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45. 友人ができました

 講義が再開して一週間。

 図書館併設の自習室に行くと、レオハルト様とサイラス様がいた。


「なんだ。従者は辞めるのか?まぁ、ポイポス領の問題はまだ完全には解決していないが、プラトンの街でできることはもうないだろうしな。」


 何故か従者生活が続いているが、常識的に考えれば、やっぱりこのまま年頃の令嬢と同室は問題だと思う。なんか慣れてきてる自分が怖い。


「お前、前期の試験は満点だったんだろう?ウチの派閥に入ったことも十分周知されただろうし、もう男子寮に戻っても問題ないと思うぞ。心配ならサイラスと部屋を替わるか?」


 今回の試験は授業で習ったことしか出なかった上に、実技試験の合格基準は取り敢えず魔術が発動すれば良いという低基準。試験は難しいものという噂なので、今回は学院入学後初の試験で慈悲をかけられたのだろう。

 実際、学院に入学できたことで慢心して勉強に不熱心になっていた生徒への戒めとなったらしく、今日も皆、前期より真面目に授業を受けていた。

 成績はおいておいて、コロコロ寮の部屋を変わっても良いんですね。いや、女子寮に連れて行かれたときはアレース侯爵の勝手みたいな感じだったし、権力か?

 案外気さくな人達なので忘れていたが、傍若無人なことを自然体でするところは貴族なんだよな。


「でも、お役に立てるようなことはもうないと思いますよ?」


「なんで役に立たなきゃなんだ?」


 役に立たないのに傍において、どうしたいんだろう。一緒にいて何をすれば良いんですか?


「お前、俺が役に立つからという理由で連れ回していたと思っているのか?」


「いや、まぁ、元から役に立ってはいないですけど。」


 なんで驚かれているかは解らないが、最初はお嬢様の従者にいきなりされたことへの同情で、王都からプラトンに戻ってきたのは同情ではなくお嬢様2ゴリ押しされたからだろう。

 レオハルト様にとっては役に立つどころか世話が増えている。なんか申し訳ございません。


「俺と一緒に過ごすのは疲れたか?」


「実は途中から普通に接していました。申し訳ございません。」


 王都でも時々一緒に依頼を受けることもありましたが、礼儀とか一切忘れていました。


「違う、違う。レオハルト様はロキと友達になりたいんだよ。レオハルト様も、ちゃんと言葉にしないと身分差もあるんだし伝わりませんよ。」


 サイラス様が通訳してくれたが、それでもよくわからない。

 友達ってなに?

 知り合いとどう違うんだ??


「あー、ロキ。わたしと友人になってくれないか?」


 多分、手を差し出してきているのは、握手を求めているんだろう。

 照れた様子のレオハルト様は珍しい。


「あの、友達って、知り合いと何が違うんですか?」


 レオハルト様の様子から推測するに、なにか特別な関係なのだろうか。でも、特別ってどんな方向性なんだ?照れるような関係性ってなんだ??


 全く想像できなくて、レオハルトの手を握り返しながら素直に尋ねてみた。

 こんなことなら、孤児院や何でも屋の親仁が言っていたときに訊いておけば良かった。


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