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俺、身動き出来ない状況で色々と考える。

 くっ、でもこの状況を打破するにはやはり、まず第一に記憶を取り戻すことを優先させなければならない。

 しかし、しかし記憶を取り戻した所で、体が不自由ならば全く持って意味がないというか、逃げ出すことは不可能なのではないだろうか。

 本当に俺はどうしてこんな状況になってしまったのだろうか。何か事件に巻き込まれたのだろうか。巻き込まれ型の展開に巻き込まれたのだろうか。

 あるいは本当に俺はどこかに赤ちゃんとして生まれたのだろうか。前世の全部の記憶はないまでも、日本語や多少の知識を持ったままで。もしそうだとしたならば、異世界ではないが、生まれかわり無双が可能ではないだろうか。しかし、前世の俺はどれだけの頭があったのかもよく分からない。色々と思考を巡らせて自分の知識を探ろうとするが、日本語以外は、ほとんど思い出せなかった。

 数学も、化学も、歴史も、地理もほとんどが曖昧なままだった。

 日本の県ぐらいはだいたいどの辺りにある、というのは分かるのだけれど、それ以外の一歩踏み込んだ知識というと、全然だめだった。

 ……俺って、実は前世で馬鹿だったんじゃね? 

 俺は思ってがっくりと肩を落としてため息をついた。

 生まれかわり無双の夢が一瞬で消え去ろうとしていた。いや、しかし生まれたばかりで、日本語が喋れるというのはかなりのアドバンテージになるのではないだろうか。と思ったけど、自分が勉強をする姿をイメージすると、なんだか面倒くさい気持ちが芽生えてきたので、ああ、俺は根っからの、前世からの勉強嫌いなんだなぁと、早くも悟りつつある俺であった。

 俺って、さぼり癖があるのかもしれないなあ。でも、でも、人には人の適性というものがあるとも、俺は思った。

 スポーツが出来て、勉強ができる人もいるけれど、何か一つも物に秀でていればまだ、始まったばかりのこの人生、上手くレールに乗れるかもしれない、とそんなことを思った。普通の人ならばそう思うのはもっと後のことで、こんな赤ちゃんがそんなことを考える訳がないと思う。つまり、現時点で、世界中の赤ちゃんの中で俺は今、優位に立っているといっても過言ではないのだ。しかし、だからと言って、世の中は才能というのも少なからず存在するとは思うから、まずは自分がどの分野で才能を発揮出来るのかを、速い段階で見つけようと、俺と言う、赤ちゃんは思ったのだった。ばぶー。


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