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『この街で、俺はもう一度生きる』ーー異議あるか?  作者: satomi


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13/21

13.


「ふーむ、今は湖からの風も低いですからなぁ」

 ああ、寒かったよ!で、味と香りはどうなんだ?

「うん、時間はかかるがどちらもT国で食べるものと遜色がない」

 真夏はわからないな。普通に地面を走る馬車よりはいいだろう。



 俺はなんとなくSanctuary Silentで愚痴を吐くようになった。やっぱりマスターの人柄とかかなぁ?他の誰にもないものがあるよなぁ。

「ってさぁ、苦労して運んだのに真夏はわかんないね~って評価。ひどくね?」

「……」

 マスターは無言でグラスを磨いてるだけだけど。この数カ月で俺も結構飲めるようになった(と思う)。危ない時はマスターがセーブしてくれるから助かる。


 カランカランと音が鳴り、お客様が入ってきた。

「またかよ……」

 カルロ商会長と俺はここで結構会う。約束してるわけじゃないけど、かなりの確率でココに来たら会う。

 商会長にはアマーロ・サワーが出された。

 俺の手元にはリモンチェッロがロックで。ちょっとは大人っぽく見えるだろうか?

「おっ、少しは飲めるようになったみたいだな。まだまだだけどな」

 そんなウォッカをロックで飲むとかは無理。

 カルロの真似をしてグラスの氷の音を立ててみた。

「真夏に香辛料がどうなるかなんて誰にも分りませんよね?むしろ今まではどうしてたんでしょうね」

「香辛料なんて使うのはお偉いさんばかりだから、わかんねーよ」

 カルロがグラスの氷の音を立てるけど、やっぱりさりげなくてカッコいいと思う。

 俺は……もうほとんどからのグラスだったしなぁ。

「マスター、おかわり!」

「マルコ、あんまり飲み過ぎすなよ。明日も仕事あるんだからな?」

 ふーんだ、美味しいんだもん。このお酒。

 俺もグラスの氷をカラカラと鳴らす。

「おいおい、なんだよ音を鳴らしたかったのか?下品だな」

 下品……やっぱり俺はまだまだなんだな。

「なんで、香辛料の取引争奪戦に参戦したんですか?胃腸弱いのに」

「最後が余計だ。今の商会をより大きくするためかなぁ?現状に満足しているようじゃダメだろう?」

 商会長はグラスの氷をカラカラ鳴らしながら話をするけど、ちっとも下品じゃなくて様になってカッコいい。俺とは違う。

「でも、まさかというか自分の商会だけ見ていた報いなのか、グランデ商会があんな動きに出るとはなぁ」

「正直言って、子供の癇癪みたいですよね~」

「正直に言いすぎだ。言い得て妙だが」

「お前の言い分もわかるんだ。利率を考えずに売れば、庶民的にOKだろう。でもなぁ、カルロ商会にはお前を含めて何百と働いている人間がいる。そいつらを養っている以上簡単には答えは出せない」

 商会が大きい故の悩み?




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