22.侍女の世界って怖い
プラトンの街に戻ってきて6日。
今日も今日とて雪かきです。
昨日、レオハルト様と孤児院に行ってきたら、お嬢様達に今度は自分達も連れて行けと怒られました。暇だったらしいです。
仕事をすれば良いのでは?と提案してみたら、ソレはダメなんだそうです。身体的に疲れていなくとも、精神的な疲れの為に休養すべきなのだそうです。
「身体的には疲れるような仕事じゃないはずなのに、めちゃくちゃ疲れるようなことってあるだろう?人間、気付かない内に疲れているということはママあることだが、魔物にあうような場所で注意散漫になったら命取りだからな。」
八百屋のオヤジが、お嫁さんと母親が一緒にいるとなんか疲れると言ってたヤツですね。解ります。
お嬢様の従者になってからは特に頻繁にあるので、よく解ります。
「ロキさんは、本当に正直ですねぇ。」
「まぁ、私達自身も疲れるから、その気持ちは解るわ。」
「なんで皆、回りくどく愚痴愚痴言ってくるんですかね。多分、侍女同士よりまだマシだと思いますよ。」
「カエデさん?」
「お嬢様方を貶める為に侍女を狙ってくるんです。用意していたお湯に雑巾の絞り汁を入れたり、お菓子にがらす片を混ぜたり。酷くなると、寝所に男性を引き入れられたり。」
「そうなの?侍女を連れて来なくて良かったわ。」
「アストレア様のところの侍女は、ご指名が頂けなくて拗ねていらっしゃいましたよ。」
「でも、万が一があったら、、、」
「アストレア様。その万が一が起きないように立ち回れる、万が一が起きても切り抜けられると信頼することも重要ですわ。」
「その通りです。私達侍女にも私達なりの誇りがあります。信じて頂けることは喜びですわ。」
良い話みたいに纏められましたが、ウフフと笑えるような話じゃなかったですよね?女の人、怖過ぎ。薬屋の兄ちゃんが、女の人は信用するなって言ってた理由を垣間見た気がする。
「他人事の様に聴いているようだが、あと数年すれば、お前も似たような目に遭う可能性は高いぞ。」
「あら。今だって、その手の方々垂涎の的なのでは?」
「その手の方々って?」
「あぁ、アストレア様。世の中には幼い子供にしか性的関心を抱けない方々もいらっしゃるんですよ。男の子限定の殿方とか。」
「ちなみにレオハルト様は受け派攻め派がケンカしてしまうくらいの人気ぶりです。」
「違うからな。ウケハセメハが何なのか知りたくないが、俺は普通に女性にしかそういった関心は抱かんぞ。」
ちょっと距離を開けた瞬間、レオハルト様が速攻で否定してきた。他人の性癖にとやかく言う気はないが、自分に実害が及ぶのは話が別である。老若男女問わず、ソレは犯罪だろう。しかし、泣き寝入りするしかないのが実際だろう。
「だから、お前の部屋はアストレア嬢の続き部屋なんだ。」
「女子寮は基本的にはそういったことが起きないように心配りがなされておりますのよ。」
女子寮はってことは男子寮は?
「だからお前の部屋は、アストレア嬢の続き部屋なんだ。」
侯爵、ありがとうございます。
常識がないとか思って、すみませんでした。




