かなかった。それが当たり前過ぎて、何も疑問に思ってなかったけど、もしかしたら、ご飯を1日3回食べる文化が実は普通なのかもしれないとさえ思い始めている。いや、いくらなんでもそれは贅沢だろう。恐らくは、貴族の文化に合わせてあると思われる学院の常識にちょっと馴染み始めている自分が怖い。贅沢を覚えてしまうと、学院を卒業してからやっていけなくなってしまう。


 ここは1日2回で。


 、、、週に1回は、3回で。だって、育ち盛りだし。



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