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更級先生  作者: 識名紙織
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第九話 体力測定

まあ、閑話休題ってところです。

一週間が経ったころ、剣道場へ行くと倉橋先生が他の部員のストレッチを手伝っていた。先に恒例の質問タイムを終えてきたので、今日やることも知っている。


 「おう。おかえり。今日は何やるんだ?」


 「今日は現在の能力を把握することです。100メートルのタイムと1500メートルのタイムを測る予定です。」


 「そうか。更級先生のタイムより遅くはなるなよ。」


 「どのくらいですか。」


 「昔測ったんだけど今でも覚えてるよ。100mは12秒95、1500mは4分48秒。」


 七種競技世界レベルの速さなんですが、オリンピック出ないんですか。


 「ステロイドでも打ったんですか」


 「だってよ。更級先生。」


 「同時に出したわけないでしょう。100mを測ったのは春。1500mを測ったのは翌年の春。短距離用の身体から長距離用の身体に改造したの。」


 一般人は一年でそんなに変わらないしそもそも数学教師でしょあなた。


 「さて……。堤君。」


 呼ばれた先輩が柔軟を止めて振り向く。


 「ああごめんなさい。やりながら聞いて頂戴。穂積君と塩見さんの100mと1500m測ってくれないかしら。」


 一年生かな。他にもブラック部活に入る人がいたのかい。


 「分かりました。あと二分くらいで終わるんで、それまで待ってください。」


 「紹介してなかったわね。塩見さん、彼も一年生で穂積透君。で、穂積君、こちらが塩見夕香(しおみ ゆうか)さん。」


 「苗字は塩水の「塩」に見本の「見」、名前は「夕日が香る」と書いて塩見夕香です。宜しくお願いします。」


 おーおー。漢字ご紹介タイプか。


 「穂状の「穂」に積分の「積」、人工透析の「透」です。」


 「?????」


 「穂積君。あなた、全部音読みだから分かりにくいわ。しかも「すいじょう」って言われても普通はじめに思いつくのそっちじゃないし。」


 「「すいじょう」って何ですか??」


 「植物の「穂」の形ということよ。「穂状花序」という言葉以外では成句としては滅多に使わない気がするわね。」


 「へー。花序って何ですか。」


 聞いたら何でも答えてもらえると思ってんじゃねえぞ。ググれ。


 「花が咲くとき、一輪で咲くものもあれば沢山の花が集まって一つの纏まりを作るものもあるでしょう?その纏まりを花序と言うのだけど、その咲き方の分類の一つなの。真ん中に一本メインとなる軸があって、そこから直接花が幾つも咲いているのを穂状花序と言うのよ。」


 無限花序と有限花序しか知らなかった。


 「話を戻すと、こっちが穂積透君ね。で、さっき呼んだ人が堤慎一郎(つつみ しんいちろう)君。二年生。」


 「更級先生終わりましたよ。」


 噂をすればなんとやら。俺の名前の話は何処かへ行き、代わりに先輩がやってきた。


 「ありがとう。じゃあ頼んだわね。」


 「了解です。じゃあ二人とも、行こうか。」


 

 グラウンドに出ると陸上部が走っていた。


 「なるほど。だから今日が測定日だったんですね。」


 「そうだね。」


 「??」


 この天然ポンコツ女は全く分かっていないようだ。教えてやる義理もないのでそのまま放置。いや嫌ってる訳じゃないんだ。仲良くなる努力をしないだけ。


 「準備運動はした?」


 「しました。」


 「してません。」


 「じゃあ穂積は準備運動やって。アキレス腱とハムは特に念入りに。塩見は100m測ろうか。」


 「「はい。」」

 

じゃあ、と言って


 「すみませーん。」


 堤先輩が陸上部に声をかける。


 「100m、今使って良いですか?」


 「おー。少しなら良いぜ。どうした堤、今日も女連れか?この前も一年の女の子誑かしてたな。」


 「要らねえことをベラベラ喋ってる暇があったらその残念な頭のメンテでもしておくんだな。」


 辛辣すぎん……?キャラ変わってるし。


 「On your mark. Get set. Go!」


 パン、と手を叩いてスタートさせてたけど、なんで英語なの。

 

 準備運動を終えると塩見は1500mを走り始めていた。


 「100測ろうか。」

 

 「向こうは見てなくて良いんですか。」


 「あっちはトロいから大丈夫。まだ来ないよ。」


 見も蓋もないな。


 「じゃ、位置について。よーい。ドン!」


 なんで今回は日本語なんだ、と思いつつ走った。因みに13.84だった。まずまず。


 「あいつが帰ってくるまでにスタートすんぞ。うちの高校は割と広いからさ。正門スタートで外周一周走って正門まで戻ってきて、そのままこのポールまでで1500。理解した?おし、始めるぞー。」


 「はい、ヨーイドン。」


 流石に追いつけはしなかったが、最後背中は見えてた。タイムは4分55秒。どっちも更級先生に負けてんじゃねーか。


 「穂積は割と良いな。塩見はアレだな、速筋モンスターだな。」


 「何秒ですか。」


 「13.32」


 ……?


 「13秒32。」


 え?俺より速いの?トロいって言ったのはそういうこと?


 「1500は6分31。まあ、ポンコツだな。」


 平均より速いじゃねーか。


 「さあて、じゃあこれを元に予定立てて貰いな。」


 まあ、自分の実力を知ることが大事だしな。

一週間毎の更新予定だったんですが、曜日を一日間違えました。ごめんなさい。

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