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38.類は友を呼ぶ

 冬季休暇20日目。

 いつの間にか、お嬢様と学院で過ごした日数と同じ日数が過ぎていました。波乱万丈過ぎて、もう1年くらい経った気がします。


 今日はイーサン様と王都近くにできた氷水晶の洞窟に来ています。洞窟には煌びやかな青白く発光する水晶のようなものがそこかしこから生えている。


「氷水晶は魔素の塊だから、採取するとすぐに分解されて魔素に戻ってしまうんだが、実は少しだけ結晶状態を維持させる方法があるんだ。」


 イーサン様の手元を覗き込むと、手折った水晶が空気中に解けるように散っていく。


「俺は身体強化以外の魔術が壊滅的でな。採取すると同時に、局所的に水系の魔素をギュッと氷点下になるくらいに圧縮した結界で覆ってくれないか?」


 イーサン様はご自身を少し剣術が得意なだけの普通の冒険者だとか仰っていましたが、氷水晶に誘われて洞窟内に大量にいた魔物を歩く速度を落とすことなく片手間に葬る方は絶対普通の冒険者ではないと思います。しかも、何も魔術とか使ってなかったですよね。


「圧縮ですか?1種類の魔素を集めるのも習ってないんですけど。」


「プラトンで結構な氷壁を作ったんだろう?ソレをギュッとこれくらいに小さい結界の中に作るイメージで結界を張ってみろ。吹雪を薄い氷壁で閉じ込める感じ。多分、そんな感じでいけるはずだ。」


 そんな雑な説明でできるはずがないと思います。とか思っていました。


「あれ?できた。」


「な?自分ではできないんだが、何故かやり方はなんとなく当たるんだよな。」


 類は友を呼ぶと聞きますが、呼び過ぎじゃないですかね。


「それ、学院に行く必要あるんですか?」


「学院は勉強というより箔を付けるためだな。あと、人によってやり方や感覚は微妙に違うからな。今の説明も、ロキじゃなかったら、また少し違ってくる。そのまま結界を自立させてくれ。結界を覆うように陣を魔素で描いてみろ。」


 イーサン様の言う通りに魔素で陣を描いてみると、感覚として自立したことが解った。


「ん?これ、結界の陣以外にも描いてないか?」


「駄目でしたか?水の魔素だけだと不安だったんで、土の魔素でも同じ結界の陣を描いたんですけど。」


 見た目は薄い玻璃のような膜が張られていて綺麗だと思ったのだが、何か失敗してしまったのだろうか。まだ魔方陣は学院の図書館でしか見たことがなかったので不安しかないのですが。


「あー、うん。別に魔術としてはなんの問題もないと思うぞ。ただ、まだ1年だし、他ではやらないようにな。」


 教えてくれるのは有り難いのですが、学院生活の難易度を上げるのはやめて欲しいです。

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