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小間使いから商会長の秘書に一気にランクアップみたいな感じか?返事はもちろんOKだけど。こういうのってまわりからやっかみとか買うやつじゃないのか?
「まわりのやっかみとか気にしてるのか?この商会は実力主義だ。実力のあるものが上にあがる。それが常」
そうだったな。そんなルールを俺が作ったんだった。何か?俺は、自分が作ったアバターの右腕として仕事をするという事になるのか?微妙。でもまぁ、小間使いから右腕になったんだ。乗っ取りもあり得るんじゃね?若しくは、ここで俺が違う商会を起ち上げるとか?『マルコ商会』。
“俺”よりも背は低いし、イケメンではないけれども。商会としてはどこまでいけるんだろう?
しばらくはカルロ商会の商会長の右腕として働こう。そして、商会としての技術・人脈なんかを盗もう!あ、いい人材の引き抜きなんかもいいかもしれないな。そんな大それた夢というか野望まで抱いてしまうのは、ここがサンライの世界だからだろうか?
「そう言えば、今の季節だからT国の香辛料を輸入しようと思うんだ。これが独占できたらかなりの大口契約になる」
あー、俺が指示出してたやつだ。
「だけどなぁ、毎年の事だがこの季節にこの香辛料って王都の商会が競ってる。尚且つ、今年は特に収穫量が少なくて、その価値が跳ねあがってるときたもんだ」
「しかも、グランデ商会ですか?」
「そうなんだよな。昔からあるだろ?香辛料なんて貴族様とか大好きだし、貴族様とのパイプを持ってるグランデ商会は当然のように自分のところが独占すると思い込んでるんだ。そこでだ!マルコ、お前の読みは当たる。グランデ商会の様子をちょっと調べてくれないか?」
「それって偵察ですか?」
「そういうことになるのか?市場調査だ、市場調査!とにかくなんか鍵になる事を持って来てほしい」
商会長もなかなかの無茶ぶり……。でもまぁ、頼られるのは何だか心地いい。これは“初任務”?ちょっとドキドキ緊張しちゃうなぁ。
しかしまぁ、現実世界にいた時の知識が役に立つか。あんなクソみたいな世界にいた時の知識が役に立つとはなぁ。
確か、グランデ商会は、昔からあってお偉いさんがお得意様。そっちに人脈とパイプもある。うちみたいな新興商会は見下す傾向にあるんだよなぁ。保守的っていうの?頭がガチガチなんだよなぁ。確かに取引先は大きいけど、取引方法も変わらずに保守的。時代の流れってものがあるんだけどなぁ。
商会長はグランデさん。結構なお歳。それらしく、古狸って感じ。俺のことなんか捨て駒みたいに思ってるような感じだ。
今の幹部に確か孫娘さんがいたなぁ。この人は…名前は忘れちゃったけど、漸進的というか、周りが見えてるんだよなぁ。グランデ商会は商会長よりも彼女の方がなんか危ない感じがする。気のせいだと思いたい。
商人の嗅覚というやつですか?




