俺、急に腹が痛くなってきた。
色々と考えていたら、ふと腹が痛くなってきた。
「いてえ、いてえ。やべえ、腹痛だ」
腹がぐるぐると鳴りだして、水分を取りすぎた時のような症状が出始めた。
「うわ、まじか。下痢か……」
俺は自身の体、主に下半身に視線を持って行った。
そこにはオムツがあった。
「オムツか……まあ、当然だよな。だって俺、今赤ちゃんなんだもん」
しかし、赤ちゃんだから、オムツ当然。オムツに漏らすのは当然と思うけど、しかし、今の俺は赤ちゃんでありながら、ただの赤ちゃんではない。なぜならば、日本語が喋れるから、知識があるから。
知識がない赤ちゃんはそれが何の疑いもない自然の行為なのだが、大人としての常識がある程度分かる俺にはそれは、そのオムツにうんちをするという行為は、羞恥心以外の何物でもないのだ。いや、あえてそういう行為をする性癖を持った大人がいるということは、知っている。知ってはいるが、俺はそうではない。 前世ではどうだったのかは分からないが、少なくとも今俺が持っている知識や、感情はその行為自体に拒絶反応を示しているのだ。
ああ、だが、だが、腹はだんだんと痛くなってくるばかりで、時計の針は進むばかりで戻ることはせず、ああ、時が戻ればいいのに、と思いながら俺はオムツに大をした。赤ちゃんらしく、羞恥心を捨てて、大胆に。何の疑念も抱かずに。
心がぽっかり穴開いたというよりは、曇り空から差し込む青空のようにどこか清々しく、爽やかな気分だった。しかし、俺はそれを感じた直後、その清々しさを受け入れるのを拒否した。なぜならば、これを受け入れると、受け入れ続けていくと、新たな性癖が開花する可能性があったからだ。だから、俺はその可能性の目を摘んだ。快楽に身を委ねるのではなく、自制を促したのだ。しかし、俺は赤ちゃんなので、この後も俺はしばらくは、快楽に身を委ねることになることも分かっていたから、俺の心は振り子のように、メトロノームのように、揺れた。