18.
グランデ商会の執務室でレオナはグランデ商会長と対峙していた。
「おじい様。昔、小さな商会を冤罪で潰したでしょう?まさか、今でもそんなことをしているんじゃ…」
「それがどうした?グランデ商会のような大きな商会こそが残っていくべきなんだよ」
「違いますわ。時代に即した商会ですよ。つまり、おじい様のようなやり方は古いのです。事実、疫病が流行った時にグランデ商会は何ができました?何もできなかったでしょう?」
グランデ両会長は拳を強く握っている。
「出来た事は……貴族様達から反感を買うくらいのものでしょう?これではこの先も生き残っていくことは出来ません!」
「この前の香辛料の独占販売権争奪戦では、うまくいかなかったが世の中買収していけばうまくいくもんだ」
「そのような考えが古いのです。そのうち買収という行為自体が違法になるでしょうね。その前に王制の廃止でしょうか?」
「何を言っている?王制が廃止される理由がわからない」
「一部の特権階級のみに許されている行動などですよ。同じ人間でありながら」
「命の価値が違うんだ!」
「はぁ?命の価値は全員同じです。そのような思想がオカシイのです。その事すらも理解していないのですか?」
「大体、疫病がハーブなんて野草で回復すること自体がおかしいのだ!」
「ならば、その疫病にかかるといいです。この湖の風下で空気を吸って水を飲み生活を続けて下さい。発症しますから。その際にハーブを用いずにどうぞ回復してください。父さまもおじい様と同じように考えてるようですし、お二人で。いいえ、グランデ商会の中で命の価値とか訳の分からない思想を持っている人を連れて行って下さい。その間にグランデ商会は私が継ぎます」
レオナは地図で湖の方を指さしながら言っている。
「いや、レオナはもっと身分の高い男性と婚姻をだなぁ」
「はぁ?身分が高い?私はこの先身分制度などなくなると思っています。身分の高いだけのくだらない男性と結婚するなどまっぴらごめんです。さ、善は急げですよ?さっさと湖の方へ行ってください」
レオナは書斎に積まれた貴族様一覧という紙をビリビリと破り、ゴミ箱へと捨てた。
「ああ、私のレオナが~‼」
「私はおじい様のものになった覚えはありません」
大体、父さまって実の父親じゃないし~♪ 一気に一掃よ。疫病で亡くなろうと知らないわよ。自業自得じゃないの?マスターを苦しめた罰よ‼
カランカランとSanctuary Silentの扉が開き、レオナが店に入った。
「こんな感じでおじい様とどうでもいい父さまを追い出したわ。もちろんグランデ商会は私が継ぐつもりよ!」
「……そうか」
その父娘二人の空間にカルロ商会の商会長とマルコがやって来た。
「店の前でまた遭遇した。マスター、俺はいつものアマーロ・サワーを」
「俺はカンパリ・ソーダ♪」
「まだ早いんじゃね?」
「何おぅ。俺だって日々成長してるんだ!」
「確かに背、伸びたか?」
「そっちの成長じゃねーよ!」
「……騒がしい奴らだな」




