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ぼっちでも読める魔法の小説  作者: 川澄 愛里子
1/1

友達の作り方

ある地方ある国に、一人ぼっちの少女がおりました。

彼女は銀色の髪に青に近い紫色の瞳を持つ世界で一番美しい少女でした。

しかし、それ故に、周りの人達から、遠巻きにされて、いつも本ばかり読んでいました。

そんなある日の事です。

彼女の前に謎の一人の青年が表れて、一冊の本を置いて行きました。

彼女は、その青年に声をかけようとしましたがその青年は、彼女の前からすぐに姿を消してしまいました。

彼女は、初めて会った人と初めて話せると思ったので、ほんの少しショックでした。

仕方なしに、彼女はその本を手に取って見ました。

その本は、

「一人ぼっちでも、友達を作れる方法」

と言う変わったタイトルでした。

彼女は、現実に絶望していましたが、その本のホコリを払い、ページをめくって見ました。

すると、目の前には、その本の他にもう一人自分が立っています。

同じ顔、同じ瞳、同じ体つき。

彼女は、自分が余り好きではありませんでしたが、どうしても友達が欲しいと思い「彼女」に声をかけました。

「私ね、○○っていうの。あなたは?」

すると彼女も自分と同じ名前を言いました。

そうして、今まで一度も友達と話した事のない彼女でしたが勇気を振り絞って、

「私と、友達になってくれる?」

と言いました。

すると彼女は、

「大事なのは自分だから、いいよ。」

と言いました。

一人ぼっちでも友達が作れるの意味は、自分を友達にする事だったのです。

しかし、その時の彼女には「自分自身」が言ったその言葉の意味はよく分かりませんでした。

そうして、彼女は毎日自分と遊びました。

自分は、いつでも彼女と遊んでくれます。

段々、彼女は楽しくなってきました。

ある日、彼女が自分と遊んでいると「自分」が声をかけてきました。

「ねえ、あの時の青年に会いたい?」

彼女が「うんっ。」と言うと「自分」はにっこり笑って、

「私はこの人知ってるわ。」

と微笑み。

「でもね…、どうしても名前が思い出せないのよ。昔、世話になった人のはずなのに…」

と、言いました。そして、それを聞いてほんの少し寂しそうな顔をした彼女を見て無理やり作り笑いをして、

「でもね…、きっと最期には会えるのよ」

と、言い、ほんの少しだけ涙ぐみました。

しかし、その最後がどの最期かわからなかった彼女には今のその言葉の意味は幾ら考えても分かりませんでした。

でも、そこで「自分」はそこに有った一冊の本を手に取り、

「ねえ、この本を知っている?」

と、聞きました。

そうして、彼女は魔法の本の虜になりました。

自分以外にも、様々な自分と気の合う友達を作り出しました。

彼女は、段々、生きる事が楽しくなってきました。彼女は言います。と言うと

「私ね、○○っていうの。」

すると、もう一人の綺麗な金色の髪に緑がかった茶色い瞳を持つふわふわ体型の可愛らしいお友達も自己紹介してくれます。

「それじゃあ、オレは、□□。」

もう一人の薄い栗色の髪に赤に近いピンク色の瞳を持っているのに、太っていてダサいかっこをしたブサイクな公爵令嬢の友達は、

「わたくしは、♬♬と言います。」

と、言います。

そういう、自己紹介が終わると、みんなそれぞれに世間話を始めます。

しかし、友達のいた経験のない彼女は、その話について行けません。

しかし、そんな時はたいてい、みんなが彼女の話に合わせてくれたので彼女は、余り」困らずに済みました。

そんな生活が何年も続きました。










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