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『この街で、俺はもう一度生きる』ーー異議あるか?  作者: satomi


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1/21

1.

新作です。やったこともないVRMMOに挑戦まずは『VRMMOって何だ?』からスタートでした。



目の前で笑っているのは、俺が作った“理想の俺”だ。


完璧な笑顔。

誰からも好かれる声。

自信に満ちた立ち姿。


全部、俺が欲しかったもの。


なのに俺は、その足元で荷物を抱えている。

呼ばれれば走り、怒られれば頭を下げる。

小間使いとして、ただ働くだけの存在。


―――――どうしてこうなったんだ。


俺が作ったはずなのに。

俺が望んだ姿だったのに。


気づけば、俺は“俺”に追いつけなくなっていた。



***************


「井上真ちゃん♪俺らの課題、やっといてくれるよな?」

 語尾に向かって脅迫じみているところが凄く嫌だ。断れないけど。

 そんな自分が嫌になる。

「あ、俺の文字真似しろよ?課題をやらせたのがバレると結構面倒だからな」

 俺をボコボコにしたやつらは俺に唾を吐きかけて去って行った。


 ここは男子トイレ。男子生徒に囲まれ、ボコボコに殴られ、口の端を切った俺にに向かって言われたのが、「課題をやっておけ」って。


 はぁ、教室に戻っても俺は“異質な存在”として見られる。もう嫌だ。

 このままボロボロの姿で教室に行っても、誰も見てみぬフリ。教師すらも……。


 学校に俺の居場所はない。これが俺の現実世界の日常。


 帰宅して俺は逃げるようにVRMMO。Sanctuary Life~あなただけのサンクチュアリ・ライフの世界に逃げ込んだ。この世界なら誰もが“理想の自分”になる事ができる。

 俺はこの世界、世間ではサンライと呼ばれている世界で世界有数の商会長となった。俺は長身のイケメン。名前をカルロ。そして俺が起ち上げた商会が世界一となり、今やカルロ商会の右に出るものはいない。…このサンライの世界で。


「きゃー、カルロ様は今日もクールで素敵♡」

 等と女性にもモテモテ。人生の春という感じだ。


 俺は現実から逃げたいときなんかはこの世界にやってくる。

 そして……「この帳簿はなんだ?俺の指示と違うんじゃないか?今の季節ならT国との取引がいいと俺は思うね」

 等、商会の仕事をバリバリとする。この瞬間がなんとも清々しい。

 特定の女性を希望するわけではない。ただ……こんな風に人を動かすことが楽しくて仕方がない。


 いけね、現実に戻って課題やらないと今度こそ半殺しになるかもしれないな。

「きゃぁ、カルロ様のお顔が曇ったわ。お疲れなのかしら?」

「ははは。ちょっと、疲れたみたいだな。ログアウトするよ。指示したところ、よろしくね」

 そう言って俺は現実世界に戻った。


*****************


 はぁ、なんで自分を殴るような奴らの課題をしなきゃいけないんだろう?サンライと現実とのギャップがなんとも言えなく重く圧し掛かる。サンライではキラキラと輝いていた。だけどどうだろう?現実の俺は何だか身動きの取れない沼にはまっているようだった。


 虐められていることを両親に訴えた。……しかし、両親から帰ってきた言葉は、

「それはアンタにも非があるんじゃないの?」と、母親。

父親は、「男ならやり返すくらいの気概がなきゃダメだろう?」

 と、全く取り合ってもらえなかった。親身になってくれることを期待していただけにショックは大きい。俺には誰一人として親身になってくれる人はいない。

 それどころか……自分には味方がいないことがはっきりした。


 なんだか、もうどうでもよくなってきた。現実はこんなものなのか、サンライではあんなに輝いている俺。でも現実ではこんなに霞んで……。弱々しく。


 俺はその足でタワーマンションの屋上へと行った。多分、一番高いだろうから。不動産価値を下げてしまうのは申し訳ないです。

 そう思いながら、俺はマンションの屋上から飛び降りた。




暗い!ここからちゃんと明るくなります!そしてVRMMOは影もカタチもなくなります(悲)


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